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【ジャグリングの基礎練習①】 片手でボール3つを持つ / 放す 指使い

こちらは2020年に書いた記事を、2024年9月に一部修正し再公開したものです。記事の最後に参考動画を追加しました。感覚的に理解をしたい方はセットでご覧ください。

ジャグリングの重箱の隅をコツコツ言語化する、山村佑理の「ジャグリングの基礎練習」やっていきます。
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今回は「片手でボール3つを 持つ / 放す 指使い」の基礎練習。ボールやオブジェを同時に3個以上を同時に扱う機会のある全ての方へ特にお伝えしたい内容です。

お手元に片手で持てるサイズのお好きなボール3個、またはみかん以上りんご未満の大きさの丸いもの3個を用意してください。実際に試しながら読んでいただけると一層理解が深まると思います。では始めます。

目次

1.つつむ

2.つまむ

3.【実践1】片手でボール3つ、持つ手順

4.【実践2】片手でボール3つ、放す手順

5.指使いの自覚

6.参考動画紹介

1.つつむ

まずは1個を持つことから見直します。ボール1つだけを使い、残りの2つは一旦そばに置いておきましょう。

一度試していただきたいのですが、手首から指先までを一直線になるよう伸ばし、一気に力を抜いてみてください。多くの人が、自然に指が丸まってしまうことと思います。人の手指は力を抜いた状態で自然と握る方向に湾曲しています。

ジャグリングの最も基本的な動作とも言える「持つ・放す」を出来るだけ負担なく行うための第一歩として、この自然な湾曲を使ってみます。道具を握るのではなく、手指の力を抜いた自然なカーブの中にボールを収めるだけ。

実際にボールを置いてみましょう。指にかかるボールの重みに対して、わざわざ握らずとも自然と道具は指に包まれるかと思います。この状態を「つつむ」と呼んでいます。

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どの分野でも再三語られる省エネの大切さ。複雑な操作を必要とするジャグリングにおいても同様です。「持つ」の基本形の一つとして「つつむ」を覚えましょう。すでにジャグリングを実践してきた方も、より一層力を抜いてゆくための手始めに、ボールを無駄に強く握りすぎていないか、ぜひ一度確かめてみてください。

さてしかし「つつむ」状態では、ボール2つ・3つと持つための残り面積が足りません。そこで「つまむ」を練習します。

2.つまむ

引き続きボール1つの練習です。人差し指と親指の間にボールを挟んだ状態、このポジションを「つまむ」と呼んでいます。置いてあるボールをつまむのは簡単ですね。問題は空中にあるボール。ボールを空中に投げ、空中にあるボールを「つまむ」でキャッチしてみましょう。

正確に行うのはとても難しいかと思います。たとえ習得したとしても、失敗のリスクが大きいテクニックです。なので一旦今は出来なくて大丈夫。さっさと諦めて、救済テクニック「スライド」を学んでゆきます。

指の上でボールをコロコロ移動させ、位置を調整するテクニックです。「つつむ」でキャッチしたボールを「スライド」して「つまむ」へ移動します。

❶まずはボール1つを「つつむ」。そして親指を少しだけ小指方向に近づけます。(下画像の左から2枚目のような状態)

❷親指でボールを押しながら、親指を外側へと開いてゆきます。人差し指で動きをサポートすると良いでしょう。ボールを「スライド」して人差し指、親指の間に挟まっている「つまむ」状態へと移動します。

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つつむ→スライド→つまむ

この操作「つつむ→スライド→つまむ」を素早く出来るよう練習しましょう。慣れたらいよいよボール3つを使った実践です。手元にボール3つを用意してください。

3.【実践1】片手でボール3つ、持つ手順

ジャグリングっぽくなってきましたね!
片手でボール3つを「持つ」基本形とその手順を解説します。

❶1つのボール「つまむ」ポジションでキャッチします。(空中で直接「つまむ」のが難しい方は「つつむ→スライド→つまむ」と移動します。)

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❷余った三本指(中・薬・小指)で2つ目のボールをキャッチします。指先を脱力することで2つ目のボールを「スライド」させ、人差し・中・薬指のカーブに2つ目のボールを収めます。薬指は添えるだけ、小指は関与せず。この2本の指をフリーに動かせる状態にしておきます。

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❸2つのボールと母指球(親指の付け根)の間にある窪みに、3つ目のボールを収めます。必要に応じて、薬・小指を添えて動かないよう支えます。これで「片手で3つ持つ」が完成です。

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「片手で3つ持つ」の解説でした。

4.【実践2】片手でボール3つ、放す手順

実践その2、ボール3つ基本の「放す」手順です。
最初は放すことに集中するため、放たれたボールは床に落としてしまうなど、キャッチすることは一旦考えなくて良いです。

❶最初に中指のボールを放します。(画像左から1→2枚目)
❷次に親指のボールを放します。
(画像左から2→3枚目)
❸小指で持っている3つ目のボールは、この状態では正確に投げるのが難しいので、手のひらの中で「スライド」します。「つつむ」ポジションに寄せます。
(画像左から3→5枚目)
❹最後のボールを放します。
(画像左から5→6枚目)

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❸の「スライド」はボールの軌道を正確にコントロールして投げるためのコツです。必要に応じて使ってみてください。以上がボール3つを「放す」手順でした。

「放す」手順に慣れたら、反対の手でキャッチする手順も同時に練習してゆきます。右手3つ「放す」→左手でキャッチ→左手3つ「放す」→右手でキャッチ→……….という繰り返し。初めはゆっくりから、澱みなく素早く出来るように練習します。慣れてきたら右手左手の位置関係を変えながら、様々な距離・高さ・角度・速さでチャレンジしてみてください。

以上、今回の実践でした!

5.指使いの自覚

上記はあくまでも私の実践している基本の指使いの一つにすぎません。使用するボールの大きさや種類、その人のやりたいことによって適切な方法は異なります。大切なのは自分なりの指使いの自覚をすることです。

私自身も上記の方法を基本としつつ、状況に応じて手順を様々に使い分けています。適切な使い分けによって技のリスクを減らしたり、逆にあえてリスクを増やして動作にスパイスを加えたりという具合です。

例えば、ジャグリングの学習のために誰かお手本となるジャグラーさんの技を真似すること、皆様ご経験があるかと思います。意外と見落としがちなのが指使い。指使いが真似できないことには、全く違う質感のムーブメントの学習になってしまいます。逆手にとって、指使いを変えるだけで簡単に自分流のアレンジを作ることも出来ます。

指使いを自覚することは、その人ならではのジャグリングの表現や持ち味や癖を自覚し、直すことにも深めることにも役立つ鍵となります。

6.参考動画紹介

最後におまけ、今回の参考動画です。前半はこの記事の基礎練習のデモ、後半はその応用。左右の手を3つのボールが往復するだけでも十分たくさんのバリエーションが作れます。どうぞ練習にお役立てください。
https://youtu.be/fCQphEiyOgY

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今回はこれでおしまい。
最後までありがとうございました。
また会いましょう。

山村佑理


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