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雨のなかの、のほほんな日

最近、春らしくない雨が降る。
風が雨の中に足跡を残すほどの、びゅうびゅう強い風が吹く。

机に向かってラジオ英会話を聞きながら、
家を揺らすように、ゴゴゴと風の音がなる度に、
本当は英会話に集中しないといけないのに
ついつい窓の外を眺めてしまう。

雨の日あるあるだけれど、
「明日になったらどこどこに行って、
こんなカフェに行って、本屋に寄って…」
と行きたいところをいっぱい思い浮かべていたとしても、
こんなにどしゃぶりの雨が降ってしまうと
外にあそびに行きたい気持ちが風船みたいにしぼむ。
(この現象に名前をつけたらどんな名前になるだろうか)

そして、今日はなぜか家の中にいるのに
この現象が起きてしまった。

ラジオ英会話が終わって、
「次に何をしようか、いつもより、勉強がはかどらない…」
とシャーペンをフリフリし続けてぼーっとしていると、
どこからともなく

「チチチチチチッッ、チュンチュン」

と2匹くらいの小鳥が屋根の先っちょに降り立ってきて、
じゃれあいを始めた。

実は私の家のとなりが山で
よく鳥たちの鳴き声が聞こえてくるのだけれど、
いつも雨の日は山の奥の方にいってしまうのか
しん、と静かになる。

けれど、今日は違った。
小鳥が私の家に遊びに来てくれたのだ。



トトトと屋根の上を歩く小さな足音や、
羽にかかった雨をはらうみたいにパサパサと羽を広げ、
それが屋根に当たる音が屋根を伝って天井に響く。

小鳥たちの姿は見えないけれど、
私の部屋の上で遊んでいる姿を想像すると
かわいくて仕方なくって、
勉強そっちのけになった。

物音を立ててどこかに行ってしまわないように
じっと耳をすましていたけれど
遊びざかりの小鳥たちは次の遊び場を目指して
どこかへ行ってしまったのかすぐに静かになった。


とてもちっちゃな出来事だった。
けれど、とても心が癒されて、
のほほんとした気持ちになった。


その後も、また小鳥たちが来ないかなと、
お気に入りのいちご紅茶をすすりながら
待っていたというのは、ここだけの話。





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