見出し画像

BROCKHAMPTONはいいぞ!vol.4 新作リリース前に書いておきたいこと

こんばんは、ジャパニーズBROCKHAMPTONヤクザことナカジです。
遂にBROCKHAMPTONの新作「iridescence」のリリース日が決まりました。
2018年9月21日です、つまり超もうすぐです。楽しみですね!

私もTシャツ付きバンドルを買いました。
メンバーの顔写真入りのTシャツなんて買ったの初めてです。
でもなんかBROCKHAMPTONに関してはこれがクールと思えるから不思議。
ちなみにデジタル音源とTシャツで15ドル、アメリカから日本への送料が15ドルで合計30ドルです。商品が送料と同額!


というわけで今回は、現在収集できている最新情報を整理して、主に新作の内容予想をしたいと思います。

●「iridescence」の概要
アルバムのジャケットやトラックリストも公開されました。
今回の「iridescence」に関してはこのサーモカメラを通したような画像でイメージが統一されています。
ジャケ↓

トラックリスト↑


……え?
「1999 WILDFIRE」「1998 TRUMAN」「1997 DIANA」の3曲がないやんけ!
そうです、なんとあの3曲は「iridescence」から外れました。
おいいいいいあの3曲がキッカケでBHにハマった俺の気持ちはどうなるんじゃいいいいい!?

と、思ったけれども冷静で賢いファンというのはどのジャンルにもいるものです。
トラックリストの下の方を拡大するとアルバムのクレジットになっているんですが、ここをよく見ると「FROM THE TRILOGY "THE BEST YEARS OF OUR LIVES"」と書いてある、つまり「SATURATION」が1〜3まで存在するように、「iridescence」もシリーズの中の1枚のアルバムだろう、と指摘した海外ファンが現われたのです。なーるほどキミ鋭いネ!

アルバム・タイトルの「iridescence」はカタカナ読みするなら「イリデセンス」です。意味は「玉虫色」や「虹色」。
オープンリー・ゲイであるKevinがここにゲイ・プライドの象徴であるレインボーカラーを重ねているのかどうかは不明ですが、もしかしたらそういう意味も込めてるのかもしれません。
今後もしかしたらどっかのインタビューで語られるかもね。

●「iridescence」誕生まで
「iridescence」収録曲の大半は8月下旬、ロンドンのアビー・ロード・スタジオでレコーディングされました。
ビートルズの大名盤「アビー・ロード」が作られただけじゃなく、いろんなアーティストが使うことで有名なあそこです。
彼らはLeeds & Reading Festivalに出演して感じた勢いのままスタジオに入り、10日間という制限時間の中で制作したそうです。
ちなみに14曲目の「TONYA」は今年5月にテレビでserpentwithfeetらと一緒にパフォーマンスした曲なので、元からあった曲を再録音したのか、それともこの曲はロンドンに行く前に録ってあったものなのかどうかはわかりません。
いずれにせよロンドンに行って感じたエナジーを大急ぎでレコーディングして、勢いで出すことにした作品が「iridescence」だということです。

●アルバムはどんな内容になる?
「PUPPY」と「The Best Years Of Our Lives」、昨年末〜今年初夏くらいまで作っていたはずの2枚のアルバムをすっ飛ばしリリースされる「iridescence」ですが、リーダーのKevinのTwitterから読み取った情報を整理すると次のような感じらしいです。

「iridescenceと誰かのアルバムを比べるなら→Lil WayneのThe Carter Ⅱ」
「iridescenceの1曲目(New Orleans)はLil WayneのFiremanみたいな感じ」
「アルバム名をつけたのはJaden(Kevinの彼氏)」
「Saturationとは全然違うアルバムになってるからあのアルバムが好きなやつは期待するな」
「iridescenceの最大のインスピレーション源はビートルズのサージェント・ペパーズ」
「今回はJobaとBearfaceが特にヤバい」

この最後の「今回はJobaとBearface(の活躍)が特にヤバい」は、個人的に予想していたことなのでそうだろうなーという感じがするし、Kevinもきちんとそれを肌で感じているあたりやはり彼はBHのリーダーなんだなと思います。

「1999 WILDFIRE」で彼らにハマり、「SATURATION」シリーズと「All American Trash」とメンバーのソロを遡って感じたことは、「SATURATION Ⅲ」まではパフォーマンス・メンバーの力量にかなりの差があったということです。
これは完全に私の独断と偏見ですが、「SATURATION Ⅲ」までのパフォーマンス・メンバーを分けて印象を書き起こすならこんな感じ。

