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【3日目の夜】綺麗な目を見た日
毎日こつこつ日記を残すと言ったのにさっそくさぼってしまった。異国で過ごす色濃い一日が冷めないうちに何か書かなきゃと思っていたのだけど、思えば思うほどなんだか文章がすすまなかった。
一日経って少し冷めたので、今日はゆっくり記録しよう。素敵なことがあったんだ!
朝は食堂でお肉やらお米をしっかり食べて、珈琲をたっぷり飲んではじまった。今日はお祭りに参加する予定なので、体力をつけなくちゃ。
ジプニーという鰐みたいな厳ついバスに激しく揺られて広場へ向かう。朝から晩までみんなで歌ったり踊ったり、たくさんのお喋りをしたりして過ごした。
皆んな本当によく笑って、優しくて、瞳がきらきらしていたんだけど、どうやらその背後では苦しいことがたくさんあるようだった。
お金がなくて小さな部屋にぎゅうぎゅう詰で暮らす子。争いがあっていつさようならが来るか分からない子。お酒や薬からどうにもこうにも逃げられない子。なんだか色んな背景の子がいて驚いた。そして、一番不思議なのは、みんな軒並み目が輝いていて優しいのだ。
はて、なんでそんなに生き生きしてるのかな。その状況私ならもっと暗くなっちゃうと思うけど。答えは分からないけれど、悲しみを背負った人が前を向いて笑う姿って凄まじい迫力だ。深い湖に映る星みたいで、初めて見た。
たくさん遊んで、お喋りして、ご飯を食べて、部屋に戻って布団に潜る。どでかい蜘蛛が壁を伝って、ギョギョとか鳴く変な虫の音が永遠と鳴り響く。明日はもう帰る日だ。
またあの瞳がみられるかな。こんな風に思うのはいいのかよくないのか分からないけど、綺麗だったなあ。
瞼がひっくり返りそうなほど眠たい。
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