お見舞い

亡き母がまた夢に出てきてくれた。いつも夢で会えるのが嬉しい限り。

夢の中の母は、高輪の病院に入院していた。私はお見舞いに行こうと病院へ向かっている。田町駅で降りて行く途中、泉岳寺を通った。
泉岳寺にはお参りの人が列を成していた。普段そんなに混むお寺ではないのに。
お参りの前に筆で何やら記帳する必要があって、そこにはお線香台も置いてあった。私も列に並ぶが、なかなか空きが出ず、お参りは諦めた。

列から外れてお寺を横目に通り過ぎると、大きな道路に出た。信号があっという速さで赤に変わってしまう。仕方ないので地下道から行くことにした。
雑居ビルの中にエレベーターがあったが、私は階段を上がった。上がった所にお土産屋を見つけ、自分が持っていた揚げ饅頭は胃の悪い母には良くないかもしれないと思い、電話で父に聞くことにした。

しかしなかなか繋がらないので諦めて、お煎餅を買おうと思った。好きな方を食べてもらえばいいし、残ったら自分で食べればいいからだ。
お煎餅屋さんに注文して支払いを済ますと、渡された箱は私が言ったものよりずっと大きいものだった。これでは母は食べきれないと、小さいものに変えてもらいたいと言った。忙しいのに申し訳ないと思いながらも、言いたいことは伝えようと思った。

病院の前に着いた時、夢から覚めた。

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