やさしさ

お疲れ様です。(社内メールの書き出し)

とにかく思っていることを後から読み直せるところに書きだしたいので、考えていることをワーっと書きます。

1.仕事がめちゃしんどかった
最近の一番のトピックスはやっぱりこれ。顧客の都合によってランダムに訪れる開発の繁忙期、打ち合わせ、社内の技術発表会、研究レポートノルマ、月報、会社指定の資格試験、社内研修、雑用などが束になって襲ってきて死ぬかと思った。今も絶賛その渦中にいるけど、無事に金曜を乗り越えられて幾分かマシです。

泣き言を言っても仕事を減らしてくれるわけではないので、とにかく手を動かして、けれども時間は有限なので、自分でも納得いかない完成度のものを諦めて提出⇒上司にコテンパンにされる というループを繰り返していた。

ずっと気を張りつめているのでヘトヘトになるし、自分の作った資料に対してため息をはく上司を見れば自尊心はなくなる。金曜の帰り際には「土日で(仕事)やってきて月曜に見せて」と言われるので休日も心休まる暇がない。土曜に予定していた大きな用事をキャンセルして、自宅で仕事の準備をしていたら頭痛と微熱と腹痛と吐き気に襲われた。結局その土日はほとんどなにもできず、一週間経った今も頭痛の症状だけはずっと続いている。

当然、休職・転職といった選択肢が頭に浮かんだ。今の精神状態、上司からのサビ残命令の証拠をもっていけば九割九分休職は認められるだろう。でも今立ち止まることを覚えてしまったら復職しても続かないのではないか。同じ職場で働くのは無理なのではないか。どんな顔をして働けばいいのか。親族にどう説明したらいいのか。

では転職はどうだろう。同じ業界への転職だとすると、新卒でもなく、前職をたった一年で辞め、仕事へのモチベーションも高くない自分が必要とされるわけがないと思う。新しい職場が今よりいい環境である保証もない。

他業界はどうか。特に優れたスキルがあるわけでもなく、職が見つかるとは思えない。スキルがなくてもできる仕事はあるけれど、給与が大幅に下がれば奨学金の返済に家計を圧迫されて貧しく生きるほかない。

だったらもう、この世から消滅した方が気が楽だ。人から失望されることもなければ、それに対して弁明する必要もない。お金のことも気にしなくていい。さて、実行するとしたら場所はどこがいいだろう。清掃は浴室がしやすそうだ。などと考えていった。

安心して欲しいのですが、今は「消滅したい」とは思ってません。ただ、上記のような自分の考えが「間違っている」と言い切ることもまた、できないのではないかと思う。ひとつ確実に言えるとすれば「この世から消える」という選択は初手で実行するには極端すぎる。その前に一つか二つくらいは何かバックアップを用意しておくべきだなと思う。それは正常な判断能力のあるうちに考えておくべきだ。

2.人事考課フィードバック面接
昨年度の仕事ぶりを踏まえた人事考課が行われ、その結果を踏まえて上司と面接を実施した。ABCDEFみたいな 6 段階くらいのランク付けがあり、僕はC評価だと伝えられた。「あなたの職級としては標準的な仕事ぶりですね」という意味で、昇級も出世にも興味ない僕には特にこれといった感想は出てこなかった。

面談の中で言われたこと

・自分から情報を取りに行く積極性が欲しい。新しい知識を収集していかないと仕事の幅は広がらない。特に効果的なのは社内の人脈を増やすこと。今は会社のイベントもなくて難しい部分はあるけれど。

・「自分の能力を高めよう」という意識をもって仕事をしてほしい。向上心のない人間ばかりの会社は存続していけない。オススメは同じ職場のできる人を標的にして「その人を超える」という目標を持つこと。それを実現するためには、その人を徹底的に観察して、どういう思考回路で、どういう行動原理で仕事をしているのかを理解する必要がある。そうすれば、その人は思ったほどには大したことをやっていないということに気が付き、超えられるようになる。

・ビジネスマンとして対話の「瞬発力」を鍛えてほしい。社内外でのやりとりでは、相手の拙い説明から真意を引き出すためにその場で適切な質問をする能力が必要。また、急な意思決定を迫られることもあるので、とっさに必要な情報を取り出せるように、常に頭の中のタンスを整理しておく。

・頭の中の整理というのは取捨選択のこと。調べてすぐわかることは覚えなくていいけれど、理解が必要なものは理解して記憶に保管する。理解とは、言語化できる(誰にでも伝わるように適切に言い表せるような)状態のこと。随筆や解説書などを言葉の使い方に注目して読むと勉強になる。技術書を読むときなんかも、欲しい情報を得るためだけに読むのではなく、物事の整理の仕方を同時に習得する意識で読めばお得。

・仕事はめんどくさい。だからといってサボると、めんどくさい仕事は一生めんどくさいまま。そうなってしまったら何が楽しくて生きているのか分からない。理系の DNA があるなら「できることが増えると楽しい」という感覚は多かれ少なかれあるなので、めんどくさいからこそ少し頑張って(自分の能力を開発して)なるべく最小限の労力でこなせるように効率化していくほうがいい。

・仕事の完成度を上げる時間的な余裕がないなら、もうそれはプライベートの時間を割り当てるしかない。コンプライアンス的にも会社のルール的にも本来はダメだけど、コソっと持ち帰ってコソっとやりなさい。

というような内容で、まあその通りですね~~という感じだった。正しいけれど、自分にそういうことができるのかと言われるとしんどい部分もある。頭では理解できるけれど、仕事にそこまで真剣になれる気がしない。とはいえ重要なアドバイスだとは思うし、いつか納得できる日が来るかもしれないので心に留めておきたい。

3.「7秒しか記憶が持たない女性」のドキュメンタリーがよかった

YouTube のオススメに出てきて気になったので見た。脳炎による短期記憶障害で、7 秒よりも前の出来事をすべて忘れてしまうという女性。

7 秒よりも前に起こった出来事は自分がとったメモの情報から推測することしかできない。人と会話をするときにも、数秒経てば話していた内容はもちろんのこと、目の前の人物が誰なのかさえ分からなくなってしまう。だから「メモを通して自分の体験を、何も知らない数秒後の自分に引き継ぐ」という生活をずっと続けているという。

まず印象的だったのは、メモを取りながらの会話の応答が、一見まったく普通であるということ。記憶から消えた情報をメモから拾いつつ、メモをしつつ、適切に応答するということが同時に行われている。この技術の裏には計り知れない努力があるのだろうと思う。

それから、人と対話をするときに決して笑顔を絶やさない点がとても印象的だった。単なる笑顔ではなく、不安や緊張を隠す目的であったり、愛想笑い、思いやりなど様々な感情が読み取れるような笑顔で、きっととっても優しい方なんだろうなと感じた。

「立派」とか「感動した」とかそんな上から目線で安っぽいことは言いたくないけれど、ただただ巨大なリスペクトを感じられずにはいられなかった。

僕にもまだ向上心があるとすれば、もっともっと優しい人間になりたいというただ一点ですね。

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