エデン条約編について考える

注意 この記事にはブルーアーカイブメインストーリーVol.3エデン条約編に関する重大なネタバレが含まれます








はじめに エデン条約編3章までの前提を考える

エデン条約編は、メインストーリーVol.1 「アビドス対策委員会編」で登場した「阿慈谷ヒフミ」達補習授業部を主軸に進んでいく物語だ。
彼女たちは、三回の特別学力試験のうち、1回でも合格しなければ退学という運命を背負った(背負ってしまった)生徒達である。
しかし、その運命を、試練を友情と努力で超えていくというのがエデン条約編の主軸として置かれているように自分は思う。

友情・努力・勝利

エデン条約編にはこの単語が似合うと自分は思っていた。
ストーリー内でも、阿慈谷ヒフミは自身の好きな物語についてこのように話している

私はそういうのはちょっと辛くって……やっぱりみんなで幸せになれるハッピーエンドが好きなんです。

阿慈谷ヒフミ エデン条約編3章5話  エデン条約調印式(1)より

エデン条約編3章の結末は彼女たちにとって紛れもないハッピーエンドだっただろう

しかしながら、我々プレイヤー、そしてその分身たる「先生」にとって、これをハッピーエンドと呼べるものだっただろうか。
ハッピーエンドというには、幸せになれない者が多すぎる。
アリウススクワッドのメンバー、聖園ミカ、ティーパーティーのメンバー。
3章まででは、ハッピーエンドという「救い」からこぼれてしまった人間が多すぎるように思うのだ。

4章「忘れられた神々のためのキリエ」について考える

そんな「救われなかった者達」の物語がエデン条約編4章「忘れられた神々のためのキリエ」であるように思う。
この章は決して「救うための物語」ではなく、「前に進む物語」であると自分は考える。

アリウススクワッドのメンバー(リーダーであるサオリを除き)は、苦しい逃亡生活を強いられることになるし、サオリは自分のやりたいこと、趣味、将来、これまでは考えられなかったものを受け入れる為に一人別行動をとることになる。
クーデターを起こした聖園ミカは聴聞会に掛けられる。

そこに至るまでに、ミカは罪の意識に苛まれ、他者からは「魔女」と蔑まる。
そして、「自分はこんなにもたくさんのモノを失ったのに、あなたは何も失わずに生きていられるなんてズルい」としてサオリへの復讐を決意する。

一方のサオリはスクワッドのメンバー「アツコ」を取り戻したい一心で、先生に助力を請う。

サオリVSミカという構図の中で、二人は、互いに自分のことを同じ存在であることを認識する。
二人とも過ちを犯し、憎悪に囚われ続け、そして、幸せになりたかったのだ

二人、そして先生は、アリウスを歪め続けた元凶であるベアトリーチェを撃破し、先述した結論へと収束していく。

未来には無限の可能性があるからね
先生はそのような言葉を残した。
元凶を倒したところでアリウススクワッドのメンバー、ミカ。彼女たちの罪は消えて無くなるモノではないし、許される訳ではない。


それでも、彼女たちは前に進むことを選んだのである


あとがき
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