見出し画像

授業のちょっとしたコツ5 “たち”は使わない 目を見てあなたと言ってみよう

授業をしていると、聞いてくれているのかなと不安になることがある。それは、子どもと目が合わないときだ。

これは、すでに3年生の国語の教科書なんかには具体例とともに学習する事項である。
・言い方に気をつける……同じ言葉でも、口調によって困っているように聞こえたり怒っているように聞こえたりしてしまう(だから、メールなどでは誤解が生まれやすくトラブルの元になり生徒指導の種になっている)
・聞き方に気をつける……相手の目を見て聞くのと、何かしながら相手の目を見ずに答えるのとでは話し手が受ける印象が大きく異なる。

相手の目を見て話を聞くなどということは、至極当たり前のことで、面白いのは3年生の子どもたちに尋ねるとほぼ100%「目を見て聞いてほしい」と答える。

だから、私は子どもたちに授業をしているときは私の目を見て聞いてほしいとお願いをする。
よく聞かれるのが「ノートは書かなくて良いのですか」だ。
本音を言えば、書かなくても良い。むしろ、書かずに聞いていた方が絶対に頭に入りやすいからだ。
でも、どうしても書きたいと言ってくる子がいる。だから、書く時間を保障してあげる。授業の最後の5分~8分ぐらいノートをとる時間を設ける。その時間が来るまでは、鉛筆はもたない約束をしている。しかし、まれに親が「書かせてください!」と言ってくる場合がある。
かわいそうに……と心の中で思う。書きながら人の話が聞けるわけないのに。
どう答えるのか。
もちろん「イエス」である。無駄な労力は使いたくない。その親の子どもが聞くことに集中するのと書きながら聞くのとどちらが勉強になるか身をもって知れば良い。すぐに書かなくなるから。

ところが、ノートを書いていなくても目が合わないときがあった。それは、「みんな」とか「あなたたち」という言葉を使ったときだった。子どもは、「みんな」とか「○○たち」と言われると、途端に自分のことではないとか、自分には関係ないという思考に切り替わってしまう。
だから、私は、授業中あえて“たち”とか“みんな”という言葉を使わない。それは、授業は「あなた」にしているのであって、あなた“たち”にしているつもりがないからだ。みんなに聞いてほしいのではない。あなたに聞いてほしいのだ。

ほんのささいなことではあるが、効果は絶大だと感じている。
目を見て、「あなた」と言ってみよう。

よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートは、今後の治療費に使わせていただきます(^_^;)