流転するあるいは揮発する感情

映画「耳をすませば」を視聴して感じたことをまとめます。
申し訳ないのですが最初の30分程度が欠けているので一部語弊があるかもしれません。
耳をすませばを見た人なら流れは大体わかるはずです。

僻み。避けられるべきもの、思ってはいけないこと。そんな感じのイメージがあった。私自身が強欲だとか欲深いとかそんな感じの悪い発想。

腐っても創作をしていると思っている手前こんな事を言うのはあれだが、半分くらいが「運」にかかっていると感じた。創作の一角である絵を主軸に述べる。別に絵がうまいことを端的に「運」というわけではないし、そうやって卑下しているわけでもない。絵がうまいことは才能ではないし努力<だけ>ででもなく、やはり「運」にかかっていると感じる。

具体的に何の「運」だということになるが、私が現時点で気づいている要素は「場」と「人」、いわゆる「環境」だ。

人は生まれる場所を選べないしどういう家庭に生まれるか、どういう人に出会うか、全て運任せである。

「耳をすませば」の主人公は東京の郊外の団地住まい、今の団地の性格と違って当時としては中堅の会社員が住まう場所であったらしい。主人公は詩を書くことが好きらしい。

生まれる場所は選べない。この主人公は中堅の団地住まいという運命をたどった。

いろいろあって見つけた地球屋というおじいさんの経営するお店?で猫の人形を見つけ、そこで男の子に出会う。その男の子は病院院長の子ども、ヴァイオリンが弾け学校でも一目置かれた存在。主人公はヴァイオリンを弾いてほしいと男の子に懇願し、弾いてもらう。男の子は歌ってほしいと主人公にお願いし、カントリー・ロードを二人で演奏する。そこにおじいさんが帰宅し、おじいさんとその仲間二人合わせて、五人で空間を作り出す。

すでにこの時点で「場」だの「人」だのの要素は十分出揃っているが、重要なのはこの先、

演奏が終わった主人公は男の子に家に送り届けてもらう、主人公が詩を描いていたことを知っており、そのことについて主人公に別れ際に言及する。「雫(主人公)は詩向いてると思う」と。

下積みはあった、今までも創作してきた、主人公はこのシーンをもって意識が昇華したように見えた。

何が言いたいかというとこのシーンで主人公はチャンスを掴んでいる。それは偶然で、運であると捉えた。

このシーン以降主人公が詩を書くシーンが増加していく。一方男の子に対しては一般解釈的な恋愛感情とは似たような似てないような、憧れ、同じ軌道に乗りたいという願望など様々なものが垣間見えると感じた。
負けたくないけどどんどん先に行ってしまう。その一心で物語を書く、書く、書く。ただし成績は下がる。主人公は中学3年生で受験生。

このあたりから詩の中で展開されるファンタジックな世界観が描写される。まだうまく噛み砕けていないので今後再履修したい。

主人公はろくに寝ずに物語を書き続けた。そのため授業中に指されるシーンで寝てしまっていて答えられていない。

あるとき主人公に一ヶ月ほどいなくなると告げる男の子。親にヴァイオリンでやっていけるかを試すためらしい。
そこから数日後寒空の下、男の子のいない地球屋のおじいさんを訪れ、書いた物語を読んでもらう。
読んでもらっている間、主人公はとても寒いはずの男の子の部屋を訪れる。

すべてを読み終わったおじいさんは街を望むベランダで佇む主人公に話しかける。
おじいさんは感想を述べる。
主人公は半ば前のめりにおじいさんに対して「全然だめだったでしょう??」と問う、
おじいさんは作品を「原石」に例え、「まだ掘り出したばかりの原石だね。もっともっと磨いていくことでいいものになる」評した。
それを聞いた主人公は泣く。
男の子に遅れを取らないように詰め込んで詰め込んで書き綴った「物語」をおじいさんに共有、自分の作品が他人に認められた、評された経験によって感情が決壊したのかなと思った。

このおじいさん、出会える可能性はいかほどあるだろうか、
耳をすませばは物語だし、このおじいさんがいないと話が進まないのは十分承知しているが、これも「運」の1つであると思う。

散々「運」と言ってきたが、とっつきというか興味が創作の方面に向いていなかったら様々な「チャンス」を見失っていると思う。方面を絞って見極めていたことが「チャンス」を掴む決定打になっているので、努力なしのポットでの運ではないと言い切れる。
このあと主人公は物語を書き綴り、どこまでかはわからないがある程度の成功はするのではないかと思う。

僻み、僻み。確かにそう私は最初に書いた。

感情が流転してしまったようで、「僻み」という気持ちは過ぎ去っている。

住む場所は選べない、会う人だって選べない。そこは運なんだろうなとやっぱり思った。
機会が提供されるか否かで創作の成功失敗は左右される。

感情は流転を繰り返して揮発してしまったようです。

映画を見る際は録音をしたほうが良いのかもしれない。

これが上手く書けるようだったらすでに物書きになってるのでは?
と思い、つたない文章のまま、公開します。
これを共有して少しでも共感してくれる方がいれば幸いです。

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