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中井貴一さんのサラメシ

NHKの中井貴一さんのサラメシという番組がとても好き
とっても。

それぞれの方々の人生が見え隠れしながら、人の強さを感じる。
そこに特別がなく、日常の中で、食が人の心を支えていることが分かる。

嫌な気持ちをされる方がいらっしゃるかもしれないが、
昨今のインスタ映えとされる食の画像があまり好きではない。

不快に感じられたら、昭和生まれの頑固頭だと思ってくださったら
ありがたい。

最近の食画像は、美しすぎて、まるでアート。
作り手も食べる側も
愛、情熱が伝わりずらい。

つまり、「美味しそう!!!食べたい!」と
私は、心が揺すぶられないのだ。

アプリケーションの優秀さもあるし、
素人はだしでも、お手軽にプロっぽくなる。
誰が写してもあまり大差なく感じるのが不思議だ。
楽しんでいらっしゃることに、毒を吐くのではない表現をするならば
現代人は、アーティストで、心も外見も美意識が高いのかもしれない。

上から写して、陰影を入れ、加工すると、
額縁に入れて、部屋に飾っても良いような一皿が”おしゃれ”に鎮座している。

私のサラメシは、余り物で作る賄いが多いが、
別のお仕事の時は、家にある有り物を詰めただけのサラメシ。
どう撮っても、お洒落とは程遠いお弁当だが、
母が作ってくれたお弁当と似ているな〜っと、
写真を見ていて思う。

ご飯。
卵焼き。
ひじきの煮物。
魚の塩焼きや味噌漬け焼き。
香の物。

何気ない母の味が、私にとってのご馳走だ。

誰かの思い出。 それが料理。

店を始めた頃は、表現者でありたいと思っていたのに、
お客様の声を聞きながら、料理人という空間に身を置くと、
自分の思い出ではなく、誰かの思い出の料理人でありたいな
もしくは
誰かが、思い出してくれる料理人でありたいと願う。

なんだか、、、こっぱずかしい事を書いてるなぁ。


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