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【夏休みにオススメしたいアニメ】 #3 季節を感じる部門

夏という季節は、爽快感があるようで不思議な寂しさがある、独特な季節だと思っています。そんな夏の季節描写が美しい作品を2作品ご紹介します。

《1. あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。》

あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。 dアニメ画像

超平和バスターズ(監督/長井龍雪・脚本/岡田麿里・キャラクターデザイン/田中将賀 の3人によるユニット)原作で、A-1Pictures制作で2011年にテレビアニメ放送され、2013年劇場版が放送されました。2021年に10周年ボックスが発売されるなど、長く人気を誇っている作品です。


あらすじ
引きこもり気味の学生・じんたん(宿海仁太)の前に、夏のある日、幼馴染で過去に亡くなった少女・めんま(本間芽衣子)が現れる。自分の願いを叶えてほしいとじんたんにめんまは頼むが、じんたんも含め、幼い頃よく遊んでいたメンバー・超平和バスターズの面々は関係性がかなり変わっていた。
めんまの出現をきっかけに、止まってた超平和バスターズの時が動き出す。



正しく「一夏の奇跡」とでも言うべきほどに夏だけで話が完結する作品で、日本の「泣けるアニメ」の代名詞です。「泣ける」と言われてから本を読んだりアニメを見たりすると冷めきって泣けない私は、冷めた目線で見始めたのですが、それでも最終回で号泣しました。
途中まではそこまで面白いと思えず、亡くなってしまった友人との接し方に戸惑いながらも、最後は超平和バスターズで成仏させるためにみんなで協力して、めんまは幸せに成仏するという流れだと思いましたし、実際そういうストーリーの運びをしていました。
しかし、めんまを成仏させることができなかった瞬間に、超平和バスターズの面々は各々が逃げ続けようとしていた罪悪感の話や、めんまを自分に不都合な存在として成仏させようとしてたエゴを吐露し始めるのですが、そのシーンで初めて彼らを等身大の高校生に感じました。彼ら自身の中の罪を全部受け止めてからまた動き出し、その上での最終回が泣けます。そして劇場版では、超平和バスターズ一人一人の視点で、テレビアニメ本編のストーリー、そしてその後の話が描かれるため、合わせてみるとさらに作品への理解が深まって面白いです。

「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。劇場版」キービジュアル


《2. 夏目友人帳》

劇場版夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者 キービジュアル

緑川ゆき先生の漫画が原作で、2008年からブレインズ・ベースが制作したテレビアニメが放送されました。2023年にテレビアニメ放送15周年を迎え、アニメ第七期の制作が決定しています。


あらすじ
幼い頃から妖(あやかし)が見えた高校生・夏目貴志(以下・夏目)は、祖母・夏目レイコの遺産で妖怪たちの名前が書いてある「友人帳」を受け継ぎ、自称用心棒の妖・ニャンコ先生と共に友人帳に縛られた妖たちの名前を返す日々を送る。妖と、そこに関わる人との触れ合いを通して、自分の進むべき道を模索し始めた夏目が、想いを共有できる友人たちにも助けられながら、大切な日々を守るすべを見つけていこうとする物語。



暖かくて美しい。この作品で描かれる世界はとにかくこの一言に尽きると思います。
出会う妖たちの繊細な心情、(妖を拒絶していたのに)寄り添う努力をする夏目、妖を通して祖母のレイコの孤独を理解しようとする夏目、その夏目の孤独を受け入れ信用して待つ藤原夫妻や友人たち、夏目のそばを選び人間である夏目に情を抱く妖たち・・・その全てが暖かく、美しいのです。

その暖かさの中で、夏目は自分の大切な日常を守るために奮闘します。
「大切な日常を守る」というのは、初期の頃の夏目は「優しい人たちと過ごす時間を大切にしたい。そのために大切な人に迷惑と心配をかけたくないから、周囲には自分が妖が見えることは隠す。ワガママは言わないし、人に相談はしない」と確実に捉えていたと思います。
しかし、さまざまな出会いを通して、守る≠不変であることに気づき、不器用ながらに周囲を頼り始める夏目の姿に胸を打たれます。そして、そんな夏目に頼ってもらおうとしつつ話してくれるまで受け入れて待つ、わかるところまで理解して助ける、友人として守ろうとするなど、夏目の友人たちの優しさに触れられます。
妖たちの儚さにも重なる、儚い人間関係を大切に守っていく美しさのある作品です。

テレビアニメ版はその美しさを引き立たせる季節描写が素晴らしく、夏を描写しているのは一期と三期です。この夏をきっかけに見始めてみるのはいかがでしょうか。現在(2023年夏時点)で第一期の再放送もしているので、チェックしてみてください!

ニャンコ先生の可愛さもこの作品の魅力の一つです!忘れるなかれ!


今回は季節を感じるアニメを紹介しました!
次のおすすめアニメの記事では、4 何も考えなくていい部門 の2作品を紹介します。

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