【一軍】
Dom→ソロ作のクオリティも高い。ラップも上手いしアクションやダンスもすごくステージ映えする
Ameer→メンバー1声が低くてシグネチャー・ボイスを持っている。背も高くてスタイルがいいのでステージ映えするし、Kevinとのコンビネーション相性が一番いい

【二軍】
Matt→ソロも作ってるしラップもそこそこ上手いけどDomとAmeerの陰に隠れがち
Joba→ラップからファルセット・コーラスまでできる割にあんまり曲の中で見せ場を作れてない、もったいない
Merlyn→スピード感あるラップをするタイプではない&結構独特の発声をするので曲によっては個性を活かしにくい

【別格】
Kevin→ラップの上手さはTOP3に入らないけどコーラス・メロディが良いしやっぱりリーダーとしてのカリスマ性がある。言うなれば監督。
Bearface→ラップはしないけど前に出てきた時は声の良さで一気に観客を引き込める、けどいかんせん出番が少ない

ここからAmeerが抜けてグループ内のパワーバランスがどうなるのかってことがファンの懸念事項だったと思うんですが、それにバシッと答えを出してきたのが「1999 WILDFIRE」「1998 TRUMAN」「1997 DIANA」の3曲でした。

まず「1999 WILDFIRE」と「1998 TRUMAN」でJobaがめっちゃ良い仕事してる。特に「1998 TRUMAN」のフロウ、これは彼のBHのラップの中でベストと言っていいものだと思います。

それから「1999 WILDFIRE」の大サビに行く前のBearfaceのコーラス。彼の個性が完全にBHのラップと融合してクライマックスを演出した素晴らしい構成です。
これまで彼は一人でギターを持って1曲歌ったり、ステージの後ろに座ってちょっと歌をつけたりしてたんですが、ここまでパーフェクトな形でラップの合間に歌を合わせてきたのは初めてだなと思いました。

Merlynは「1998 TRUMAN」の出だしを担当したのが最高でしたね。「Give me no drugs〜」のパンチラインは彼のあの独特の声で発せられることによって特別強いものになったと思うし、彼の個性の活かしどころがあれで見えた気がする。

そしてMattもAmeerの穴を埋めるために存在感をバリバリ出してきました。「1997 DIANA」は2分15秒しかない短い曲でラップしてるのはMatt、Kevin、Domの3人だけ。一軍のDom、監督のKevinと並んで劣らないパワーを見せつけています。

つまり二軍メンバーが一軍に昇格し、メンバー全員のパワーバランスがかなり均等になってなおかつ底上げされた状態が2018年夏のBROCKHAMPTONだということです。その状態で作ったアルバムが良いものにならないはずはないというのが私の予測であり、期待でもあります。


アルバムのリリースは今週金曜日。
現在彼らはアルバムを全米初登場1位にするためのキャンペーンを展開中で、先日LAで開催されたpop-up storeやクラブイベントでメンバーがファンに語ったところによると、「とにかくSNSでアルバムを拡散しろ」「寝てる間も音楽を聴いてない間もミュートでアルバムをかけっぱなしにして再生回数を稼げ」だそうです。
本当に彼らが「iridescence」で全米1位を獲ったら、これはBTSの1位に続く2018年の音楽シーンにおけるエポックメイキングな事件になる気がします。
なんかめちゃくちゃ楽しそうな祭りが始まる予感がするので、私もここには全力で乗っていく所存です。

●ドキュメンタリー映画

アルバムの発売日と同時にBROCKHAMPTONはドキュメンタリーフィルムの上映もアナウンスしています。
全米とヨーロッパ、オーストラリアでの各地1日限定上映です(日本がないいいいい・涙)。


内容はグループが昨年RCAと契約してメジャー行きが決まってから今回「iridescence」を作り終えるまで。
予告を見るとAmeerの脱退騒動についてもきちんとフォローしていて、あの事件をメンバーがどう受け止めたのかということも本人達の言葉で語られるようです。
本編でどれくらいの時間を割いているのかはわかりませんが、女性への虐待疑惑でグループを去ったメンバーのことをアンタッチャブルな存在にしないできちんと登場させているあたり、誠実だし勇気があるなと思いました。
Romilが涙ながらに語っていたのを見ても、Ameerの不在はやはり彼らにとっては相当な喪失だったはず。
それでも社会的正義を選んだ彼らは、やはり2018年を生きてるボーイズだなと思って私は嬉しくなりました。
劇場公開終わったらアジアのファンにも見られるようにしておくれ〜金なら出す……。

ただいま中嶋友理の記事は無料公開しています。楽しんでいただけましたらご支援をいただけると嬉しいです。ご支援をいただくと、私が回転寿司で躊躇なくイクラが食えます。