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人を撮る

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人を撮ること、それについて思うこと
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#広島

ニューボーンフォト、モニター撮影募集中です!

本格的にニューボーンフォトの撮影を初めて、2年が経ちました。仕事としてのカメラマン歴自体は10年ほどになるので、他のジャンルの撮影例は比較的充実しているのですが… ニューボーンフォトについては、使用する小道具やセッティングで雰囲気が変わることや。新しく小道具を追加した際に「使用例の写真があった方がわかりやすい」というお客様の声などから、サンプル掲載用の写真を増やしたいと考えており。現在、通常より1万円OFFのモニター価格での撮影募集をしています📸 サンプル用のため、掲載許

お天気と神社の不思議な関係

#私の不思議体験 といえば、雨が降らないことだろうか。正確に言うならば、「リスケも出来ない屋根もない、降るとキャンセルになる…そういう撮影案件では、どんな予報が出ていようがなぜか降られない(※ただし神社での撮影に限る)」だ。 これまでお宮参りや七五三などで、もう100件以上は神社で撮影している。確率的には、1度くらい雨でキャンセルになってもおかしくはない筈だ。しかし帰省日や着付けなどの関係で日程変更のできない方の場合、どれだけ事前に雨予報が出ていても不思議と降られない。

山の静寂と、子供の鮮やかさと

出張撮影をしていて「役得だなぁ」と思うことのひとつが、知らない神社に足を運べることだ。邇保姫神社も糸碕神社も速谷神社も遠石八幡宮も、それなりの規模の神社だけれど。もしも仕事がなければ訪れることはなかっただろうし、何なら速谷神社以外は依頼が来るまで名前も知らなかった。 京都や奈良のような歴史が観光に繋がる街ならいざ知らず。"超有名スポットではないが、地域では知られた神社"というのは、神社巡りを趣味にでもしていなければ知ることも行くこともなかなか無い。だから依頼メールに聞いたこ

大人が写真を撮るとき その4

「大人が写真を撮るとき」シリーズとして掲載している、今回のこの宮島フォトツアー。お祖母様の米寿のお祝いということ以外にも、もうひとつリクエストがあった。 それが「年をとってしまった愛犬を、今のうちにたっぷり撮影して欲しい」というもので。 正直これは心に響いた。自分も犬を飼っている身としては、いつか来るその日は他人事ではない。「それはもう、沢山撮りましょうね!」とはりきって応え、心の中でコブシをグッと握りしめた。 移動の合間に、人と同じようにパチパチと撮影していく。この子

大人が写真を撮るとき その3

家族写真といえば、まず確実にリクエストされるのが集合写真なのだけれど…実はそんなに得意じゃない。 というか、何カットかを連写で撮って数十枚のストックがあっても。ほぼ必ず誰かが目を瞑っていたり、カメラのレンズ以外を見ていたりするのはなぜなんだろう。 もちろん、そうならないように色々とお声がけしながら撮っているのだけれど…にも関わらず、かなりの確率でそういった写真が存在するという不思議。 なので、人数が少ない方が安心して撮れる。それでも「なぜか瞬きのタイミングがやたらシャッ

大人が写真を撮るとき その2

大人は、写真を撮られる機会が少ない。 さらには撮られること自体を好まない人も多い。 だけれども、この撮影の中でお客様もおっしゃられていたのだけれど。人間いつでも「今日がこれからの人生の中で1番若い」のである。であるからには、写真を撮るのであれば。常に「今、この瞬間」に残すのがもっともベストな選択であるといえるはずだ。 わたしもあなたも、これから先、今日より若い日はないのだ。 ほら、後ろで鹿も「そうだそうだ」という顔をしている。 だからご家族での出張撮影においても、でき

大人が写真を撮るとき その1

最初にご依頼を伺った時に「素敵だな、羨ましいな」と思った。 自分には訪れなかった幸福の形は、いつでも眩しい。 「祖母の米寿のお祝いに身内で集まるので、宮島で撮影をお願いしたい」、これはそういうご依頼だった。 少し我が家の話をさせてもらうと。かわいがってくれた母方の祖父母は、米寿を迎えるよりも随分と前に早々と亡くなった。父方とは色々とあって子供時代以降は疎遠であり、やはり既に亡くなっている。 そのせいかこんな風に身内で集まって米寿をお祝いする、ということにどこか憧れめ

