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蠍座冥王星

冥王星が蠍座に位置していたのは1983年11月6日〜1995年8月までです。この間に天秤座に戻ったり、射手座に入ったりはしていますが、概ね、現在30歳から41歳くらいの方が該当します。それなりに経験を積んできていて、さらに十分な体力もある、まさにこれからの日本を支える世代ですね。


冥王星はハイヤーセルフのような存在であり、深いところから私たちを突き動かし、個人を超えて一時代を作り出していくほどパワーの強い天体です。冥王星が蠍座に位置している時に生まれてきた方々の共通の命題とは何かを考えてみたいと思います。



一つ前の天秤座では「差異を超えていく、違いを受け入れる、中庸点とバランスを見出す、統合する」という命題を抱えました。その次にあるものが蠍座です。蠍座は8ハウスと非常に似た性質を持ちます。星座サインとハウスの関係性は全てがイコールであるとは言えません。ですが、蠍座と8ハウスの特性はほぼイコールであると考えても差し支えないと思います。



今の時代を生きる上で、天体で言うと月(さらにその奥にあるキロンやブラックムーンリリスなども含む)が私たちの最大の関所になっていますが、ハウスで言うと8ハウスが最大の難関です。8ハウスを超えていく時、私たちは強い恐怖と抵抗を感じます。相手は自分の鏡である、相手の嫌な側面こそが自分自身であるーーその不都合な真実を受け入れ、そして、自己防衛反応を超えて、パートナーや運命なるものにサレンダーすることが要求されるからです。



8ハウスは自我が一度死ぬ場所です。夫婦は相手と自分を分離させている限り、一体にはなれません。旦那さんが職を失ったなら、私は一旦実家に帰ろうとか、妻が裏切るかもしれないから全面的に信用することはやめようとか、自分の生活や心の安全のために何らかの保険をかけているうちは、8ハウスは超えられず、そこが関所になって、人生の車輪が止まってしまいます。そうなると、8ハウスが私たちに与えたくてウズウズしている「あなたが受け取るべき恩恵」を手に入れられないのです。



それは2ハウスや5ハウス的な「自分一人で手に入れられる喜びや恩恵」とは全く桁が違うのです。8ハウス的恩恵は格段にスケールが違います。1+1が無限に広がるようなイメージがあります。つまり、一体化が蠍座の真骨頂です。それはいかなる条件づけをも許しません。無条件の一体化です。相手がこうだから、今の生活がこうだから、まだその時期が来ていないから・・・そんなものは全く聞いてくれないのが蠍座という神様です。



ただ、あなたの覚悟を待っているのです。たとえ死んでも構うものかという覚悟です。小さな自我を手放す勇気と成熟です。そして、蠍座は一点集中です。良いも悪いも自意識も全て超えて、ここだという一点にギュウッとエネルギーを凝縮させる。あなたの情熱と情念と真実を渾身の力でそこに込める。そうすることで宇宙を知るのです。井の中の蛙こそが海の深さも宇宙の広大さも全て知ることができるのです。



ですから、冥王星蠍座を持って生まれてきた方は何かを愛し抜いてください。一つの物を、特定の相手を無条件に愛し抜くことで、魂はその目的に至るでしょう。対象物と溶け合い一体化するくらい、何かや誰かを愛し抜き信じ切ることで、魂は深い喜びに至るでしょう。



蠍座は冥王星のホームグラウンドです。冥王星の本質が最も鋭く現れるサインです。すぐに怯えて戦闘モードに入り、自己保存欲求にコントロールされる小さな自我なんて、圧倒的に超えていくことができるのが蠍座冥王星でしょう。人間の弱さや誤魔化し、世の中の嘘や虚飾を鋭く見抜き、奥底に凄まじい強さとエネルギーを隠し持っている世代だと思います。



そうして、みんなが見ないようにしている真実を白日の下に晒し、本当の意味で世界を変える力を持っているのです。本当の自分ではなく、綺麗事を生きていると蠍座の冥王星は気づきを与えようとして、あなたに試練を与えるかもしれません。でもそれは破壊が目的ではなく、破壊の後の再生を与えるためです。7ハウスまでとは格段に違う世界、自我を超えた世界へとあなたを連れていくためです。



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