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水星逆行とトランスサタニアン

5月10日から始まった水星逆行が本日をもって留となり、数日かけて順行に戻っていきます。今回は双子座と牡牛座で起こった水星逆行。意志疎通のトラブルや行き違い、お金に関する予想外の出来事などを体験された方も多かったかもしれません。


水星の管轄下である「言葉・言語表現・意志疎通」についての興味が尽きないユリシスです。言語というものが持つ可能性と制限について考えたり、ディスカッションしていると、圧倒的な沼にはまり込んでしまい、いつまでもその地平が見えないのです。


占星術師にも言語能力は必要不可欠な要素です。星読みとは「星の言葉を翻訳する」お仕事です。それは外国語を訳すことに似ています。その時、水星(知性・言語知覚機能)を使います。けれども、水星だけでは到底翻訳できないのが星たちの言葉です。


水星の範疇の事柄はトレーニングでいくらでも伸ばすことができます。例えば、読みづらい文章というものがあります。その大半は、文法<共通認識としての言語的決まり事>を守っていないために、読みづらくなっているのです。わかりやすく伝わる文章を書く時に大事なこと。


〇できるだけワンセンテンスを短くする
〇重複表現を避ける
〇(脳内の)話し言葉を書き言葉の文法に合わせて変換する
〇感情だけで突っ走らず、読み手に伝わるように理論的に組み立てて書く


文章が苦手、或いは、文章を書くことに慣れていない場合、まずはセンテンスを短くすることが効果的です。主語と述語に対して、決まりを無視した形で修飾語や副詞が入り込みすぎている文章、単語やセンテンスがどこにかかっているのかがわからない文章は、とても読みづらいです。


重複表現=同義語や同じ意味合いの文章を繰り返して使用すること、これもやりがちです。例えば、「とても・非常に・大変に」などの同義語を重複して入れ込んでいる文章。一度「年配の」と書いたのに、その後の文節で再び「お年を召した」などと表現すること。このような重複を止めるだけで、すっきりと読みやすい文章になります。


これら一連の基本作業は「水星」という星の管轄下です。私たちは知性と言語を司る水星を使って内的世界を言語化します。生きる上で水星はマストで基本的な星です。しかし、内的世界とは無限の拡がりを持っています。その無限で高く精妙な周波数の世界を、粗い周波数の「言語世界」に落として表現する時、水星の限界があるのです。



じゃあ、どうすればいいの?となるわけですが、水星以外の星を使います。金星や火星も使うでしょうし、太陽も使います。そして、天王星や海王星も使います。ごくたまに、冥王星が「乗った」文章に出会うこともありますね。水星の領域を超えて、それ以上の世界を表現することは、トレーニングや訓練というよりも「生きざま・人間性」の問題だと思います。



あらゆることは、最終的に「意識」の在りよう、振動数の問題になってきます。


表現としての書く行為と話す行為、通訳や翻訳、そして、星読みも構造としては同じです。そこには、水星だけでは表現できない領域が存在しています。占星術の場合、決まり事を学び覚えるのが水星の領域です。天体・サイン・ハウス、アスペクトの意味などを理解して記憶する作業は、外国語を学ぶ時と同じ脳の領域を使っていると言えます。


そして、その決まりに則り、星の言葉を翻訳する時、天王星や海王星というトランスサタニアンを使うことなくして、その本質を言語化することは不可能に近いと感じます。それは途方もない、どこまで行っても地平線が見えない世界です。



遠い星ほど力が強いのです。水星はごく近い星です。水星の本質はもっと遠いところにあるのです。表現や認識の窓口、知性のOSが水星なだけであって、その奥にはトランスサタニアンの世界が拡がっています。


占星術を学び始めた2021年、ユリシスは、度々、水星逆行について注視していました。一年に何度か訪れる水星逆行の影響がいちいちドンピシャであることに驚きました。セオリー通り、交通機関のトラブル、意志疎通の行き違い、計画の遅延やキャンセル・・・それらが見事に水星逆行の時期と重なって起こりました。そして、だんだん、水星逆行にビビるようにさえなりましたw



しかし、2022年、すでに二度目の水星逆行を迎えていますが、その影響を実感することがほぼありません。水星逆行に意識を合わせれば合わせるほど、その影響を受けていましたが、自分自身に意識を合せていくと、星の影響にさほど共振しない感覚が生まれました。同じことを仰っていた星読み仲間と話していて、ある推測が閃きました。



水星に頼っていると逆行の影響を受けるけれど、水星を「使う」意識でいると、その影響を受けないのではないかーー



今のところ、この推測は外れていません。私たちは人生という旅において、様々なドラマを体験します。それが「水星案件」である場合も多いですが、「トランスサタニアン案件」もあります。それはつまり、頭であれこれと策を練っても、もはやどうにもならない領域の事柄です。


このトラサタ案件はサレンダーするしかないのです。自分を信じてお任せする。それなのに、水星の領域でごちゃごちゃ思考を繰り返すと、どっぷり星の影響に捕まるのです。つまり、月に捕まるということですね。



水星(思考・物理次元)に依存していると、インスピレーションが下りてきません。その奥には、もっと広大無辺な命そのものの世界がありますから、水星に頼らなくても大丈夫なのです。



というより、水星を使う意識で生きる、トランスサタニアンを使って生きる。そうすることで、あらゆる制限は制限ではなくなります。星より意識が上ーーそれを採用するのもしないのも、私たちの自由意思ですから・・・


トランジットの影響は参考程度に、それよりも、それを超えていくとどうなるかに興味深々です。すべてを可能性とチャンスと捉える視点、ワクワクします~♡

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