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沼からの脱出

つい数日前、私はやっとクズ男の沼から生還できたようだった。
前の投稿「沼にはまった話」にて詳しい話は読んでいただけるのだが、軽く私がどのように沼にはまったかをおさらいしよう。

社会人一年目として働き始め、仕事のためだけに生きることは不可能と悟った私は恋人を見つけて幸せをつかみたいと思うようになる。そこで力を借りたのがマッチングアプリである。いわば、マッチングアプリガチ勢になった。何人かの人とメッセージのやりとりをして電話をして、直接対面するところまで辿り着いたのは数人だった。それでもなかなかぴんと来る人に出会えなかった中でダントツに惹かれたのが、私が沼にはまることになることになる彼である。

イケメンというわけではないが、話が面白くて、聞き上手、高学歴。そして何より恋愛経験の決して多くない私に上手いことときめきを与えてくる。もう完全に好きになっていた。完全に王子様フィルターがかかってしまっていたので、どんなクズなことをされても私は許してしまうモードになっていた。

半年以上、やりとりを続けていたが、付き合うとかそういうそぶりは見せてくれず、遊びに誘っても上手い言い訳をしてなかなか会ってくれなくなっていた。最後にあったときはチュウまでしてきたくせに・・・。それでも私はもう少し時間がいるだけだ、と希望的な何かを持ってしまっていた。2回目にあったときから家に行かせて欲しいと言われていたが、それをしてしまったら終わりだということは何となく分かっていたので、ずっと断り続けていた。でも、次会ったら何でもいうことを聞いてしまいそうなくらいに沼にはまっていた。

私はこの話を高校時代の友達、大学時代の友達に相談していた。半分、笑い話で「だめって分かってるけど好きなんだよね。ちゃんと断られたら次に進もうと思う」という感じで話していた。だいたいの友達は、「良くないからやめとき」と笑いながら答えてくれた。たまに恋愛経験豊富だったり、セフレがいたことあるような友達は攻めのアドバイスをくれることもあった。
だが、なかなか行動に移せず、次に彼が会う気になってくれる時をただただ待っていた私だった。

そんな私を沼から引っ張り出してくれたのは中学時代の友達だった。高校大学は違ったが、中学卒業後も仲良くしていて一年に1・2回くらい会う友達。年始、地元でご飯を食べに行くことになり、そこで私はいつものように沼の話をした。
半分笑い話のつもりだったが、その友達はずっと険しい顔をしていて、けっこうちゃんと怒られた。

一番心に刺さったのが「それは遊びにもなってない。遊ばれてるだけやで」という言葉。分かっていた、分かっていたことだけどほんとに分かった瞬間だった。

「本当に好きな人に対してそんなことすると思う?2ヶ月も会ってくれないとかあり得ないし、クリスマス家でだらだらしてたとかも絶対嘘やで。そんなんLINEも適当に返されてる。彼女がいたらさすがにそんなことはできないと思うから、○○(私)みたいな子がいっぱいいるんちゃう」

怒濤の勢いで事実を突きつけられた感じだった。そのときは、そんなきつく言わなくても・・・って思った私だったが、家に帰ってふとした瞬間にすごく悲しくなった。

やりとりを続けているものの、会ってくれないのはめんどくさがられているからに間違いはないだろうし、ほんと自分は何してるんだろうと思った。遊ばれているという事実がすごく惨めに感じられてきた。ただ目には見えない上下関係ができて従ってるだけじゃないかと思った。

そう思うと、すごく腹が立ってきてきっぱり諦めようと思った。
離れる覚悟ならLINEで最後に告白するなり、どういうつもりだったのか問い正しても良いかとは思ったが、結局既読無視することにした。

もしかしたら、なにか心配して返信をくれるかもと心の中で最後の期待してしまっていたのかもしれない。まぁ、そんなことはないだろうし、いまのところない。

もしかしたら意図せずかもしれないが、私を救い出してくれた友達は「彼氏作るにしても幸せになれなかったら意味ないからね」と言ってくれた。
間違いない。少し前に、受験や就職が最終目標ではないとよく言われていたではないか。

沼にはまっていることを自覚していたし、良くないのも分かっていて、自分では分かっているつもりになっていた。これが実は一番危ない(沼から抜けられない)状況だったのかもしれない。

ただ、沼にはまっていた日々は楽しくて浮かれていられて、家には来させなかった私の信念もあってか悪い経験にはならなかったとは思う。唯一、時間は費やしたかもしれないが、勉強になったし、まだぎりぎりそれが許される年齢(23歳)であったということにしておこうと思う。そのうち本当に周りに結婚ラッシュなんてものがきたらこんなにのんきなことは言ってられないだろうが・・・。

今年は心機一転また新たな出会いを探していきたい。今度はちゃんと素敵な人を見つけられるだろうか。

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