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休校中の教師は何をしているのか

早いところは3月から休校が始まり、すでに1か月以上経とうとしている。

今年の教育現場は凍結状態。
学業だけではなく、部活全ても止まっている。
先日、高校総体が中止になった。
夏の甲子園もきっと同じく中止されるだろう。

文科省は、家庭で学習を、と呼び掛けてはいるが、普通に授業をするのと同じように行くわけもない。
家庭で着々と学業に励んでいるのは、ごくごく一部の子どもだろう。

当然、教師も困惑している。
教えることが生業なのに、全くそれができない。

「富めるものもそうで無いものも等しく教育を受ける機会を与える」ことが公教育のベースであるから、格差や保護者の考えに依存した今の教育状況が望ましいわけはない。

一部の学校を除いて、公立の小学校でITによる教育ができるわけもない。

では、先生は仕事していないの

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何もしていない、在宅勤務だけ?
と思われがちだが、どっこい、教師の仕事はやろうと思えば際限なくある。
家庭の主婦業が際限がないのと近い感覚である。

例えば、教材研究。
ちょうど、指導要領の改定に伴う新しい教科書が4月から使われることになっている。
教えることはそう変わっていないとはいえ、教科書会社が変わるとその様相は一変する。
具体的に言えば、1年生で数の学習をするとき、数え棒を使うのか数図ブロックを使うのかで、教師の準備は全く違う。
大人は、「数の数え方なんか何を使ってもおんなじことでは?」
と思うが、どっこい、1年生は、たとえ同じ数え棒でも、黒板に提示するときの置き方が少し違うだけで混乱を生じたりするため、繊細な指導テクニックが要求されるのである。

算数一つとっても、このような準備をしなくてはならないのだから、他の教科、6年生ともなると使用する教材は子供が持つテキスト類だけでも10種類はあり、それにドリルやプリントなど、多岐にわたる。
教師用の指導解説集を全部積み上げると、1メートルにはなるだろう。

おまけに新しい教科書にはデジタル素材の副教材やダウンロードコンテンツも使えるようになっているので、全てに目を通すには授業をしなくても1ヶ月は欲しい。

他にも、教育委員会からやってくる調査やアンケート、研修計画などあげたらキリがない。
当然、学級担任は受け持つ子供達の個人調査票、健康調査票、個別の支援計画、登校班名簿、連絡網、給食当番の準備、学級の掲示物の準備など、多くの年度はじめの仕事がある。

これとは別に、日直当番の仕事、校内での分掌の仕事(例えば、生徒指導主任になれば、教育委員会に生徒指導に関する計画書や学校でのいじめについての防止策や実態調査など、その担当だけに任される)がある。
最近はデジタル化されて、新しく書き直す手間はだいぶ省かれているとはいえ、パソコン操作に不慣れな年代の古参教師にとっては、この入力作業も結構なストレスなのである。
当然、時間もかかる。


こういった作業を、子供たちが登校している時、授業をしながら勤務時間内にできるわけもない。
だから残業は当たり前、1学期の初めは土日どころかゴールデンウイークも学校に来て仕事をしてる教師はざらにいる。

こういう私もアナログ世代なので、新しい計画書を作りにこっそりこの自粛連休中に学校に仕事に行かなくてはならない。
今は子供や保護者の個人情報が同じサーバーにあるので、セキュリティが厳しく、昔のように持ち帰ってなどできないのである。

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…と、ここまで暴露的に、休校中の教師の職員室での仕事を愚痴ってみた。
もし、「スキ」とかが10個以上とか、コメントが複数来るとかしたら、実際に私の休校中の仕事1日分細かく書き出してみようと思う。
(個人や学校が特定されない範囲でね)



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