新NISA向けインド株式投信(2024年3月)

新NISA開始に前後してリリースされたインド株式を対象とした投資信託の情報をまとめてみた。掲載している情報は原則として2024年3月時点のもの。

まず、まとめから

・インド株対象の低コストファンドが最近になって続々リリースされた
・インデックスファンドの信託報酬(等)は年率0.5%以下
・アクティブファンドの信託報酬(等)は年率約1%程度
・個人的お勧めは iFreeNEXT もしくは eMAXIS のインデックスファンド

最近の動き

ここ一年の間に、新NISAの開始に合わせ、続々と低コストのインド株式投資信託がリリースされた。従来(2021年以前)は信託報酬年率2%程度のアクティブ投資信託ばかりだったのが、2022年から1%前後のファンドがリリースされ、2023年からは信託報酬年率約0.5%のインデックスファンドも複数リリースされた。
2023年末にリリースされたばかりで純資産額はまだ少ないが、信託報酬を年率0.3%としているファンドもある。

インデックスファンド

信託報酬等0.5%以下、NISA対象の
インド株式インデックスファンドをピックアップしてみる。

インド株式 インデックスファンド

SBIサクっとインド株式のみ、BSE SENSEX 30をターゲットとしている。
他のファンドはすべて Nifty50 がターゲット。

両インデックスの推移を見てみる。(2024年3月までの5年間)

BSE SENSEX 30 vs. Nifty50

BSE SENSEX 30は青色線、 Nifty50 は黄色線
(図は https://www.google.com/finance/  で作成)
この5年間ではパフォーマンスにはほとんど差が無いもよう。

いずれのファンドも設定から1か月~約1年程度しか経過していないため、総経費率の情報はまだ確認できていない。ターゲットインデックスへの追従性も同様に確認できない。
SATAMのみ突出して低コストのようにも見えるが、純資産総額約33億円とファンド規模はまだ小さめ。今後、総コスト、追従性などの情報が判明するまでの間は現時点でのファンド規模から、
・iFreeNEXT インド株インデックス
・eMAXIS インド株インデックス
いずれかを個人的には推しておく。
SBIのサクっとインド株式はSBI証券のみの販売だが、それならばポイントマイレージ付与率が高いiFreeNEXTを選択したい。

アクティブファンド

インデックスファンドに比べると信託報酬は年率約1%とすこし高くなるが、NISA対象のアクティブファンドもみておく。

インド株式 アクティブファンド

2024年3月時点では、唯一 iTrustインド株式 のみが新NISAのつみたて枠に対応している。(つみたて枠に対応するインデックスファンドは存在し無い)
いずれもインデックスファンドとの運用コスト差が約0.5%程度あり、それを踏まえた上でアクティブファンドを選ぶかどうかを判断することになる。

コスト差0.5%のリターンへの影響

インデックスファンドをアクティブファンドが上回ることを期待する、というのは要はファンドの成績が年率0.5%以上インデックスを上回ることを期待するということになる。
もし、運用コストを別として、アクティブファンドがインデックスと同程度の運用成績しか上げられなかった場合はどうなるか?
仮に、年率5%で10年間の成績の場合を考えてみる。
 ・ターゲットインデックス  +63% (コストは考慮しない)
 ・インデックスファンド     +55% (運用コスト 年率0.5%)
 ・アクティブファンド         +47% (運用コスト年率1.0%)
このようにインデックスファンドの成績+55%に対し、
アクティブファンドは+47%と劣後することになる。
もちろん、この差は運用期間が長くなるほど大きくなる。
20年の運用なら、
 ・インデックスファンド  +140%
 ・アクティブファンド      +117%
こうやって具体的に計算するとなかなか無視できない違いと感じる。
果たして、アクティブファンドの運用成績にこの差を埋める以上の期待ができるのだろうか?

というわけで、個人的には、昔から保有しているアクティブファンド(なにせ数年前まではインド株式を対象とするインデックスファンドは買えなかった)はそのままにして、新規保有については低コストなインデックスファンドを選択するようにしている。


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