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ガールズバンドクライ7話/重いよぉこの話……

恐れ入ります、ゆるめのあじたまです。
さて、えっとですね。

智ちゃんとルパさん重すぎない?

智ちゃんが母親の不倫? で家出、ルパさんが事故で家族を失う、というバックボーンが語られましたね。重いよこのアニメ。
仁菜ちゃんもいじめで不登校、桃香さんも夢を諦めて音楽を辞めようとする、すばるちゃんも押し付けられた将来への反抗という、重すぎる5人組バンドです。とんでもねぇな、尖りすぎだろこのアニメ

そして突然の新キャラ2人。仁菜ちゃんのお姉さんとミネさん。急にキャラを増やすな! おじさんわからんくなるから、キャラの事! 把握できなくなっちゃうでしょ!

仁菜ちゃんのお姉さん、もとい涼音さん、は結構俯瞰して物事を見ることのできる様子。仁菜ちゃんの肩を持ちつつも、優しいだけでなく釘も刺せる人。まぁラストで仁菜ちゃんがそれを消し飛ばす形で吹っ切れちゃうんですけど

ミネさんについてはちょっとまだよくわからない。しかし、桃香さんにとって、仁菜ちゃんから見た桃香さんに値する人なんでしょう。こう、大人の余裕を感じる方。
涼音さんもミネさんも、仁菜ちゃんを導く役割を作中で担っています。井芹仁菜としての生き方を提示するのが涼音さんで、バンドマンとしての生き方を提示するのがミネさん。そして仁菜ちゃんはバンドマンとして生きる道を選びます。これを脱却と呼ぶのか、それとも無謀と呼ぶのか。それは今後のお楽しみですね。

そしていよいよバンド名決定。「トゲナシトゲアリ」。由来がたまたま観客にいた人の服から取って来たという行き当たりばったりさ。うーん井芹仁菜。でもまぁ5人ともトゲトゲの実の全身トゲ人間だしセーフです。


よし、それでは本編の方を詳しく見ていきましょう。

まず、ルパさん夢女作り過ぎだろ。魔性の女か?
やっぱベーシストってモテるんでしょうか。いや、OPのルパさんの演奏ぶりを見るに、まぁ同性にモテるだろうなぁ……感はビンビンしますが。

えー、それは置いといて……。

物語は桃香さんが昔お世話になった人からお誘いを受けたからライブをしようと提案するところから始まります。そしてこれは中盤に判明しますが、桃香さんはこのライブを期にバンドを辞める決意をしていました。自分の歌はプロでは通用しない、お世話になった人のライブを最後にする、というのです。
しかし、ここで微妙に引っかかる点があります。ライブをしようと提案した時に、桃香さんは「アタシ一人で行くでもいいよ。特に仁菜は、勉強もあるんだろうし。」と言っています。
これ、矛盾してない? って話です。だって、仮に一人でライブをしに行くことになって、そのままバンドを辞めたら、桃香さんは勝手に一人で辞める構図になってしまいます

即ち、この「一人で行くでもいい」というセリフは、桃香さんにとっては最終確認だったのかなぁなんて思います。これで仁菜ちゃんが「そうですね。勉強します」と言ったら、仁菜ちゃんの中で勉強>バンドになるわけですから、桃香さんはバンドを辞める必要がなくなるわけです。しかし、仁菜ちゃんは迷わず「行きます」と答えました。迷わずバンドを優先しました。プロになる意思は固いということの現れです。桃香さんはこの時にバンドを辞める決意をしたのでしょう。

そしてバンド名会議のシーン。ルパさんが包丁を持ちあげながら「冷戦ですね」と笑ってて、あぁ、やっぱこの人もおかしいな、となったシーン。
そもそも彼女、ドラマCDで人の心が折れるのを「楽しみですねぇ」とか言う女なんでまぁ確実にヤバい人ではあるんですが。

バンド名候補をせーので言い合う未成年三人衆。仁菜ちゃんが「ちょこれーと」、智ちゃんが「ウンディーネ」、すばるちゃんが「ドリームガール」。ここら辺も元ネタ仕込んでるのかな。ちょっと私はわかりません。詳しい人の解説を求む。

