市だご探検●取材メモ2024/8/21
熊本県益城町の旧木山町にお住まいの60代の方に、お話を伺いました。
今の市だごのイメージと本当はちょっと違う
今、益城で市だごといえば、九ちゃん万十のもの(少なくとも私は)。町のパンフレットなどを見ても、団子をこしあんでくるんで、きれいに形作られているものが掲載されている。けれど、昔の家庭で作っていた市だごは、たくさん作っておいたあんこに、団子をにぎって入れて、お皿についで出すかたち。もっと無造作(多分)。ずんだ餅みたいなイメージ?
市だごは初市の日だけ
年中作るというよりも、初市のときだけ作るもの。初市に来た親戚や友人を自宅でもてなす際に、市だごを作っていた。市だご以外にも、お酒やあてなども出していた。初市は3月2日・3日と決まっていた。昔は甘いものがなかったので、貴重なものだった。
スーパーキッドがある場所に、バスの営業所があって、その駐車場が芝居小屋になりサーカスがきたりしていた。剣やお面や、市あめ(城南の人が作っている)、黒い炭酸の飲み物などがあって楽しかった。
小豆も自前で
旧木山町の住宅街の近くには畑がたくさんあった。そこで、小豆を育てる。夏になると、皮のついた小豆を干してある風景があった。小豆の皮と実を外すための道具があった。柄が付いていて…(ちょっとうまく説明できない)
こしあんの家とつぶあんの家
ここは好みの問題らしいが、どちらのお家もあったそう。九ちゃん万十の市だごがこしあんなので、それがメジャーなのかと思っていた。インタビューさせてもらった方のお家の市だごは、こしあん。
団子はもち米粉7:うるち米粉3
家によって違うかも知れない。杵でつくと柔らかくなる。簡単につくるとすぐに堅くなるらしい。
取材を終えて
市だごといえば、こんな形で、こしあんで…というイメージがあったが、昔はまた違うものだったということに驚きました。でも、そのかたちは、とても理にかなっているというか、生活に根付いている感じがして好きだなと思いました。
小豆を育てるところも含めて、全部の行程を想像すると、一年に一度の、とても楽しみで大切な機会だったのではないでしょうか。初市という大きな行事で、親族も友だちもワクワクする二日間に、市だごはいつも一緒にあったんだなと想像しました。夏の小豆を干す景色も含めて、大切な存在だと感じます。
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