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#先生死ぬかも 先生だけではないのだろうが働かされすぎの先生は確かに存在する

「#先生死ぬかも」ツイッターのトレンドに入ったらしい。それについては、ネットニュースに取り上げられたりこのnoteにも他の人がブログの話題に挙げたりとさらに拡散されている。
多くの記事にあるとおりなのだが、本当に命を落としてしまったり、落とさないまでも心を病んでしまったりする先生は実際にいる。

根本的な考え方として、一般的な企業でうつ病になってしまった人がいた場合はその企業のその部署(係)に問題があるとされる。なので、必然的にその部署に業務改善命令が出される。そこでの働かせ方や仕事の内容に問題があったのではないかという考え方だ。
しかし、教員の世界では真逆である。うつ病になってしまった先生が悪い、のである。信じられないことにこの風潮が蔓延している。
校長を始め管理職は自分の学校の先生がうつ病になったとしても何の責任も負おうとしない。それどころか、それを隠そうとする管理職すら存在する。もちろんその学校の業務になんらおかしいところが存在しているなんていうことは検証もせず、休んでしまった先生の仕事は他の先生に割り振られる。そういう仕組みであることがわかっているので、心が苦しくてもそれを言い出すことができない。他の先生に迷惑をかけまいとするからだ。負のスパイラルの原型が日本の学校の職員室では当たり前に存在している。

働き方改革元年だったはずの今年は、感染症の影響でどうやら改革はされなくなってしまったようだ。夏休みは短縮され消毒作業は増え学校で密を避けることなどできるわけもなく、多くの先生たちは毎日リスクを背負いながら勤務をしている。
働き方改革が叫ばれていたのも遠い昔。教育長でさえも、胸を張って教員に無理を強いている。子どもたちのためだー!なんて言いながら自分の保身に走っているとしか思えないほどに。

もちろん、先生の中にはどれだけ忙しくてもテキパキと業務をこなせるスーパー先生はいる。しかし、その先生に基準を合わせてしまってはいけない。ワークライフバランスではないが、多くの先生は普通の人間であり、プライベートも大切にしたい人間なのだ。また、問題なのは、企業であるならばそういうスーパーマンは出世をしていき立場が変わっていくが、教員の世界ではその人はずっと教員である。隣のクラスの担任とどうしても比較されてしまう。そして、往々にして"当たりの先生"として存在することになる。それに比べられてしまった"ハズレの先生"の心の負担を管理職は見て見ぬふりをする。
他方、好き好んで忙しくする先生も中にはいる。忙しいことが美徳であると考え、会議に時間をかけることや時間をかけて準備したモノが良いモノであるといまだに信じてやまない人がいる。これがまた上司にこういう人が存在するため、心が苦しくなる人は上司に相談することもできない。
さらに、自分でわざわざ忙しくしておいて、忙しい忙しいと連呼している人もいる。確かに教員の仕事に終わりはない。どれだけでも授業の準備はできるし、『子どもたちのため』という呪いの言葉で行事の裏準備は無限にできる。そういうことを自分で勝手にしていれば問題はないのだが、こういう人は他人を巻き込む。あなたも同じように忙しくやりなさいと無言の圧力をかけてくる。
これでは誰かに相談できるはずはない。

閑話休題。
このようなことは多くのところで話題になっているので、これ以上いうこともない。
だが、個人的に一番心配なのは、教員採用試験の倍率である。
いま、採用試験を受けると、多くの自治体でほぼみんな合格である。
これは本当にヤバい。
先生は足りていません。
先生のなり手もいません。

現場の教員は決して手を抜きたいわけではないのです。子どものたちのために仕事をしたいし時間を使いたいのです。しかし、増え続ける仕事の中には『この仕事は子どもたちのためのものなのだろうか』と疑問に思わざるを得ない仕事が山のようにある。
地域の老人会に頼まれたこと。文科省や地元の企業からの訳のわからないアンケート。よくわからない出張。希望者のみ参加という名の、強制的に参加の講演会。同じような内容の報告をいくつも提出しなければならない書類の山……。

教員の世界がブラック企業と呼ばれてしまうことは、もはや致し方ない現実である。『先生も大変なんです』という福井県の江澤先生の書かれた本があるが、自治体によって差があるものの、この本の内容は事実である。先生だけが忙しいわけではないのだが、先生は間違いなく忙しい。
これが現実ならば、教員を希望する人材が減ってもおかしくはない。そして、リアルに採用試験の倍率は下がっている。

どうか、この現実も知ってほしい。先生になりたいという人が減り続けている。

そして、あなたの子どもはそんな学校にこれから通うことになるのだということを。

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