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準惑星エリス~争いを終わらせるもの


太陽系第10番目の幻の惑星を御存じでしょうか?太陽系の惑星は冥王星で終わりというわけではありません。天文学も占星術も進化していきます。現在、太陽系の惑星として認定されているものは水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星の8つです。これらは「クラシカル・プラネット」と定義されます。そこに「ドワーフ・プラネット(小さい惑星)」とされる5つの準惑星が加わります。



2020年の時点で、ドワーフ・プラネットに認定されているものが冥王星・ケレス・エリス・マケマケ・ハウメアの5天体です。中でも占星学上で重要なものが冥王星とエリスです。(※このエリスは準惑星エリス(136199 Eris)であり、小惑星エリス(11980 Ellis)とは別ものです)この準惑星エリスの発見こそ、冥王星が準惑星に格下げされた直接的原因でもあります。




これまで準惑星エリスを占星学に取り入れる動きはあまり見られませんでしたが、最近は様子が変わってきました。松村潔さんも先日の動画でエリスについて言及されていました。もしかすると、準惑星エリスは冥王星を超える潜在パワーを持つ天体として、今後、その重要度が増していくことが予想されます。そして、準惑星エリスの意味は「争いと不和の女神」です。しかし、この意味をそのまま解釈し、エリスを不吉な天体と認識するのは少し待ちましょう。




この準惑星エリスは大変動きの遅い天体であるため、今生きている人のほとんどが牡羊座エリスを持っています。1930年1月1日生まれの方で牡羊座0度のエリスを持ちます。2024年4月現在、エリスは牡羊座25度あたりにありますので、約100年をかけてエリスは牡羊座(というひとつのサイン)を移動していることになります。しかし、エリスの軌道は楕円形を描いていますので、実際の公転周期は557年だそうです。



占星術のセオリーとして、遠い天体であればあるほどその影響力は強くなります。それはつまり、私たちの最も深い潜在意識領域から強い衝動を与える天体(意識)ということです。これまでそれは冥王星だと認識されてきましたが、今後はそれがエリスや別の天体に変わっていく可能性もあり得るのだろうと思います。




さて、牡羊座というサインの本質は「生まれいずる」ということです。様々な知恵や知識を持たない状態で、ただ精一杯泣く赤ちゃん、ひたすらに生命の持つ純粋な力をそのまま発揮する姿--それが牡羊座の正義です。ひとつ前の魚座で、私たちは「全体と融合した世界観」を獲得します。魚座と牡羊座の間には無限とも言える隔たりが存在します。一旦、全体性に至ったのに、再び、個別の存在として生まれいずるポイントだからです。




ゆえに、牡羊座エリスには「個をそのまま思いきり表現する」というテーマが存在します。そして、どこまでもそれでいいのです。しかし、個をそのまま表現すると衝突や否定、方向転換させようとする力が生じます。私たちはそれぞれに異なる個性を持っていますので、「自分の真実・私の生き方」を表現すると、必ず異なる方向性からの圧力を受けることになります。これをどう捉えるかが、準惑星エリスの大切な問題提起であるように思います。







これは私のエリスの位置です。キロンと並んで6ハウスにあります。ホールサインで見ると7ハウスです。確かに、私はこの社会の構造に素直にイエスと言えない反骨精神を持っています。みんなが横並びに「常識や体制に従う」ことを良しとは思えず、一方的に課される義務=支配だという認識があり、それには絶対的に従いたくありません。(6ハウス)そして、それは身近な対人関係においてもしばしば顔をのぞかせてきました。また、公に自分の考えを発信している人にとっての大衆・聴衆は7ハウスにあたります。占星術においても「それはどうでしょうか」と異議を唱えたい事柄はたくさんあります(7ハウス)



異なる意見が内側にある時、私たちはそれをなかったことにしようとします。争いたくないからです。でも本当の声をなかったことにして保たれるバランスや調和は幻であり綺麗ごとでしかありません。そのこともよくわかっていますよね。でも、エリスは言います。あなたの本当の声を出せと・・・表面的な調和を保つために自分を殺すことなかれと・・・衝突を生むかもしれない意見や価値観を表現しようとする時にこそ、そこに人間的成熟度や智慧が活きてきます。




普段は抑えこんでいるけれど、本当はいつもここにある声・本心を表現したい」ーー今、生きている人はこのような衝動をみんな抱えているということになりますね。そして、それは表現されることに意義があるのです。その結果、それが正しいか間違いかはエリス(私たちのハイヤーセルフ)にとってはどうでもよく、恐れることなく自分を表現することにこそ価値があるーーということなのです。



私たちは自分の個性や考えに同調してくれる人を味方・仲間だと思う「認知の癖」を持っています。自分の個性に理解を示さない他者、自分の考えに同調してくれない他者を敵だとみなす「個としての性質・自己防衛反応」を持っているのです。しかし、それは本質ではない、自我の戯れであるーーエリスはそのように伝えているのではないでしょうか。




12星座で考えてみましょう。ひとつ前の星座をアンチテーゼ(反面教師)にして、それぞれの星座は成長していきます。12のすべてのサインの性質はそのように循環していくのです。ですから、すべての個性や考えに理解と共感を示すことはできない仕組みです。一旦は誰かや何かに対して「受け入れられないという否定感や嫌悪感」を示すのは普通のことです。




しかし、違いを感じる価値観や考え同士がぶつかり合い、新しいものを生み出していくのが本来の宇宙の仕組みなのです。異なる意見を受け入れ続ける先に、異なる他者を理解し続けていく先に、本当の進化があります。そこにこそ人類の真価があることをエリスは告げているのです。アンチと思える意見や自分に対する否定と感じる言動を投げかけられた時こそ、この事実を思い出していきたいですね。




異なるもの同士がぶつかり合うことは、決して存在否定や悪意ではなく新しいものが生まれるチャンス・機会と捉える。それこそが太陽系を進化させる原動力です。そのために、私たちは自分を表現する必要があります。自分の意見や価値観を素直に誠実に表現していくこと。その結果、返ってくる反響を否定的に捉えず、また恐れないということ。




昭和世代こそ、これを殊更避けようとする傾向があります。独特の社会風潮の中でそのように育ってきたからです。冥王星獅子座・冥王星乙女座・冥王星天秤座世代は、この点において次世代から学ぶことがたくさんあります。冥王星蠍座以降の世代の人はこのテーマにおいてのフラットさ・極めて人間らしい率直さを持っています。




どちらが優れているか、どちらが正しいかという視点を手放すことで、私たちはより冥王星水瓶座時代の波に乗っていけると思います。個の尊厳を取り戻すこと、そして、自分も他者も等しく尊重する道を進んでいきましょう。私も否定されたり攻撃されることは怖いですwでも、星(時代)がそのようなメッセージを発している以上、真摯に向き合っていくしかないと思う次第です。エリスが象徴するのは黄金のリンゴ。誰が一番正しく優れているのかーーこの視点でいる限り、争いと不和の世界は終わらないことを告げているのです・・・


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