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菅さんのアメとムチ

このnoteではあまり時事的な内容は取り上げないんだけど、例の「日本学術会議問題」についての議論がなんかズレているような気がするので取り上げてみる。

たいした問題じゃないと思っている人も多いだろうが、これは氷山の一角みたいなもので、これからのぼくらの生活を左右するだいじな問題だ。

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「学術会議任命拒否」とは、菅総理が会員候補のうち6名を任命しなかった問題。政府が任命拒否をしたのははじめてのことである。

これたいして、批判派は学問の自由をおびやかすものと主張するが、擁護派は、学術会議そのものの存在意義をうたがう。

だが、この問題の本質は、学問とはかんけいない。

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菅さんは官房長官時代に、東京新聞の望月記者にたいして約3年にわたっていやがらせをつづけた。

質問を後回しにする、途中で打ち切る、妨害する、まともに答えない、など。菅さんが「あなたに答える必要はありません」と応対しているようすをテレビで見た人も多いのではないか。

任命拒否もこれとおなじで、いやがらせである。政権にたいしてケムたいことを言った人はこれからもおなじ目にあうだろう。

望月記者や任命拒否された学者はいわばミセシメであって、菅さんは「国民よ、もうちょっとおとなしくしろ」と言いたいわけだ。

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一方で政権の周辺からは、ベーシックインカムのようなハナシも聞こえてくる。つまり「おとなしくしていれば、悪いようにはしない」というメッセージである。アメとムチ。自由と引き換えに安定を約束するということだ。

総理が、悪意や野心からこういうことをやっているとは思えない。日本の行く末を真剣に案じ、この方向性が正しいと信じて、邁進しているのだと思う。

ぼく自身は、多少不便でもいいから自由がほしいタイプのフリーランサーである。そのことは以前にも書いた(塀のない刑務所に住みたい)。

しかし、もしかすると多くの日本人は、塀のある刑務所で三度三度あたたかい食事を与えられて、何も考えずにテレビを見ているほうががラクだと考えているかもしれない。

ならば、菅さんのやりかたで正しいということになる。

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デジタル庁は、やがて国民一人一人のデータを詳細に把握して、管理する役割をになうことになるだろう。

それがイイことなのか悪いことなのか、ぼくにはわからない。

ともかく、これからも菅さんは、うるさい人を黙らせるためにチョコチョコとこういうイヤがらせをしてくるはずだ。注目したい。

今回はその第一弾ということで、いくらマスコミが騒いでも、国民一人一人が「何も考えずにラクできるほうがイイや~」と思っていれば、日本はそういう方向へと進んでいくだろう。

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