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紫キャベツで絵を描く【自由研究ネタ】

こんにちは
これを書こうとしている時点で夏休みはもう残りわずか。
もしまだ自由研究に困っているヒトがいたら、材料費数百円、1時間でできる自由研究ネタを紹介します。
本当は小学生の姪との自由研究用に仕込んであったのですが、そちらは飛び入りで別の楽しいことに変更したので宙に浮いてしまったものです。

紫キャベツで絵を描く

紫キャベツで絵を描く

紫キャベツの汁はpH(酸性かアルカリ性か)で色が変わるということを利用して、色を変えたキャベツ液を絵の具のように使って絵を描いてみようというものです。
ざっくりやり方を紹介します

用意するもの

・紫キャベツ:スーパーでひと玉150円程度で購入。よく似たトレビスでも良いが価格が高い上に白い部分多くて色素は少なめ
・塩
・レモン果汁、重曹またはソーダ灰(炭酸ソーダ、炭酸ナトリウム)
・画用紙
・まな板、包丁、ポリ袋、小鉢、小鍋、パレット、絵筆、筆洗 など

紫キャベツの色液を搾る

  1. 紫キャベツの葉 2枚程度(外側の緑がかったものは外して完全に紫のところ)を、細かく切る(写真は千切り)

  2. 切った紫キャベツをポリ袋に入れ、塩少々を加える。袋が膨らんだ状態で振って、塩を全体に行き渡らせる。

  3. ポリ袋の口をしっかり握って空気を抜きながらよく揉み、汁気が出てきたら空気を抜いて口を縛り、15分ほど置く。

  4. ポリ袋の角に爪楊枝で穴を空けて汁を搾る

  5. 絞り切った状態の色液

  6. ミルクパンなど小さい鍋に色液を移し、焦がさないように半分〜1/3程度になるまで煮詰める

紫キャベツ汁を搾る

色の確認

作った色液を早速スケッチブックに塗ってみます。
上の画像の、上段は絞った色液をそのまま塗ったもの。下段は煮詰めて濃縮したものです。
絞ったそのままの液は青紫に変化しています。
  ・・・・(考察ポイントA)

塗り広げた色液が乾いたところに、レモン汁、リンゴ酢、重曹の水溶液、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)の水溶液を塗ってみました。
レモン汁はピンクに、リンゴ酢は青紫に、重曹とソーダ灰は緑に変化しました。
  ・・・・(考察ポイントB)

紫キャベツの色液の濃さ、レモン汁、重曹またはソーダ灰の水溶液で色の変化をつけられることがわかりました。

参考までに、重曹の水溶液は水で溶かしたものと、熱湯で溶かしたものではpHが違って、熱湯の方がpHが高くなるので、濃い緑を作ることができます。

絵を描いてみよう

左は上記のお試しのように紫キャベツ液で塗りつぶした上からレモン汁とソーダ灰水溶液で描きました。

右の花は、一旦筆に紫キャベツ液を含ませた後に、筆先だけをレモン汁やソーダ灰水溶液にちょっと浸けてから描きました。

紫キャベツ液自体や、レモン汁やソーダ灰水溶液の濃さで微妙に色が変化します。
また、一度塗ったところに違う液を上塗りすることで色を変化させることもできます。

白い画用紙に自由に描いてもいいし、市販の塗り絵を使ってもよいと思います。
ぜひ色の変化を楽しみながらお絵描きしてみてください。

残ったキャベツの行方

ところで色液を絞られた方の千切りキャベツは、浅漬けとしてゆりくまが美味しくいただきました。ちょっとレモンをかけたらさっぱりするし色も変わってよいかも。

紫キャベツの浅漬け美味しい

自由研究の考察ポイント

  • 紫キャベツの汁が、混ぜるものによって色が変わる理由や仕組みを調べてみよう

  • 画用紙に塗ったときに、薄い色液と濃縮した色液で違った色になったのはなぜだろう【考察ポイントA】

  • 色が変わった薬品(レモン汁や重曹)の性質を調べてみよう。【考察ポイントB】

  • 他にどんなものを混ぜたら色が変わるかな。台所やお風呂、文房具から探してみよう。

  • 紫キャベツの他に、色を変えられる植物を探してみよう

(おまけ)絵の具化実験

紫キャベツの色液を固形絵の具のようにパレットに固められたらいいなと思って、成分の違う水溶性の糊を混ぜて乾かしてみました。

パレットに入っているのは写真の左からヤマト糊(デンプン)、フエキノリ(多糖類)、木工用ボンド(酢酸ビニル樹脂)
これらをパレットに注いだ色液に目分量で混ぜて、自然乾燥させてみました。

糊で絵の具化計画

結果

ヤマト糊(デンプン)
元々がもっちりしているので滑らかに混ぜ合わせるのが難しかったが、早めに固まり、筆で擦り取ることは比較的容易。描き味に伸びがない

フエキノリ(多糖類)
滑らかな液状なのですぐに混ざる。しかしほとんど固まらない。上の写真は3日後くらいで、パレットを傾けるとゆっくり流れてくる。
描き味は滑らかだが、塗った後もやはり乾かない。1日おいてもキラキラしているのでスケッチブックを閉じられない!

木工用ボンド(酢酸ビニル樹脂)
色液に混ぜ合わせた時点で樹脂が分離してモロモロが出たため、不適。
写真に製品が写っていないが、PVA樹脂(アラビックヤマトなど)も同様。
色液に含まれる塩分で脱水されたのか、色液自体の弱酸性に弱いのか、どちらかだと推測します。

まとめ

紫キャベツをよく買うというお家は多くないように思うので、見つけるのが難しいかもしれませんが、うちの近所では八百屋さん、スーパーの半分くらいに追いていました。

思ったよりも濃い色で描けて、楽しかった。
レモンや重曹の濃さを変えて微妙な色を出せるかどうかも試してみればよかったな。

紫キャベツの色素(アントシアニン)は特にアルカリ性での安定性が良くないので、描いた色もさほど長持ちしないと思われます。
素敵な作品は写真に撮って保存しておきましょう。

材料さえ揃えば作業は1時間程度でできるので、ネタに困っていたらぜひやってみてくださいね

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