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【回顧録】24年度新歓シーズンの空手道部との関わり

(共同通信社から地方紙向けに配信されている「千種ゆり子の空てんき」の2024年4月分記事です。共同通信社からは許可を得て、そのままの文章で掲載します。)

 4月、新生活の季節です。先日、一橋大学空手道部の新入生勧誘イベントがあり、OGとして勧誘のお手伝いをしました。このイベントは卒業生が参加することは少ないのですが、現役部員から是非来てほしいとプッシュされて参加しました。いくらコーチとはいえ、15近く歳の離れた先輩を勧誘に借り出すその勇気とフラットさに、良い意味で心を動かされました。

 20年間色々な後輩を見てきましたが、今の学生に対して感じるのは、OB・OGとも親密な関係を築こうとする学生が多いということです。いざ自
分のことを思い出すと、学生だけで関係性が完結し、OB・OGに対しては心を閉ざしがちでしたが、そういったことがなく誰にでもオープンマインドで非常に素直な学生が多い気がします。時代の変化もあるのでしょうか。

 総じてオープンマインドですが、よく見ると、さまざまな学生がいます。寡黙に自分や他者に向き合いひたむきに努力する学生、素直な感情をぶつけてくれる学生、爛々としているようで内面に想いを抱えている学生。中々接することのない等身大の人柄に触れることができるのは、後輩指導をする魅力の1つです。私は人の気持ちや内面に触れるのが好きなようです。

 私は最近、スタートアップ企業での新規事業の立ち上げを行うプロジェクトマネージャーとして仕事をしており、新米映画プロデューサーの顔も持っています。学生の視野を広げるお手伝いをするために、そういった仕事の機会を活用できないかと考えながら日々の仕事をする機会も増えました。改めて、一橋大学空手道部が私に生きる活力を与えてくれているなと感じています。

千種ゆり子(一橋大学コーチ、気象予報士)

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