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マンチェスターユナイテッド特集!デヘアの10年!

前説

音声はこちら→https://note.com/yurufoot/n/n400e4886747b

マンチェスターユナイテッドと言えば、ファーガソン、ベッカム、ルーニー、ロナウドなど色んな人の顔が浮かぶが、この10年は完全に、確実にデヘアが支えてきた10年だった。

そこで今回はマンチェスターユナイテッドの10年を振り返りながら、デヘアの活躍も振り返っていきたい。

1112ファーガソン期

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加入 デヘア、フィル・ジョーンズ、ヤング

放出 オシェイ、オベルタン、ディウフ、ブラウン、ドリンクウォーター、ギブソン、ハーグリーブス

ファンデルサール、スコールズが引退し、センターラインの重要な選手を失ったマンU。半年後にスコールズは現役復帰したものの、復帰せざる得ないようなシーズンだったのかもしれない。

成績 リーグ2位 CLGL敗退 ELベスト16 FAカップ3回戦 カラバオベスト8 

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デヘア成績

リーグ戦29試合出場 13クリーンシート 29失点

カップ戦 1試合 0クリーンシート 2失点

CLEL 8試合 2クリーンシート 14失点


1213ファーガソン最終年

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加入 ファンペルシー、香川

放出 ベルバトフ、パクチソン

シティにリーグ戦を奪われた翌シーズンにアーセナルからファンペルシー、ドルトムントから香川を獲得。攻撃陣にテコ入れして臨んだシーズンだった。

成績 リーグ優勝 CLベスト16 FAカップ6回戦 カラバオベスト16

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デヘア成績

リーグ戦28試合出場 11クリーンシート 26失点

カップ戦 6試合 0クリーンシート 8失点

CLEL 7試合 1クリーンシート 8失点


1314モイーズ・ギグス期

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加入 マタ、フェライニ

放出 主力はなし

昇格 ヤヌザイ

ファーガソンの後継者として選ばれたのは、モイーズでした。結果、33節で7位に落ち込んでモイーズ解任。

成績 リーグ7位 CLベスト8 FAカップ3回戦 カラバオベスト4 

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デヘア成績

リーグ戦37試合出場 12クリーンシート 43失点

カップ戦 5試合 3クリーンシート 3失点

CLEL 10試合 5クリーンシート 9失点


1415ファンハール期

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加入 ディ・マリア、ショー、エレーラ、ロホ、ブリント、フォルカオ(R)

放出 ウェルベック、香川、ザハ、チャチャリート(R)、エブラ、キーン、アンデルソン、ヴィディッチ、ファーディナンド、ナニ、フレッチャー

昇格 リンガード

2010ワールドカップでオランダ代表を準優勝へ導いたファンハールが監督に就任。そして、ギグスが引退。

成績 リーグ4位 CL出場なし FAカップ6回戦 カラバオ2回戦

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デヘア成績

リーグ戦37試合出場 11クリーンシート 36失点

カップ戦 6試合 3クリーンシート 7失点

CLEL 出場なし


1516ファンハール期

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加入 マルシャル、デパイ、シュナイデルラン、ダルミアン、シュバインシュタイガー、ロメロ

放出 ディ・マリア、チャチャリート、エバンス、ファンペルシー、ナニ、ラファエル、クレバリー

昇格 ラシュフォード、ペレイラ

ファンハール続投でセンターハーフの補強が豪華だった。また、デパイはオランダで得点王となってからマンU挑戦、シュナイデルランもセインツでの活躍を認められてのステップアップ移籍、シュバインシュタイガーは自由契約での獲得、マルシャルもモナコ新鋭FWとして話題の選手ではあった。

成績 リーグ5位 CLGL敗退、ELベスト16 FAカップ優勝 カラバオ4回戦  

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デヘア成績

リーグ戦34試合出場 15クリーンシート 33失点

カップ戦 7試合 2クリーンシート 5失点

CLEL 8試合 2クリーンシート 10失点


1617モウリーニョ期

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加入 ポグバ、ムヒタリアン、バイリー、イブラヒモビッチ

放出 シュナイデルラン、デパイ、シュバインシュタイガー、Vバルデス

ファンハール解任後にモウリーニョが監督に就任。さらに代理人ライオラと契約する選手が多く加入。何かとクセの強いメンバーが揃っている。

成績 リーグ6位 EL優勝 FAカップ6回戦 カラバオ優勝 

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デヘア成績

リーグ戦35試合出場 14クリーンシート 29失点

カップ戦 7試合 2クリーンシート 7失点

CLEL 3試合 0クリーンシート 4失点


1718モウリーニョ期

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加入 ルカク、マティッチ、リンデロフ、サンチェス

放出 ムヒタリアン、ヤヌザイ、イブラヒモビッチ、ルーニー

昇格 マクトミネイ

モウリーニョが真価を発揮するはずの2年目。エバートンで活躍していたルカクがマンU加入、さらにムヒタリアンとサンチェスのトレードでチームが完成しそうな雰囲気だった。

