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「ボディガード」2022年版 東京公演初日(柚希さん回)を見てきました

観た舞台の感想を、なるべく脳みそが覚めないうちに残しておきます。

2022/2/8 ミュージカル「ボディガード」の東京公演初日(柚希礼音さん回)を見てきました。まさか当たらないだろうと思ったチケットが大当たりして、一人で参戦。

前作はコロナの影響で、東京公演が飛んでしまったとのこと。貴重な舞台を見させていただきました。

わー!と思ったことを列記しておきます。

なんといっても柚希礼音さんがすごかった

今回、レイチェルは三人います。トリプルキャスト。

人生初・柚希礼音様でした。ちょうど彼女が宝塚星組のトップ時代に宝塚から離れていて、ぽっこり抜けてしまっていた世代です。
いつか見てみたい見てみたい見てみたいと悶々としていたので、チケットが当たって本当に嬉しかったのですが、想像の数十倍のスターさんでした。恐ろしいほどでしたわほんと。

幕が開いた瞬間、いきなりダルマ(手足の衣装がないレオタード型衣装)で激しく歌い踊るシーンに。心の準備ができておらずあわててオペラを構えましたが、周りの方みんなそうしていました(笑)

Twitterでも暴れて投稿しちゃいましたが、胸から足が生えてる人を初めて見ました。なんというスタイル。なんという脚線美。なんというデコルテの美しさ。女性らしいボリュームとパワフルなシルエット、バランスが女神。言葉を失ってハアハアとオペラかまえちゃいました……

舞台に出てきただけでもう華があるというか、彼女にしか目がいかない。素朴な格好をしていても洗練されていて「スターさん」でした。ちゃめっけのある表情、怒ったり恋したり、表情が豊かで目が離せません。

ダンスシーンは圧巻で、ものすごく激しいシーンもあったのですが完成度高く、迫力と、美しさでした。どの瞬間を切り取ってもポスターに出来そう。難しいリフトもスッといってて、エレガントで素敵だったな。長い脚が惜しげもなくばんばんびゅんびゅんあがって、拝みたくなりましたね。

ちえさん(柚希さん)は特にダンスの方と聞いていたので期待していましたが、期待以上でした。パワフルでショースターそのもの。もう一度観たいです。

外国人の役って、間違うと友近のやるコントみたいになっちゃいがちなところが怖いのですが、とってもうまい! 話す抑揚、強弱、スマートで素敵でした。それでいてしっかり外国人。スーパースター。一度も「ん?」ってならなかった。お歌も、特に高音の伸びが美しくて、I will always love youは圧巻でした。すごい演出も相まって、観音様を拝む心境に近かった。

衣装も素晴らしかった。露出が高い衣装ばかりでした。それを堂々と着こなすちえさんがかっこいい。貧相な体格の人が着ると絶対負けそうだなと思うところ、どれも説得力があってオーラがあって、自信たっぷりで、レイチェル・マロンそのものでした。もうこのお衣装姿を見れただけで満足しちゃうくらい。

前作のニュースですが、お衣装が詳しく分かるニュースサイトはこちら


舞台演出(怖くて涙がちびった)

今回二階席後部席で観劇。バンドの皆さんが舞台の上段、二階部分にあって、音がダイレクトに伝わるようなかんじでとても良かったです! 音楽を聴いているだけで、チケット代相当のような…(またチケット代の事を言っている)

舞台の装置、大道具はシンプルで無駄がなく、おしゃれでした。個人的に左右サイドの階段の装置が良かったです。カラオケ店からフランクが車を出しに出るところ、ストーカーさんが登場するところ、などなど。とても効果的でした。