子供の撮影とは、待ち続けること

「子供の撮影とは、自由さを見守ること」の続きです。 ひたすらに走り回って、追いかけて…そして最後にやってきた"待ち"のターン。延々と砂場でドングリを埋めることに夢中になる2人、全く顔を上げる気配がない…。 必死で話しかけても顔を上げてくれることはほぼなく、それどころか「お姉さんのドングリはありません」という残念なお知らせを告げられるという。そうか、ないのか…。 気を惹くことは諦めて。下から覗き込むことで、どうにか表情を捉えるという作戦。しゃがんだ子供より下からのアングル

子供の撮影とは、自由さを見守ること

「子供の撮影とは、走り回ること」の続きです。 走り回るだけ走り回って、休憩タイムが訪れた。暖かい日だったから、子供たちも上着を脱いでのお着替えタイムに入ったのだ。 こういう時の女の子の愛らしさは、何とも言えないものがある。 双子ちゃんながら、その性格は異なるようで。彼女の方は走り回るよりも歌と踊りが好きなようだ。歌いながら身体を動かす姿はしなやかで。一緒に踊りだしたくなる気持ちを押さえつつ、シャッターを切る。   「そろそろ別の場所に行ってみよう?」と2人を誘ってみた

子供の撮影とは、走り回ること

小さなお子さんの撮影は、もう本当にこれだと思う。 とにかく走る、走り回っている。後ろから追いかけても、顔は写らない。だからとにかく走って走って回り込むのが、カメラマンの仕事だ。 坂道も、大股でガシガシとのぼる。子供に先回りできるように、勢いよく駆け上る。おかげで当日の夜には太腿が筋肉痛になっていた。 こうやって必死に前に回り込んで、やっと顔が写せる。そしてそのまま前方を維持したまま2列並んだ滑り台の片側に素早く陣取り、子供よりも一瞬早く滑り出すことによって臨場感溢れる滑

写真の話、イルミネーションと子供

昨年は何度か"ひろしまドリミネーション"と呼ばれる、平和大通りで行われているイルミネーションでの撮影機会があった。 しかし実はイルミネーションと人、どちらも綺麗に撮るのはなかなか難しい。 写真を撮らない人は「目ではこれだけ見えているんだから、撮るのもできるのでは?」と考えるようだけれども、そんなことは全くない。人間の目は超高性能!高機能!機械であるカメラとは比べものにならないくらいにハイスペックだということを知って欲しい。「見たままに撮る」というのは、実はわりと難しいこと

わたしが見た、あなたの世界は

出張撮影、というのは。 誰かの人生のある瞬間だけ、ひょいっとお邪魔させていただくお仕事だ。 だから自分の子供もいないというのに。卒園式やら入学式の参列経験があったり、七五三のご祈祷を体験したりしている。 他にも結婚前の両家の顔合わせに立ち会ってドキドキしたり… 運動会では子供を追って校庭中を必死で走り回ったり… お宮参りに同行して、赤ん坊の小さな手にきゅーんとしたり…   こうやって人生の節目…それも幸福成分を多く含むような場に、部外者ながらひょっこり顔を出している

文句の出ない写真

「子供が大人になって見せても、文句の出ん写真じゃわ」 子供さんを撮影した写真に対して、お母さんからもらった言葉。 撮る側からは発想できない、お母さんの立場からの感想だった。 自分の中には無い例え方、言葉の使い方って。 どうしてこうも、グッとくるんだろう? というか「文句の出ない写真」という言葉の強さ、すごいよね。 だって。 「人に喜ばれる写真です」(にっこり) くらいなら、自分でも営業スマイル浮かべながら言えるかもしれないけど… 「文句の出ない写真を撮ります!」

まだ瑞々しさのある、ヘソの緒は

機会があって、出産直後の赤ちゃんの写真を撮らせてもらったことがある。 自分に子供がいないので。出産、そして生まれたての子供…というのは色々な点で衝撃だった。 まずは物凄く当たり前のことではあるんだけれど… さっきまで大きく膨らんでいたお母さんのお腹が、ペタンコになっていること。ついさっきまで、そのお腹の中にいた存在が目の前にいること。たったそれだけのことが、なんとも不思議なことのように思えた。 この写真は本当に生まれた直後で、まだヘソの緒もお母さんと繋がっている状態。さ