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「身バレ事件」のその後について

12/18に書いた、身バレ電話事件の一部始終。

その後、意を決してNくんへ電話をした。

何も話さずやり過ごすのも、このままフェードアウトするのも、
絶対に違う。そう感じて。

通話ボタンを押すのは怖かったが、
彼は、私を笑わせるためにいつもする、なんともおどけた声で
「もしも~し」
と電話をとってくれた。

彼との電話の記録。


会社員と平行して、副業として風俗嬢をしていること。

これをひとしきり打ち明けた後、彼が言ったこと。

「ユリのこと、なんとも思っていなけれ耐えられないけど。
 好きな人だから、受け入れるよ。」

「ただ、嫌々やってるの?好きでやってるの?」

「やらなくて済むならやらせたくない。理由だけ、知りたい」

そう言われて、なんで私がこの仕事をはじめたのか、
改めて考えさせられた。

これまでに何度かこの業界を離れても、
結果、戻ってきてしまう理由は、主に二つ。

ひとつは、自分には社会や世間を人並みに生きぬく力が足りないのだ
という自覚により、万能なお守りのように、貯金が欲しくなるから。

もう一つは、昼間の世界で自己の存在が希薄になった時、
少なからず、数万円を払って私に会いに来てくれて、
熱く自分を求めてくれる人がいる、
という安心感を欲してしまうからだ。

これを私がうまく伝えられたかはわからないけれど。

彼は、一呼吸を置いたあと、

「自分を求めてくれる人、支えが必要なのであれば、
 現に、ユリが日中何をしているか気になってて
 毎晩ユリの声聴きたなる俺が、ここにいる。」

「俺が、そこは満たして、安心させてあげるから」

そんな風に、言ってくれた。

改めて、彼の優しさを感じた瞬間。
自分でもびっくりするくらい、嗚咽混じりの涙が溢れた。

「俺は、ユリが決めたことなら辞めろとも言わないし、
 続けるからと言って関係を終わらせたりもしない。」

「ただ俺がユリを大事に思う気持ちだけ、わかっていてほしい」

どこまでも、私を尊重してくれるのだ。

突然に芽生えた「会いたい」という感覚。


一連のトラブルを経てなお、
結局彼とは、これまで通り毎晩他愛もない話をしている。

ただひとつ、私の気持ちに変化があった。

今までは、疑似恋愛と心地よいお喋りを楽しんでいた、中途半端な間柄。

彼からはたびたび「会いたい」と言われていたが、

会ってしまえば、リアルの私が、また虚勢を張ってしまい
弱みや脆さを素直に出せる、心地よい関係が終わってしまう。

関係は平行線にはきっとならず、
先に進むか、終わりを迎えるかの二択になってしまう。

そう思って、会ってみたい気持ちを抑え、決定的な返事を出せずにいた。

それが。

思いがけず、虚勢も何も、とびきりの弱みを見せてしまった今、
急に彼に、猛烈に会いたくなった。


もう失うものはない。そう思った、のかな。

「なんだか、会いたい。会って一緒に、お酒が飲みたい」

そう言った私に、

「やっとそう言ってくれた。」

「近々、会いにいくよ。仕事、都合つける。」

と笑ってくれた彼。

どうなる。自分の両面を知る人との出会い。


これまでぼんやりと求めていた、
人生で初めて、私の昼と夜の顔をどちらも知り、受け入れてくれる人。

そんな人が思いがけず現れ、現実に会うことになった。
というか、なってしまった。

ずっと願っていたようで、いざ予定されると、とても怖いこと。

その時、自分はどんな心境になるだろうか。

時が来たら、ここに感情を記録していきたい。
きっと、自分の中でまたとない出来事になるだろうから。

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