第3回オプチャ練習会の一人反省会~「ケルト十字」スプレッドの複数の解釈可能性について~
今回は、私が運営している、タロットが好きな方の為の交流・相互学習の場であるLINEのオープンチャット「Tarot Fortune Lounge(タロットフォーチュンラウンジ)」で、現在定期的に開催している、交流会兼練習会の第3回目で取り扱ったテーマをもとに、「ケルト十字」スプレッドを様々な角度から解釈してみたいと思います。
(※敬称の省略について:こちらの文章では、簡潔性の観点から、ご相談者さんの事を、原則「相談者」と表記しています。ご了承くださいm(__)m)
1 交流オプチャと定期練習会の説明
1.1 交流オプチャの成り立ち
インターネットの掲示板を通じて知り合った、タロット好きの方々にお声がけして、LINEで気軽に交流できる場として、オープンチャットのお部屋を作ったのがきっかけです。
現在もゆるく活動中ですので、タロットが好きな方でご興味がある方は、ぜひご連絡ください♪(プロフィールにもリンクを載せておきたいと思います☆彡)
(学習中でも、占いが好きでこれから学習される方でも、どなたでも大歓迎です!私も含め、皆さんほぼ独学です◎)
1.2 定期交流会・練習会の簡単な内容説明
冒頭で書いた、こちらのオプチャのオンライン交流会ですが、気軽に情報交換したり、練習をしたりできる場として、現在、試験的に、月に2度ほど、交流会や練習会などの内容で、Zoomなどで繋がる機会を設けています。
参加者がいる回もいない回も併せて、今までで3回ほど実施しており、今回は、3回目の練習会で扱ったお題について「一人反省会」として「ケルト十字」について検討してみます☆彡
2 今回使う「ケルト十字」の定義について
2.1 各カードの定義と注意点
まず、私が使っている「ケルト十字」の定義について簡単にご説明します。
インターネットで調べると、結構色々なバリエーションがありますよね!幾つか検討した上で、私は現在、下記のように定義して使っております◎
現在
キー(※1)(妨害要因)
(相談者の)顕在意識
(相談者の)潜在意識
近い過去
近い未来
(相談者)本人の状況
周囲の状況(←文脈に応じて読み替え)
(相談者の)本当の望み
(問題に関する)最終結論(兼アドバイス)(※2)
(※)一応、普段私が並べる順番で書いていますが、並べる順番も自由でいいと思います◎
(※1)「キー」については、「アドバイス」とする場合もあるようですが、私は、「妨害」で読んでいます。
(※2)最終結論はアドバイスと兼ねて読んでいます。(例:「問題の結論は~だから、アドバイスとしては~」のように)
3 練習お題のご紹介:「子供が辞めるスポーツクラブの手伝いを続ける事について」
3.1 お題の文章
3.2 論点
子供が辞めるにもかかわらず、役員を続けるよう頼まれた理不尽に対して憤っている
放り投げて断りたいけれど、即決できずにいる(→懸念要因は?)
4 「ケルト十字」の複数の解釈可能性
4.1 「ケルト十字」問題あるある…
突然ですが、「ケルト十字」って、「ヘキサグラム」とかと並んで超!有名どころのド・定番スプレッドですが、いまいち、つかみどころがなくありません??
(そう思うのは、単に私の修行が足りないせい…?(´;ω;`))
…というわけで!私が引っかかった「ケルト十字」の論点について、ざっくり整理してみました☆彡
(※「ケルト十字」の論点整理)
「状況」と「意識」の違い
現在については、「潜在」「顕在」の両方の意識を見ている?
この「過去・現在・未来」って、具体的に何について指しているの?(←これ大事☆)
※ちなみに、実は、ここ最近、「ケルト十字」の「一部」を抜き出して、独自にスプレッドを作って使っていたりする..
(例:ある問題ついて「過去・現在・未来」「本当の望み」「妨害要因」「アドバイス」で見たり、関係性については、さらに「両者の気持ち(や状況)」を見てみたり…)
…そもそも、「気持ち」は(通常は)潜在意識を見ているのだと思うし、顕在意識を見る機会ってあんまりないような…?
