見出し画像

沖雅也かもわかりませんね

今日は心霊・怪談好きのよもやま話です。そういう方だけ読んでもらえればさいわいです。

昨年12月に亡くなった織田無道さんは90年代のテレビでは霊能者として人気があった。それらがヤラセだったことはよく知られているし、ご本人も後に告白している。

ぼくらシロウトからすればやらせでもおもしろければいいのだが、本物の能力を持つ人々からすればニセモノがテレビで荒稼ぎしてランボルギーニに乗ったりするのは言語道断なことであったらしい。何人もの本物さんから織田無道氏がニセモノであり詐欺師であるという話を聞かされた。

ただし、織田無道氏には能力はなくてもキャラがあり、テレビにとってはそちらのほうが重要だったのだろう。

ほんとうかどうか知らないが、全国ネットのテレビに能力者が出る場合、2人呼ぶことが多いのだそうである。フロントとバックである。1人は視聴者にウケる無道さんのようなフロントマンだ。しかしスタッフもバカではないので無道さんが万が一の時に役に立たないことはわかる。だから、ボディガード的な本物さんも呼んでおく。ただしこの人はテレビにはいっさい映らない。

このボディガードとしてよくテレビに呼ばれていた(らしい)人のブログをぼくは長年愛読していた。なぜボディーガードとわかるかというと「今日はテレビ〇〇で仕事です」という投稿がよくあり、〇〇様と名前の貼られた控室の写真もアップされていたが、その人はオンエアに映らなかったからだ。

この人が無道さんの悪口を言っているのは聞いたことがない。いい人だから言わなかったのかもしれないが、たぶんもちつもたれつだったからではないか。実際、この人自身もたまに出演を引き受けていたが、しゃべりが地味でさっぱり人気が出なかった。

ぼくがテレビで織田無道さんを見た記憶は2回ある。1回は霊能番組で祈祷をしており、もう1回は赤坂マラソンを走っていた。霊能番組では

無道「あそこになにかいますね」
アナ「だれだかわかりますか?」
無道「沖雅也かもわかりませんね」
アナ「ああ。沖雅也の霊ですか!」

といったやり取りがあった。この「沖雅也かもわかりませんね」が印象に残っている。当時はとりあえず沖雅也の名前を出しておけばみな納得していたので「沖雅也ですね」といえばいいのに、織田さんは「かもわかりませんね」と言ったのだ。ワキのあまさが愛されキャラだと感じた。

その無道さんがニセモノとしてテレビに出始めたきっかけを回想した記事が残っているが、やはり愛されキャラな感じがする。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?