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鬼様のブランチ 「オジサンたちのこづかい事情」

今回の鬼ブラ!
・人食い鬼にもこづかい制の者。オジサン編。

前回の鬼ブラ!
・付き合ってなくても、デートくらいしてやれ。つれない男をタコ殴り。

街の居酒屋


斎観

会計がえ~っと、7900円だから、3000円よこせ。

東雲

…………。

斎観

細かいのなかったら俺が出しとくから、次にでも返してくれ。

東雲

いや、さっきコンビニで崩しといたからあります。
そうじゃなくて、なんでいつも付き合ってない男と女の比率なんですか? 半分出しますよ。

ていうか、これ言っていいヤツ? 俺のほうが金持ってるでしょ。

斎観

ヘビーなのぶっ込んでくるじゃねえか。
とりあえず俺が払っとくから、その話は会計ごと次の店に持ち越しな。


焼き鳥屋


斎観

お前、俺のことを「金に困ってるオジサン」と思ってる?

東雲

困ってるとは思ってねーけど、着てる服とかで、金を使いたくねえタイプなのかなとは。
神無様も、あんまり金稼いでるイメージねえし。神秘的っぽいから通俗的なことしてなさそう。

斎観

神無様はスーパー攻め様だから金持ってる。
「昔の甲斐性」の持ち主だから、けっこう従者の待遇はいい。

東雲

へー。
克己様は気が向いたときにこづかいくれるんですけど、待遇がいいかっつうと、そうでもねえかな。だから俺は女からこづかいもらってる。

斎観

お前はヒモ適性高そうだもんな。甘え上手だし。

東雲

あんたに言われるとキモいな。


たまたま近くにいたから、代行料金を浮かせるために来てやった弟弟子


白威

お疲れ様です。

斎観

どうもどうも。悪いな。

東雲

ん? 運転手と車の配分がわかんねえ。俺たちが乗ってきたのが斎観さんの車で、えーと。

白威

私の車に三人で乗って帰り、後日、斎観を乗せてまた来ます。
私の車というか、神無様からお借りしている車ですが。

東雲

自分の車ないんだっけ? 不便じゃねえ?

白威

神無様はもうご自分で運転をなさらないので、どうせ私が乗るしかなく、困ることはありません。高級車なので、こすりでもしたら大変だと緊張はしますが。

斎観

駐車場のスペースの関係で、乗ってねえ車があるといい顔されねえんだよ。手放すよりは従者が乗ったほうがいいだろ。

白威

車を買うような財力もありませんし。

東雲

ん? さっき聞いた話と違う。
神無様のとこって、待遇いいんじゃねえの?

斎観

白威こいつは倹約してんだよ。金がねえんじゃなくて、使いたくねえだけなの。

白威

金はないぞ。姉からこづかいをもらっているお前とは違うからな。

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