(もちろん!「まゆちん先生」こと、かげした真由子先生は、「集合的無意識」を見られていて、ユング心理学的にいうと、人間の「意識」は、「顕在」「潜在」「集合(普遍)」の3つにざっくり分けられるようではありますが…!!ひぃ~、細かい(@_@;))
以上を踏まえて、今回は、特に、3つ目のポイントである「過去・現在・未来」の定義の問題について深堀りたいと思います♪
4.2 「過去・現在・未来」の解釈可能性
ここでは、まず、前項の(※「ケルト十字」の論点整理)の1番目である「状況」「意識」に着目して考えていきます。
〇「過去・現在・未来」が、「状況」を見ていると仮定した場合
→既に、周囲と本人の状況の項目があるので、「現在」に関しては、ダブり…という事は、「本人」でも「周囲」でもなく、問題そのものの状況なのか!?💡
〇「過去・現在・未来」が、「意識」を見ていると仮定した場合
→「現在」については、本人の「顕在」「潜在」両方の意識を既に見ているので、残るは、「集合(普遍)無意識」か…!?(※)
(※)「集合(普遍)無意識」については、前項の「まゆちん先生」と「ユング心理学」のくだりを見て下さいm(__)m
(ちなみに、「集合無意識」は、簡単にいうと、関係者の間で共有されている無意識の事で、「関係性」みたいなものです☆彡)
以上をまとめると、「過去・現在・未来」の定義として、次の2つの可能性が考えられます。
①集合的無意識(関係性)
②問題自体の状況
しかし、前回、第3回の練習会で、きちんと問いを立てなかった私は、何となく、「ケルトって、相談者さん中心の展開法でしょ~ww」みたいなノリで、引いてしまった為(汗)、この、いわば「ケルト」の「鬼門」である、「過去・現在・未来」のカードを、「相談者の気持ち・状況」程度に読んでしまったのでした…。
今回、こちらの記事の為に、練習会の読みを再現している過程で、少し工夫すれば、この「相談者の気持ち・状況」の定義でも、(整合性の観点で)読めない事もなかったので、以下、参考に、こちらも併せた3種類の定義による読み方の例をご紹介します!
5 ⓪「相談者自身の気持ちや状況」として定義した場合の読みの例(第3回練習会時の解釈の再現と自己添削例)
前項で、「過去・現在・未来」の定義として2つの可能性を考えましたが、前述の経緯により、まずは、⓪として、「相談者自身の気持ちや状況」と定義して読んだ例をご紹介します。
(※練習会での拙い読みの再現と共に、適宜、自己添削として訂正した結果を併せて掲載しています。)
5.1 第3回練習会の反省
それではさっそく本題へ...といきたいところですが、先に、幾つか反省点を挙げておきたいと思います。
(反省点)
お題が1か月以上前のもので、現在は状況が変わっている可能性が高い事
カードの定義が曖昧だった事(⓪相談者個人の意識・状況 v.s. ①集合無意識(=関係性) v.s. ②問題自体の状況)
カードの意味の理解が不十分で読みが甘かった(ただ今カードの意味の再整理中です!こちらも一段落したら、No+e記事として上げたいと思います◎)
「ケルト十字」スプレッドの理解不足(意味ごとのカードのグループについて、整理不十分だった)
それでは、以上を踏まえて、カードの意味のグループごとに、大まかな読みを整理していきたいと思います♪
ちなみに、以下で、(※)は、その場で読みにくかったカードを表しています。
5.2 過去・現在・未来
過去:ソードのナイト(逆)
→理不尽な打診をされた戸惑い、気が進まないながらも断る事に対する迷い
現在:ソードの4(逆)
→断る決心をして、次に進み始めた状態
未来:太陽(逆)(※)
→活力不足な状態、今までの疲れが出てくる?
(事後補足)
何となくすっきりとせず、心残りがある状態。クラブの親達との間に禍根?