また、フランクの田舎の家のセットもとても印象的でした。盆回りで家の外と中が扉を介してレイアウトされていて、シンプルなのだけど演出の無駄もなくてよかった。

特筆すべきは、ショーの途中でストーカーさんにレイチェルが襲われるシーン。華やかなショーの途中に、断片的に暗闇の中からストーカーさんが映し出され、残像のように恐怖がじわじわっと来る。恐怖で涙がちびりました。舞台を見ていて恐怖で涙がちびったのは、初演エリザベートの結婚式のシーン以来かも。

脚本、演出は「とても良かった」とは正直言い難いです。なぜかと言うと、私は宝塚ばっかり見ていて、こういったミュージカルを見慣れていないのでスタンダードが分からない。特殊なのかとても良いのか、とても悪いのか、分からないのです。

個人的にはストレスなく見れてよかった半面、外国人の方の演出・脚本ということもあって、さらっと行き過ぎているかな、と思うシーンもありました。

大谷亮平さん(フランク・ファーマー役)

無口で武骨で誠実、でも過去にトラウマがあって…といった役どころを、立っているだけで十分説得力があるかんじで表現されていて、とても素敵でした。多分舞台を見た人のうち89%くらいの人が実際に声に出したと思うのですが、「いいな、私も守ってもらいたい」というかんじ。

話が飛躍しますが、珠城りょうちゃんがこの役をやったら素敵だろうなと思ったりしました。

大谷さんの声は独特で、くぐもったような、あまり抑揚のないかんじです。最初聞き取りづらいような気もして、「あれ、舞台むきではないのかも」と思ったりしていたのですが、フランク役にだんだんシンクロしてきて、素晴らしい武器になっていたように思います。パンフレットを読むと役作りの説得力がありました。

体格がごつい方をアサインすることもできただろうけれど、この都会的なスマートさ、落ち着き、大人なかんじが、気の強いスーパースターのレイチェルと何とも言えないバランスを生み出していて、二人で並んでいると本当にお似合いでした。

びっくりしたのが、二幕あいてすぐのシーン。なんと本当に上半身裸で、紫のベッドに横たわっていらっしゃってお隣にちえさんがいるという何とも驚きの演出でした。

ダンサーの方の上半身裸体は驚かないのですが、「えっ!肌色?!」とびっくりしてオペラを構えてしまいました…心底驚いた。しかも紫のツルツルサテンの寝具の中の肌色。私の両隣りはスタオベしない派の大人しめな女性だったのですが、光の速さでオペラをスチャッとセットしていて、笑えました。

大谷さんが、他の2人のレイチェルとどう演技するのかも見てみたいと思いました。

AKANE LIVさん(ニッキー・マロン役)

ちえさんと同期、元宝塚の男役の方です。私はこの時期宝塚を見ていなかったので、彼女のことも今回初めて知りました。

舞台の立ち姿がとてもきれいで、初登場から目を引きました。立っているだけですっとしていて、知的でエレガント、特別なかんじでした。比較的カジュアルな衣装が多かったのですがスタイルがめちゃくちゃよくて洗練されているので「スーパースターのマネジメントもする、実姉」感がうまく出ていました。ただのおばさんにならないところがすごい。

とても難しい役どころだと思うのですが、気高さとプライドと寂しさと、微妙な感情をとてもうまく表現されていたと思います。

映画のストーリーを半分忘れてしまっていたので、二幕の展開では驚いて声をあげるところでしたが、過剰なかんじにもならず、本当にスマートな演技をされる方という印象でした。お歌も抜群に良かった。あのグリーンのドレス、憧れます。

ダンサーさんがすさまじかった……

どうしても書きたかったのがこれ。

今回のダンサーさんたち、半端なくすごいです。もう、サーカスを見に来たのかな、というかんじ。口があいてしまいました。回りながら空中を飛ぶやつ(語彙力)とか、ほんとすごかったな…惜しみない拍手が送られていました。

語彙力が本当にない。申し訳ない。

新妻さん、May J.さん回も見てみたいと思いつつ、スケジュール的に難しそう。見てみた方は是非感想をウェブにあげていただきたいです!

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