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鬼様のブランチ 「暮らして生きて変わること」

今回の鬼ブラ!
・とりとめのない日常のおしゃべり
・若者は変わるが、年寄りは変わりにくいのう
・僕の顔をお食べ、おいしくなくても最後まで。ここにいてあげるから

前回の鬼ブラ!
・またおじさんが姫についての知見を話しているなあ。

お助け尊属


桐生

叔父さん、悪いんだけど今週のどこかで、郵便局に行ってもらうことってできない? 書留を出さなきゃいけないんだけど、時間がなくて。

西帝

木曜ならいいよ。どうせ街に行くし。

桐生

助かる! ありがとう。


どうということもないやり取りを見る者……


斎観

桐生アイツ、俺には頼み事とかしてこないのに、お前のことは頼るんだな。

西帝

あの年頃だと、父親と喋ったりするのは照れるんじゃないの?
……ちょっとその期間長いか? 今あいつ何歳なんだっけ。

東雲

何歳でも、父親と仲がいいとか思われんのは嫌だろ。

西帝

仲がよかったことないのでわかりませんけど、一般的にそういうもんというのを知ってはいます。

俺は、今でも……というか今、姉に頼まれごとをすると「俺なんかを頼るの?」とちょっと驚いてしまって、俺はいつまで被保護者のつもりなんだと自分で思ったりしますね。
甥に対してはずっと保護者側だったので、なんか頼まれたりしても、何とも思わないんですが。

斎観

よくそれを俺たちに話せるな………。

西帝

別に、兄貴に頼まれごとした時も思うよ。
俺、精神的に幼いんだと思う。

斎観

そうじゃなくて……。

東雲

斎観さんは「自意識」全般を恥じすぎでしょ。みんな恥かいて生きてんだから、そんなに自分の心の中ばっか隠したってしょうがねーだろ。

斎観

父親と仲がいいと思われるのを恥じてるヤツに言われたくねーよ。


しかし確かに君は若い


東雲

西帝君ってさ、もしかしてまだ童貞?

西帝

違いますけど、気持ち的にはずっとそうかもしんないです。
自分が「大人の男」になった感覚が全然ないんですよね。

斎観

若けえ。

東雲

俺たちも童貞として生まれてきたはずなのに、その頃の気持ちなんか覚えてないっすよね。

斎観

つうか、俺はその年頃のこと全体がぼんやりしてんだよな、なんか。
親父に一番殴られてた時期だから、脳の衝撃とかで記憶が飛んでんのかも。

東雲

重っ。

西帝

(重い話を軽く受け流すの、いい友達だな……)


聞いたァ?


刹那

西帝は「ほぼ童貞」らしいぞ。

此紀

ふーん。そういう感じよね。

刹那

狩らないのか?

此紀

は? あたしはあんたと違って、経験が浅いことにステイタスを感じないのよ。
性欲の薄い男なんかに用ないわ。年は知らないけど、顔つきが若すぎるし。

刹那

まあ、お前はそうか。

此紀

兄のほうは性欲強そうだから、多少は興味あるけど、桐生の父親だからやめとくか。

刹那

なんで百年同じ家に暮らしてるモンに対して、そんなに性欲を抱けるんだ。
もう壁とか柱に近いだろ。

此紀

だから知らないわよ、あんたの価値観は。
あたしは百年前から斎観のことを「なかなか上等な体格の男」として見てるわよ。
新品の女しか抱きたくないあんたにはわかんないのかもね。

刹那

いい年をして性欲ギラギラなお前や克己の気持ちはわからんなと、つねづね思っている。そんなに楽しいもんかね。

此紀

克己と一緒にしないでよ。あっちは朝から晩までそのことばっかり考えてるけど、

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