仁菜ちゃんが帰宅すると、そこには涼音さんの姿がありました。「おっせぇなぁ」のセリフと仕草に、井芹の血を確かに感じます。

でも涼音さんは仁菜ちゃんのバンド活動に断固反対って訳でもなさそうですね。ただ、やっぱり家族としては心配もある様子。そらそうです。いきなり高校辞めて一人暮らししてバンドやってますなんて「なにがあったんだ……?」の極みです。真っ向から否定しないだけお優しい。

ここで仁菜ちゃんの父が教師であることが判明。「熊本県教育連盟顧問 井芹宗男」。うーむ、仰々しい肩書。
父の教育論を書いた著書を、涼音さんも「あんな本」と言う辺り、そもそも機能不完全家族なような気がします。あと、2児の父でありながら家でタバコを箱単位で吸ってそうなのもうーん……って感じ。別に喫煙者を否定はしませんが、年頃の女の子からすれば、せめて縁側で吸うなり換気扇の下で吸うなりして欲しいのが本音でしょう。
教師ってストレス溜まるでしょうし、あんまり責められないですけどね。

また、いじめを不問にした理由が「学校に借りを作るため」だったことも判明。学校に借りを作れば、指定校推薦が有利になるという判断です。
いや一理あるかもしれないけどさぁ、どうなん? 子供目線そら納得いかないよ……な感じ。こう言っては何ですが、ハナから学歴しか見ていないと感じざるを得ません。仁菜ちゃんからすれば学歴の為に自分を守ってくれなかったと映るでしょう。
いや、まぁ、子供のために子供の学歴を重要視する親の気持ちはとても分かります。分かりますけどもね? 学歴よりも大事にして欲しいものって、やっぱり子供目線ありますよ

学歴社会への風刺みたいなものも、製作陣の意図としてはあったりするのかな。このアニメは賢い生き方よりも大事にしたいものを探す物語なのかもしれませんね。

そして問題の運転シーン。桃香さん、意気揚々とエンスト。ちなみに私はオートマ限定です。そもそも車の運転嫌いです。車の運転したくなさ過ぎて田舎から引っ越した程度には運転嫌いです
なんか桃香さん、絶妙に動作が女の子してるのが製作陣のフェチを感じます。5話のライブシーンでぴょんぴょんしてる桃香さんがちょっと内股だったり、車のエンジンをかける前に、脇をちょっと絞めて肩をすぼめて指差ししてたり。こう、ちょっとカッコいい系の女性が女の子っぽい仕草をしてるの良いよねって思います。

んで、ルパさんはマニュアル車の運転が上手い。やっぱ夢女製造機だこの人。劇物です。

ここで注目したいのが、何気なく"学生の乗るバスに5人の車が道を譲り、追い越されるシーン"が挟まっている点です。
これは順風満帆な学生生活を送る人々と、そこからあぶれた5人を比喩しているのでしょう。仁菜ちゃんは学生たちを疎ましく思うような描写がなされていますが、学生側はこちらを一切認識していなさそうなのも残酷です。

そして語られるルパ智の過去。これは前述した通り。重いよこのアニメ……。

で、車中泊する5人。それぞれの寝方に注目してみましょう。
まず仁菜ちゃんの太ももに乗っかるすばるちゃん。なんだかんだすばるちゃんは仁菜ちゃんに心を許しているのでしょうね。
智ちゃんはルパさんの方へ身体を預けています。こちらも智ちゃんがルパさんを信頼していることがわかりますね。
ルパさんは自分の肩を抱いて寝ています。自分の肩を抱くという行動。これは行動心理学的に言うと、寂しさを感じたときにする行動であると言われています。ルパさんは事故で家族を失っています。……考えすぎでしょうか。考えすぎならいいんですけど。
桃香さんは腕を組んで片膝を抱え込んで寝ています。腕を組んだり膝を抱え込んだりするのは、不安やストレスを意味するそうな。……こちらも考えすぎなら良いんですけどねぇ……。

音合わせのシーン。ここで桃香さんがバンドを辞める旨を伝えます。仁菜ちゃんからすると、まさに先天の霹靂でしょう。
因みに、ルパさんはここの桃香さんを微笑しながら見ています。もしかしたら、こうなることは薄々分かってたのかもしれませんね。なんなら、仁菜ちゃん以外は予想してたのかもしれません。

居酒屋のシーン。桃香さんを良い潰させるルパさん。よく見ると、ルパさんはちびちびビールを飲んでいます。潰す気満々です。んで、潰しといて介抱は他人にさせて、自分はその様子をるんるんで見ています。この女マジでたちが悪いです

