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本当に世界を変えるイノベーションは、世界を変える前には説明できない

今日は8月第1日曜日。 #モリゼミ オープンレクチャーでした。
今回のターゲットは『オランダ🇳🇱』
オランダから学ぶ気候変動との付き合い方〜私たちは地球のために何ができるのか〜 というテーマで、様々な事例を伺いました。

オランダの様々な取り組み

国土の30%が海面より低く、国土の20%は干拓によって手に入れてきたオランダは、水とどう向き合うのかがとても重要なトピックだったそうです。
行政の中でも、水管理委員会の長であるdijkgraafが強力な権限を持つほど。
そんなオランダ独自の政治・経済システムは「ポルダーモデル」と呼ばれます。

具体的にどんな事例が生まれているかというと、こんな感じ。

1)運河の下を通る道路(Aquaduct)
2)メガバンクが建てたサーキュラーエコノミー施設(CIRCL)
3)婦人会も訪れるみんなのファブラボ(Waag Society)
4)土に還るエコな電気自動車(Noah)
5)エネルギーを使わずに光る道路(Smart Highway)
6)再生可能な繊維から服をつくる(Reblend)
7)啓蒙×Artなあえて水没する橋(Bridge)
8)水に浮かぶ牧場(Floating Farm Holding BV)

そして、サーキュラーエコノミーの実験区(De Ceuvel)。
(※トップ画像はDe Ceuvelにある、CAFEのinstagramからお借りしてます。https://www.instagram.com/cafe_de_ceuvel )

動き出さなきゃ始まらない

世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作ったと、未だに言われているほど、オランダ人は自分たちの手で未来を創ってきていることを、今日のレクチャーから受け取りました。

そして、とにかく強く感じたのは、オランダは動き出しているぞ!ということです。

先に挙げた素晴らしいオランダの取組みは、今現在すでに何かしらの成果を出して、世界を変えているかというと、まだそうではないように思います。
でも、日本と大きく違うことは、ありたい未来を描いて、動き出しているということです。

ここで、タイトルに繋がってくるのですが、

本当に世界を変えるイノベーションは、世界を変える前には説明できない

これは、麻生要一さんが先日のローカルキャリアサミットでの講演でおっしゃられていたひとこと。
iPhoneは世界を変えた。イノベーションを起こした。
でも、iPhoneのような構想(なめらかに動くインターフェイスのタッチパネル式の携帯電話)は、当時みんなが思い描いていて、でも、多くが賛同を得られず、実現できたのがappleだけだった。
そんなお話しから、誰もわからない、うまく説明できないことを、それでも信じて試行錯誤し続けることで、世界が変えられたと学びました。

そこでさらに思い出すのが、瀧本哲史さんの『2020年6月30日にまたここで会おう』です。

この檄の中で、瀧本さんはこのように言っています。

・新しくて正しい理論は、いかにそれが正しくても、古くて間違った理論を一瞬で駆逐するようなことはなくてですね、50年とか100年とか、すごい長い時間をかけて、結果論としてしかパラダイムはシフトしないんですよ。
・いろんな人がちょこっとずつ、あちこちで変化を起こすと、いつの間にか世の中が大きく変わる
・アイデアがどうかなんてことより、「あなただからその事業をやる意味がある」ということが、やはり極めて重要

このお二人のメッセージと合わせて、今日のオランダから学んだことが、
動き出さなきゃ始まらない。未来はやってくるものではなく、創るもの。
ということです。(私が書くとありきたりなものに見えてしまう…)

オランダの取組みはまさにそうで、自分たちの手で切り拓いてきた国土を持つオランダだからこそ、課題解決のためには階層を越える必要があるという身体性を持つオランダだからこそ、取り組むべきことであるというある種の使命感のようなものもあったりするのかなと感じました。
(どんどん膨らむ妄想…果たして正しいのか…)

私たちが学べること、実践できること

森先生から最後に出された問い。

この地球を次世代に受け継ぐために、
私たちはオランダから何が学べるのだろう

日本でもオランダと同じように考え、動き出している人はいるはずです。
でも、オランダのように行政が自らそれに取り組んでいるかというとそうではない。

それは、マイノリティからオルタナティブな未来を描いてきた歴史背景や、資本主義的な生産性ではなく哲学教育がベースになった教育のあり方など、様々な要素があるかと思います。そこから真似ていくのは難しい。

でも、秘密結社的に、目的と意思を持って動き出すことはできるはず。仲間を見つけて、長い時間をかけて少しずつ確実に。

そして、日本だからこそ、この地域だからこそ、私だからこそできるものってなんだろう。

それを模索しながら、とにかく少しずつでも動き出す。その姿勢こそが、オランダから学ぶべきことなのかもしれないなと。

今日も、たくさん背中を押されている感じがしました。
(モリゼミはいつも背中を押されるなあ。動き出さなきゃ)

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!