鬼様のブランチ 「暮らして生きて変わること」
今回の鬼ブラ!
・とりとめのない日常のおしゃべり
・若者は変わるが、年寄りは変わりにくいのう
・僕の顔をお食べ、おいしくなくても最後まで。ここにいてあげるから
前回の鬼ブラ!
・またおじさんが姫についての知見を話しているなあ。
お助け尊属
叔父さん、悪いんだけど今週のどこかで、郵便局に行ってもらうことってできない? 書留を出さなきゃいけないんだけど、時間がなくて。
木曜ならいいよ。どうせ街に行くし。
助かる! ありがとう。
どうということもないやり取りを見る者……
桐生、俺には頼み事とかしてこないのに、お前のことは頼るんだな。
あの年頃だと、父親と喋ったりするのは照れるんじゃないの?
……ちょっとその期間長いか? 今あいつ何歳なんだっけ。
何歳でも、父親と仲がいいとか思われんのは嫌だろ。
仲がよかったことないのでわかりませんけど、一般的にそういうもんというのを知ってはいます。
俺は、今でも……というか今、姉に頼まれごとをすると「俺なんかを頼るの?」とちょっと驚いてしまって、俺はいつまで被保護者のつもりなんだと自分で思ったりしますね。
甥に対してはずっと保護者側だったので、なんか頼まれたりしても、何とも思わないんですが。
よくそれを俺たちに話せるな………。
別に、兄貴に頼まれごとした時も思うよ。
俺、精神的に幼いんだと思う。
そうじゃなくて……。
斎観さんは「自意識」全般を恥じすぎでしょ。みんな恥かいて生きてんだから、そんなに自分の心の中ばっか隠したってしょうがねーだろ。
父親と仲がいいと思われるのを恥じてるヤツに言われたくねーよ。
しかし確かに君は若い
西帝君ってさ、もしかしてまだ童貞?
違いますけど、気持ち的にはずっとそうかもしんないです。
自分が「大人の男」になった感覚が全然ないんですよね。
若けえ。
俺たちも童貞として生まれてきたはずなのに、その頃の気持ちなんか覚えてないっすよね。
つうか、俺はその年頃のこと全体がぼんやりしてんだよな、なんか。
親父に一番殴られてた時期だから、脳の衝撃とかで記憶が飛んでんのかも。
重っ。
(重い話を軽く受け流すの、いい友達だな……)
聞いたァ?
西帝は「ほぼ童貞」らしいぞ。
ふーん。そういう感じよね。
狩らないのか?
は? あたしはあんたと違って、経験が浅いことにステイタスを感じないのよ。
性欲の薄い男なんかに用ないわ。年は知らないけど、顔つきが若すぎるし。
まあ、お前はそうか。
兄のほうは性欲強そうだから、多少は興味あるけど、桐生の父親だからやめとくか。
なんで百年同じ家に暮らしてるモンに対して、そんなに性欲を抱けるんだ。
もう壁とか柱に近いだろ。
だから知らないわよ、あんたの価値観は。
あたしは百年前から斎観のことを「なかなか上等な体格の男」として見てるわよ。
新品の女しか抱きたくないあんたにはわかんないのかもね。
いい年をして性欲ギラギラなお前や克己の気持ちはわからんなと、つねづね思っている。そんなに楽しいもんかね。
克己と一緒にしないでよ。あっちは朝から晩までそのことばっかり考えてるけど、
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