5.3 顕在意識・潜在意識
顕在:ワンドの3(逆)
→今後の展望が持てない(息子が抜けて自分が残る意味が分からない)
潜在:ペンタクルの2
→状況を動かしたい、変化を望む気持ち(クラブの役員の「新陳代謝」)
5.4 キーカード
キー(妨害):ペンタクルの3(逆)(※)
→このまま続けても先行きが不透明
(自己添削)妨害要因は、相談者の望みが明確である事が前提。今回は、相談内容およびカードより、断る方向性なので、断るのに妨害になっている原因として読む
(訂正結果)手伝いを続けた場合の展望が自分の中で明確になっていない事
5.5 状況(相談者本人・関係者)
相談者本人:ワンドの2
→まだ具体的な行動を起こしていない状況?過去を振り返っている状態
関係者:ペンタクルのナイト(※)
→自分達の生活で忙しく手いっぱいの状態、都合のいい労働力を欲している
(事後補足:ペンタクルのキーワード)現実・社会・仕事+個人+保守
(※小アルカナの各スートの詳しい説明は、また別記事で上げたいと思います♪)
5.6 相談者の本当の望み
本当の望み:カップの8
→次のステージに進む(=お手伝いは継続しない)
※「本当の望み」は、潜在意識部分として見ています。
このカード結果については、非常に明快なので、ほぼ議論の余地はないのかなと思います。
もう少し丁寧に読めば、「カップ」をクラブの親達との関係性として解釈して、そこから卒業すると捉えてもいいかなと思います。
5.7 最終結論(アドバイス)
最終結論:カップの7(※)
→色々な思いが湧いてきて、やや混乱してしまっている状態
(アドバイスとしては)判断なしに、一旦自分の気持ちを全て吐き出して気持ちを整理してみる事
※「最終結論」はテーマ(*)に関する総括として読むと共に、そこから逆算して、アドバイスを導き出しています。
(*)「テーマ」はここでは、問題に対する「相談者の気持ち・状況」を中心に設定しています。事項以降の定義のバリエーションにより、読みも変わってきます。
6 ①「集合的無意識(関係性)」として定義した場合の読みの例
続いて、「過去・現在・未来」(および「最終結論」)を、「集合的無意識(関係性)」として定義した場合の解釈例のご紹介です。
(※本項から、以下、カードの定義のみで、カードの名称の記載は割愛します。上の写真をご参照ください。)
6.1 過去・現在・未来
過去:青天の霹靂、お互いに対する戸惑いや不信感の芽生え
現在:緊張状態の再発(不当に役割を押し付けられそうになって揉めている状態)
未来:今後の関係の継続・発展性が見込めず、後味の悪い結果(険悪ムード?)
6.2 顕在意識・潜在意識
顕在意識:関係性の終わり(=将来的な付き合いが想像できない)
潜在意識:人間関係の「入れ替え」を望んでいる状態
6.3 キーカード
キー(妨害要因): 今まで真面目に積み重ねてきた実績や信頼を放り投げる事へのためらい
6.4 状況(相談者本人・関係者)
※定義の違いに影響を受けない為、割愛
6.5 相談者の本当の望み
※定義の違いに影響を受けない為、割愛
6.6 最終結論(アドバイス)
最終結論:憶測が飛び交う状態、期待と疑念、人間不信(色々な顔がありすぎて信頼できない)、など
(アドバイスとして)他人ではなく自分軸で考える、他人がどう思うかではなく、自分がどうしたいかを大事にする
7 ②「問題自体の状況」として定義した場合の読みの例
最後に、「過去・現在・未来」(および「最終結論」)を、「問題自体の状況」として定義した場合の解釈例をご紹介します。
(ここでは、問題設定を「クラブ役員の安定確保について」として読んでいきます。)
7.1 過去・現在・未来
過去:役員に欠員が出る事態が起き、クラブの運営の雲行きが怪しい状況に…
現在:(今まで運よく担い手がいたからよかったものの)再び役員候補(=スケープゴート)を決める事態になり、クラブの親同士の争いが再燃!?
未来:なかなか役員が決まらないか、決まっても場当たり的な為、チームの安定的な運営・発展に支障が出る可能性(裏方業務って、地味だけど大事ですよね…)
7.2 顕在意識・潜在意識
顕在意識:クラブの行く末を案じる気持ち
潜在意識:抜本的な改革の必要性を感じている
7.3 キーカード
キー(妨害要因):クラブの安定的な運営に資する土台の仕組みの欠如
(※クラブそのものの運営に関する妨害要因と読む)
7.4 状況(相談者本人・関係者)
※定義の違いに影響を受けない為、割愛
7.5 相談者の本当の望み
※定義の違いに影響を受けない為、割愛
7.6 最終結論(アドバイス)
最終結論:地に足のつかない議論(責任の押しつけ・逃れ合い)で、根本的な解決に結び付きにくい
(アドバイスとして)それぞれの言い分を整理して、現実的な解決策を模索する必要性
8 まとめ:「ケルト十字」の注意事項や他のスプレッドについて
如何でしたでしょうか?当然ですが、同じ問題を違う角度から読んでいるので、重なっている部分も多かったかと思います。
実際の鑑定では、今回取り上げた3つの視点を組み合わせて、総合的に読んでいっても、文脈に応じて、どれかの視点にウェイトを置いて解釈していってもいいのかなと思います◎
いずれにせよ、カードの定義を明確にする事はスムーズな読みにおいてマストですね!!