仁菜ちゃんはミネさんに「ミネさんは音楽を辞めようとしたことがあるのか」と尋ねます。遠巻きに「なんで桃香さんは音楽を辞めようとしているのか」と聞くわけですね。ミネさんは「音楽が好きだからこそ、上手くいかなかった時のことが怖いから」と答えます。仁菜ちゃんはこの感覚があんまりわからない様子。無理もありません。初めてのバンドなんですから。

また、「ミネさんは怖くないのか」と訊きます。ミネさんは「怖いよ」とあっけらかんと答えます。同時に「好きなものを仕事にするとはそういうこと」とも答えます。正しく、プロとしてあるべき姿を垣間見るわけです

そして酔い潰れた桃香さんが仁菜ちゃんの股から顔を出します。さらにこれまた何気なく「うるせぇなぁお前は、いつもいつもいつもいつも!」と叫んでいます。酔った勢いで本音がうっすら盛れていますね。

仁菜ちゃんが湖に向かって「決めたぞ!」と叫ぶシーン。何を決めたかは後述。

ライブシーン。やっぱりこのアニメのライブは圧巻ですね。

この「名もなき何もかも」という楽曲。ガールズバンドクライのプロジェクトが発表されて一番最初の楽曲。

Official Music Videoの方とアニメのライブバージョンを見比べると、明らかに構図を一致させています。ファン激熱のシーンです。プロジェクト一番最初の楽曲を、トゲナシトゲアリ結成一番最初の楽曲として使っているのです。

しかし、2つの動画には決定的に違う点があります。桃香さんの表情です。

アニメのライブシーンの方では、桃香さんがずっと浮かない表情をして演奏しています。これは、何気に初めてのことです。
今まで桃香さんはずっと楽しそうに演奏していました。そんな桃香さんが浮かない顔で演奏する。桃香さんの葛藤が現れています。
一瞬アップで映る「中指立ててけ!」の文字。"桃香さん本人が中指を立ててないのに"アップで映ります。葛藤を象徴するような一瞬のシーンです。

ライブシーンでは、仁菜ちゃんがこれまで以上にトゲトゲを出していますね。全部さらけ出して生きてやる、を実行しているわけです。全部歌にぶつけています。

歌詞にも注目してみましょう。


いつだって傷ばっか カラダもココロもバラバラになっていっちゃって
これ、バンド辞めて挫折して音楽辞めようとしてる人間が書いてる詩なんですよ。


“怖くないから隠れてないで  一緒に僕と踊ろう”なんて 気色悪い世界から逃げたい
ここで1話のシーンが入ります。仁菜ちゃんが川崎に来て桃香さんに出会うシーン。
仁菜ちゃんからすれば、桃香さんがいたから"気色悪い世界から逃げた"わけですし、桃香さんからすれば"一緒に僕と踊ろう=一緒に中指立ててください"なわけで。


そっと そっとひとりにしないで
この歌詞を桃香さんが書いていると考えると、どれだけ重いフレーズなのか。


そしてラストのセリフ。

私、予備校辞めます。

桃香さんが「アタシの歌は通用しない」と言ったのに対して、仁菜ちゃんは「私は人生賭けて信用します」とアンサーします。こいつカッコ良すぎるだろ。やってることは放火魔のソレだけど。

ちょっと時間が戻ってライブシーン前、楽屋のシーン。ここで智ちゃんが「新川崎なら……まぁ、どっちでもいっか」と言っています。これまで「新川崎なら辞める」と言ってた智ちゃんがこういうということは、智ちゃんもこのバンドはもう解散だと思っているわけです。

それすら覆して「私は辞める気ありませんよ」と火をくべる仁菜ちゃん。バンドアニメの主人公としてやっぱこれ以上ない女です。最高。井芹仁菜たまんね~^^


次回予告を見ると、ダイダスと仁菜ちゃんが接触しそうな雰囲気。絶対ろくなことにならない。

あとあの、ルパさん、ちょっと胸元出し過ぎです。しまってください。智ちゃんは相変わらずむすっとしてて可愛いね^^

今のところ、奇数のエピソードでライブシーンが入ってますね。傾向でいえば次回はライブシーンはなし。毎回あんなライブ入れられたらこっちの身が持たないので逆に安心まであるか。

次回も楽しみです。桃香さんはどうなるのでしょうか。

それでは、ゆるめのあじたまでした。閲覧ありがとうございました。

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