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日本人がカンボジアの若者に勝てない理由

2015年の秋~1年半ほどカンボジアで放送された「BooBooPee」(http://www.pcube.co.jp/booboopee/)という教育番組を作っていた時のお話。

プノンペンで私たちが移動する時にお世話になったドライバーさんがいました。(写真右)30歳前後の方だったと思います。

カンボジア運転手_n


彼は日本語は話せませんので、私も必死のパッチでつたない英語で会話していました。
すると彼が「僕の英語の発音悪いでしょ」と言うのです。「そんな事ないよ。私よりずっと上手」と言うと彼はこんな話をしてくれました。

「僕の子供の頃は、英語の授業を受けるのにオプション料金が必要でした。今はいらないけど。僕は母子家庭で貧しかったので、オプション料金は払えなかった。仕方なく、僕は廊下の窓から教室の黒板を盗み見して勉強した。だから発音が分からないんです」

その話を聞いて、自分が本当に情けなくなりました。私は、当たり前のように、席に座って8年も学校で勉強させてもらった。それでも彼より英語は下手だ。

英語が話せたら、平均給与が1.5倍になるという。彼らは「仕事をして、お金を稼いで、家族を楽にしてあげたい」と一生懸命勉強している。モチベーションが違いすぎる。
その違いを考えると怖くなりました。私たち日本で育ったものは、もっともっと謙虚にならなければならない。このカンボジアの若者から学ばなければならないと。それに気がつかなければ、永遠に彼らに勝てない。

苦労をした人が偉いとは限らない。でも苦労を乗り越えた人は凄く偉いと思うのです。

カンボジア朝日


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