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沈黙(マウナ Maunam)の日に感じたこと

インド生活21日目。
今日は学校で「沈黙の日」が予定されていました。

沈黙は、サンスクリット語でマウナ Maunamと言います。
毎朝6:00からマントラを唱えていますが、この日は、最初の「Om(オーム)」を唱えてから翌日6:00に「Om(オーム)」と唱えるまで、沈黙を貫くことになります。

沈黙の日は、言葉を発することはもちろん、誰かと目を合わせることや、スマホを触ることが禁止されています。
自分から何かを発することや、自分以外のものから情報を得ることを遮断し、自分だけと対話する貴重な時間です。

沈黙について

「自分だけと対話できる」と言いつつ、「沈黙」の状態でいらはらと何がいいのか、いまいち腑に落ちていなかったので、考えてみました。

普段、会社で働いていたり、家族と過ごしたり、社会にいる限り自分ひとりで生きていくことはできないので、必ず人とコミュニケーションをとります。
「言葉」はコミュニケーションツールのひとつなので、相手と意思疎通するうえで必要です。
しかし、「言葉」によって、過剰なコミュニケーションや事実無根の噂話が生まれたり、相手にどう思われるかを気にして無意識のうちに自分にストレスを与えることがあります。
「言葉」が原因で争いや喧嘩が生まれることも多いです。

そこで、「沈黙」は「知恵・賢さ」だと思うようになりました。
おしゃべり好きで常にべちゃくちゃ話をしていて、意識が外に向きまくっている人っていますよね。
話しかけられたら、ついつい自分も話してしまうことがありますが、そんなときにこそ「沈黙」というコミュニケーションツールを使うことが、賢い振る舞いになるんじゃないかなと思いました。

「沈黙」を練習して、外界と自分の世界の切り替えをコントロールできるようになることが、処世術のひとつになり、結果として、自分の心に従い正しい行動をすることにつながるのだと思います。
それが、ヨガ哲学でいうところの「知恵・賢さ」です。

ジュリアロバーツ主演の「EAT PRAY LOVE」という映画でも、インドで沈黙を経験するシーンがあります。(数年前に1回観て、行きの飛行機で久しぶりに観ました)
人生が上手く行かないと感じた主人公が、イタリア・インド・バリを旅する話ですが、この映画で、彼女は沈黙を楽しんでいるような描写がありました。
なんとなく沈黙は悪いものみたいなイメージがあったのですが、自分の心をコントロールする手段として、今後も強化していきたいと思いました。

食事について

食事も朝はフルーツとジンジャーティー、昼はスムージー、夜は牛乳のみで、断食を行うことで身体の内側からも浄化することを目的としています。

インドに来てからは、米や豆、野菜中心のベジタリアンフードしか食べていないですが、量はもりもり食べていたので、断食と聞いて少し心配になりました。
ただ、いざ始めてみると意外とお腹はすかなくて、むしろ身体が軽い感じがして調子がいいです。

日本にいるときは、肉や魚、お酒をもりもり飲み食べしたり、食品添加物たっぷりのコンビニのスイーツやお菓子を食べていたのですが、インドに来てから、素材の味を生かしたクリーンな食事をとることで、内臓への負荷が減った感覚や食材のエネルギーをより繊細に感じることができるようになりました。

今まで週末断食や一週間ファスティングをやったことがありますが、いずれもダイエット目的で「食べないこと」が正だと思い、もちろん断食後は体重が落ちますが、その後すぐにリバウンドしてました。

今回の学びとして、断食は、単に体重を減らすことが目的ではなく、以下メリットがあると思いました。

  • 内臓が休まる感覚が味わえる(いつも消化してくれてたくさん働いてくれてありがとう、負担かけてごめんね、と思う)

  • 回復食で摂取した食べ物を五感で味わえる(感覚が敏感になる)

  • 普段の食事が過剰であることを認識できる(人間はそんなに食べなくても死なない)

  • 食事に費やしていた時間を別のことに使える

まとめ

「沈黙」「断食」ときくと、つまらなそう、不便そうと感じる人もいるかもしれません。
私も、今まではそう思っていました。
しかし、今の社会は情報やものに溢れすぎていて、人間に生まれつき備わっている機能や、自然本来のエネルギー・価値を認識しにくい状態になっていると思いました。
定期的に「沈黙」「断食」をすべき!というのはなかなか難しいですが、「沈黙」「断食」が健康的な身体や心を作るための効果的な手段で、これを実践したときに自分がどういう状態になるのかを今回経験できたので、健康的な生活を送るためのTipsとして頭に刻んでおきたいと思います。


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