【2日目の夜中】知らない虫の音を聴きながら。

小さな赤いキャンディみたいな柄の可愛い飛行機に詰められて、空を飛ぶこと4時間半。

あっという間に常夏のフィリピンにやってきました。外に出るとむんわり暑くて排気ガスと食べ物の匂いが混ざり合ってる。独特な空気が心地いい。

ファストフード店のテラス椅子に生えるように座るピンクワンピのおばちゃん。ぎゅうぎゅうの満員ジプニーに無理やり足を掛けてよじ登るお兄ちゃん。崩れ落ちそうなトタン屋根の小屋に住む小さな男の子。

誰もが皆んな、なんかちょっとうんざりと気だるげな感じの表情をしている。暑さに飽きたりするんだろうか。

マニラからまたバンに揺られて2時間半。森の奥の田舎へ向かう。夜になっても人気は減らず、心なしか皆んな楽しそうに見える。やっぱり昼間は暑さにうんざりしてたんだろうか。

やっと今日から過ごす場所に着いて、夕飯を食べて布団へ潜る。窓の外から聞いたことのない虫の声が聴こえる。

楽しみにしていた、異国での短い毎日。できるだけ穏やかに毎瞬間を大切に過ごしたい。前来た時は目新しさに全体力を使い果たしていたけれど、今回はどうでしょうか。とにかく明日はいつもみたいなぬるい珈琲を飲んでから始めよう。