成績 リーグ2位 CLベスト16 FAカップ準優勝 カラバオベスト8 

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デヘア成績

リーグ戦37試合出場 18クリーンシート 28失点

カップ戦 3試合 0クリーンシート 4失点

CLEL 9試合 4クリーンシート 7失点



1819モウリーニョ・スールシャール期

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加入 フレッジ、ダロット、

放出 ブリント、フェライニ

キャリック引退。

シーズン前から3年目のモウリーニョはチームが崩壊するとのジンクスをメディアに紹介されていて、これにモウリーニョが反論するなど、嫌な予感の漂うシーズンだった。

結果17節、6位に落ち込み、リバプールに敗れてからモウリーニョ解任。

成績 リーグ6位 CLベスト8 FAカップ6回戦 カラバオ3回戦 

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デヘア成績

リーグ戦38試合出場 7クリーンシート 54失点

カップ戦 出場なし

CLEL 9試合 3クリーンシート 9失点


1920スールシャール期

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加入 マグワイヤ、フェルナンデス、ワンミサカ、ジェームズ

放出 ルカク、ダルミアン、ヤング、ヴァレンシア、エレーラ、サンチェス(R)、スモーリング(R)

昇格 グリーンウッド

スールシャールになって安定したマンU。プレミアで活躍していたマグワイヤ、さらにスポルティングから知る人ぞ知るフェルナンデスが加入。

成績 リーグ3位 ELベスト4 FAカップベスト4 カラバオベスト4 

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デヘア成績

リーグ戦38試合出場 13クリーンシート 36失点

カップ戦 3試合 1クリーンシート 6失点

CLEL 2試合 1クリーンシート 2失点


2021スールシャール期

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加入 ファンデベーク、テレス、カバーニ

放出 スモーリング、サンチェス、ロホ、ダロット(R)、リンガード(R)

移籍では、ハーランド、サンチョなどのビッグネームが噂されていたが、結局は噂止まり。

リーグ2位 CLGL敗退 EL準優勝 FAカップベスト8 カラバオベスト4 

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デヘア成績

リーグ戦26試合出場 9クリーンシート 32失点

カップ戦 出場なし

CLEL 10試合 3クリーンシート 14失点


デヘア対ヘンダーソンの事情

20-21シーズン、デヘアの正GKのポジションは、若手イングランド人GKヘンダーソンに奪われつつある。シーズン終盤にプレミアリーグでゴールマウスを守っていたのは、ヘンダーソンだった。デヘアはELではGKを務めていたが、プレミアリーグではヘンダーソンにポジションを奪われた形になる。

要因となるのはデヘアがシーズン途中に出産立ち合いのためチームを離脱したこと。さらにデヘアのデータが年々下がっていっている点も要因だろう。

90分換算でどれだけシュートを防いで、どれだけゴールを許さなかったか、というPSxG+/-/90スタッツがある。

17-18シーズンのデヘアは90分換算で0.24得点を防いでおり、リーグでも2位だった。

しかし、18-19シーズンはGKリーグ13位、19-20シーズン10位、20-21シーズン17位とプレミアリーグ内でのスタッツ順位は下降していっている。

特に20-21シーズン、リーグ戦で26試合に出場したデヘアのスタッツは-0.01と悪化している。一方のヘンダーソンは13試合に出場して0.02とデヘアを上回る数値だ。

この数値は必ずしも正確とは限らないが、一定の基準にはなるだろう。もしかするとデヘアが赤い悪魔を去る日はそこまで来ているかもしれない。

デヘアの10年

マンチェスターユナイテッドが加入してからの10年は、歴史的に見ても苦しい10年だった。CL出場権を逃すシーズンもあり、プレミアリーグ優勝も1度のみだ。その間にプレミアリーグの主役は、ローカルライバルのシティ、イングランドでの歴史的ライバルのリバプール、00年代からの新たなライバル、チェルシーらに奪われてきた。

おそらく、今からの未来、2020年~2030年を振り返っても、ここまで苦しいものになることはないだろう。

そんな歴史的に見ても苦しかったマンチェスターユナイテッドの10年を支えたデヘアは、ヘンダーソンにポジションを奪われたとしても偉大であり続ける。マンチェスターユナイテッドファンは、デヘアのビッグセーブを忘れることはないだろう。

