チェスの魅力
チェスの魅力は色々あるけれど、
その1つは、深い戦略性、ギリギリの攻め合い、ある種のハッタリであったり、あらゆるボードゲームの面白さが短手数で体験できる点だと思う。
これだけの要素を80手以内で実現できるのは自分には驚きで、将棋なら平均で100手程度は掛るし、囲碁に至っては200手を超えることは全然珍しくない。
だからこそ、古くから人の心を掴んでやまないわけだけど、自分は500年ほど前にイタリアの人がチェスのルールを変え、それが今に引き継がれていることを知って衝撃を受けた。
彼らは、よりチェスをスピーディーに楽しみたいと思い、ポーンを初手に2マス動かせることにし、ビショップとクイーンをより強い駒にしたそうだ。
そうか、そもそも短時間で楽しめるように考え出されたゲームだったのか‥
凄く納得。
一方で短時間のゲームだけであれば、自分がここまでチェスにハマることはなかったと思う。
そう、チェスは長時間のゲームも面白い。
特にChess.comなどの有名なサイトではDaily Tornamentを毎日のように行なっていて、もうこれが面白くてしょうがない。
優勝するとデジタルの優勝トロフィーが貰える大会もある。
たったこれだけでも試合に対する本気度が相当変わる。
Daily Tornamentは1手に指すのに持ち時間が1日〜3日程度のものが多いのだけれど、1手にこれだけ時間をかけることができると、考えていく内に思いもよらない手が浮かんできたりする。
そして相手も十分に考えてくるので、基本的には簡単なミスで勝負がつくことが少なく、僅かな差をどうやって勝ちに繋げるか、戦略が試される。
自分は仕事の休憩時間や夜寝る前に指すのがルーティンになっている。そんなスローペースでもなんだかんだで1週間以内には1局が終わる。
大会では同時に10人くらいと指すので相手の手を待ちすぎて困ることもない。
Daily専属でチェスを楽しまれている方も多くて対戦相手にも困らない。
なんと言うか、全てが自分にとってちょうどいい。
今回は少し背伸びをしてRate1400〜1600の大会にエントリーしてみた。
最初の相手はRate 1515のUKの方
いきなりの強敵、初戦の入りは大事にしたいと手堅く進める。
こちらのJobava Londonに相手は無難に駒組。
黒、手損から左側の駒(R /N /B)の展開が遅れていて、少し指しやすさを感じた局面。具体的な良さを求めe4から仕掛ける。
無難に黒xe4と取るのは、ナイトで取り返して総交換はこちらが有利との読み。
勝つのはまだまだ大変だけどポジション的には白持ちだろうと。
その点には相手も同意だったのか、d4と最強に反撃、これにはe5と強気に勝負!
1手遅れているようだけど最終的に取りあいを進めると駒の損得無しにg7に穴が開くことになり黒の気分は相当悪いだろうと。
意外にも相手は攻め合いを緩め、以下の局面に、
ここ怯んでくれたのはありがたい!
ここが勝負所と覚悟を決める。
Bh7! Greek gift sacrifice
これで負けるなら悔いなし!
ただ持ち時間3日の試合でこういうサクリファイスはかなり勇気がいる。
以下相手の逃げ間違いもあり、16手後にチェックメイト。
AIの評価は96.9%とまずは格上に上々のスタート。
3位まではトロフィーがもらえるこの大会。このまま快進撃は続くのか?!
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