それでは、最後に、「ケルト十字」の問題点と代替スプレッドの可能性について少し触れて、終わりにしたいと思います。
8.1 「ケルト十字」を使う場合の注意点など
定番スプレッドとして非常にポピュラーな「ケルト十字」ですが、問題点として、単独では少々不十分な側面がありそうです…。
例えば、次の2枚のカードについて、
・「未来」(=現時点で可能性の高い未来)
・「本当の望み」(=潜在意識下での望み)
相談者さんが「意識できる部分」として感じている「顕在意識」の望みと食い違う場合、まゆちん先生(=第4章で既出の「かげした真由子」先生)の提唱される「再設定」が必要な場合があります!
「ケルト十字」は、現状は詳しく見られるものの、未来のビジョン設定から逆算して、ブロック要因や必要なアドバイスを導き出す過程は、残念ながら、カバーできなさそうですね…(´;ω;`)
(→よって、未来の「再設定」をセッションのメインディッシュにする場合には、よほど時間に余裕がない限り不向きかも?)
もちろん!「ケルト十字」スプレッドが生まれたのは遥か昔で、現状把握と未来予測が中心の、「未来確定論」的立場が前提の「予言」的な占い観の下では、きっと重宝されていたのでしょうね◎
(この辺りの、スプレッドが生まれた歴史的背景については、機会があれば、リサーチして書きたいなと思います!あぁ、書きたい事が多すぎる…( ;∀;))
スプレッドに絶対的な「正解」というものはなく、時代や各人のニーズに合わせて自由に定義して引いていけるのも、タロットの大きな魅力ですよね…(❤´艸`❤)
(タロット好きの方々、ぜひ一緒に語りませう…☆彡)
8.2 「現状把握」の為の代替スプレッドの一例
それでは、現状を、もっとサクッと、シンプルに、よりピンポイントで見る為の、カードの定義の工夫にはどのようなものが考えられるでしょうか?
一例として、「ケルト十字」や「ヘキサグラム」の一部を抜き出した応用例を、次の2つの場合に分けてご紹介します☆彡
(個人的な目標実現の場合)
・過去・現在・未来(←達成具合・見込みなど)
・本当の望み(潜在意識下)
(※必要に応じて、特定の事柄を設定してより細かく見る場合も◎)
(関係性に関する場合)
・本人・相手の両者の気持ち
・関係性(集合無意識)
(※必要に応じて、特定の事柄を設定してより細かく見る他、現在に繋がる過去や未来も併せて見る場合も◎)
8.3 (※補足)1つの事柄に対して、複数枚で総合的に見る例
前項では、1項目につき1枚のカードで見る事を前提としていますが、私が大好きな「むぎのタロット」のyuki先生考案の「フリースリーカード」のように、1つの問いに対して、順不同の複数枚のカードで総合的に見る手法もあります◎
今回のお題に対しては、「断るのを迷う理由」で設定してみても面白いかもしれませんね♪
ちなみにこの「フリースリー」は、カード3枚で平面を、+アドバイスカード1枚で3次元の立体を描くという、理系出身の先生らしい発想から生まれたとっても斬新なスプレッド!!(この世界観好き♡『むぎのタロット』カード裏面の二重らせんモチーフも好き♡♡)
※なお、筆者の「むぎのタロット」との出会いと「元落ちこぼれ理系」の経歴については、最初の記事↓で触れています… (✿◡‿◡)(照)
その他、スプレッドについては、また別記事で書きたいな~!と計画中…📝(さて、いつになるか…)
8.4 読んでくださってありがとうございました♡
はぁ~、やっと書き終わりました!!今回は当初の予定よりかなり長くなりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました♡少しずつ書く事に慣れていけたらと思います(❁´◡`❁)
それでは、また次の記事でお会いしましょう♪♪
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