なので、ゆるフト的には、是非ともオールドトラフォードにデヘア銅像を建てて欲しい。

今後

マンチェスターユナイテッドらしさ、とは何か。かつてはファーガソンらしさ、というのがマンチェスターユナイテッドらしさだったのだろう。

そのファーガソンらしさを現在模索し続けているのが、マンチェスターユナイテッドだ。

そんな中、スールシャールになって以降は光明が見え始めている。選手から逆算した戦術を堅い守備ベースに実行すること。これはファーガソン時代とスールシャール時代のピッチ上での共通点でもある。さらにファーガソン時代のアシスタントコーチのマイク・フェランが、スールシャール監督の元でアシスタントコーチとして復帰している。この組閣をみても、現体制がファーガソン時代を意識していることは明らかだ。

補強戦力に関してもファーガソン時代を踏襲している気配がある。プレミア外で活躍した選手だけではなく、アカデミー出身の選手、プレミアリーグで活躍した選手、それぞれをバランスよく組み合わせるのがファーガソン流だった。

特に、プレミアリーグで活躍した選手、であるマグワイヤの引き抜きは価値が大きい。マグワイヤのようなプレミアリーグで活躍した選手は、プレミアリーグへの適応、イングランド文化への適応というハードルをすっ飛ばして、ある程度の活躍が見込めるからだ。

かつてファーガソン時代に、リーズからファーディナンド、エバートンからルーニー、スパーズからキャリックらを獲得している。それぞれDF、FW、MFで軸として長く活躍した選手たちであり、補強の価値としてはこれ以上ない。

今後、マグワイヤのようなプレミアリーグで活躍している選手を引き抜くことができれば、マンチェスターユナイテッドの強化に働くだろう。

ただ、外的要因を考えてみると、ファーガソン時代と現在のプレミアリーグでは状況が異なる。

ファーガソン時代、プレミアリーグのCL優勝経験監督としてライバルになりそうなのはモウリーニョ、ベニテス、ベンゲルだった。

現在は、CL2度優勝で歴代最高監督の名高いペップ、ゲーゲンプレスという戦術的革命を起こしたクロップらがマンチェスターシティ、リバプールを率いている。また、チェルシーに関しても優秀な監督を見抜き、引き抜く術を持ち得ている。これらのクラブはプレミア外の優れた異文化から、監督、選手、戦術を輸入して、プレミアリーグを蹂躙してきた。

そんな中、選手から逆算しつつ、堅い守備をベースにしたサッカーという、やや曖昧なコンセプトで戦うためには、それこそメッシ、ロナウド級の歴代最高の選手獲得が必要になる。プレミアリーグを代表する選手を集めて曖昧なコンセプトのサッカーをしても、ペップ、クロップ、トゥヘルらの強固なコンセプトとコンセプトに適応した人材を集めたチームに勝つことは難しい。

長期的に結果を求めるのであれば、隙を狙って選手の成長を待つ手もある。若手選手を育てながら、マンC、リバプールの世代交代の隙をついて、リーグタイトルをかっさらう。近年マンチェスターユナイテッドの補強を見ると、これを狙っているように感じる。

すぐに結果を求めるのであれば、マンチェスターユナイテッドには現在世界最高の選手、もしくは未来の世界最高の選手が必要になる。これから世界最高になりそうな選手というば、ムバッペ、ハーランド、まだ世界最高に達しそうな選手でいうとアザール、ネイマールといった選手になるだろう。こういった選手から逆算したチームを編成できれば、シティ、リバプールと争うことができる。

幸い、オーナーのグレイザー家がチームにもたらす数少ないメリットの1つは経済力だ。マンチェスターユナイテッドは毎年Rマドリー、バルセロナと肩を並べる経済価値を持ったクラブである。この経済力を賢く活用して世界最高の選手獲得というのが、マンチェスターユナイテッド完全復活のカギになる。

また、クラブOB、ファーガソンらからの知恵の継承がされないのであれば、Rマドリー出身のブランディングと戦力補強に長けた人物をクラブ内に招き入れることも策ではないだろうか。Rマドリーほど経済力とブランディングをピッチ内外で活用できたクラブはない。ここをベンチマークしながら、プレミアリーグの主役の座を取り戻すことも策の1つになりそうだ。

プレミアリーグはピッチ内外を見ても、ファーガソン時代のイングランドサッカーリーグというよりは、グローバルなサッカーリーグへ変化していっている。英語という言語の優位性、北米を中心にした世界へのマーケティングなどを考えると、そこにあるのはイングランドらしさではなく、グローバルなマーケットを意識したグローバルなリーグだ。

グローバルなリーグとなったプレミアリーグ内でも、ファーガソン時代から伝統を重視する方向性に進んでいるスールシャール監督期で、どこまで戦い抜くことができるか。今後のマンチェスターユナイテッドの方針も決定づけそうなここから数シーズンに注目したい。

参考

https://www.whoscored.com/



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