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デザインする上でベースにしているコスチュームジュエリー。 きっかけはシャネルのパールネックス

私がジュエリーを作る上でベースにしているのは、ヴィンテージジュエリーのような雰囲気にモダンさを取り入れた、コスチュームジュエリーのようなデザインです。

今日が私がコスチュームジュエリーが好きになるキッカケとなったジュエリーをご紹介します。

ちょうど2000年代の初頭、まだ学生だった私は雑誌のファッションスナップを見るのが大好きでした。
その中でも大好きだったのは、当時US版ELLEのエディターだったイザベル・デュプレのファッション。(私と同世代の人は知っている人も多いはず!)

デニムからドレスまで幅広いアイテムサラリと着こなすセンスと、そして抜群のスタイル。モードなのに、ちょっと頑張れば真似できそうなバランス感が本当に素敵で、彼女が出ている号は必ず購入しスクラップしていました。

あるシーズン、彼女が大きなリンゴのロングネックレスをつけているのを頻繁に目にしました。りんごの大きさで約4cmほどでしょうか、ファッションにも調和しつつ、目を惹くインパクトとりんごというユニークなモチーフ(そして何よりイザベルデュプレがつけている!)  のネックレス。
同じものが欲しくて、イザベルデュプレが出ている雑誌をあれこれチェックし、ようやくネックレスがシャネルのものだと突き止めたのです。

シャネルとなると当時の私には買えるはずもなく憧れだけが募っていましたが、ちょうど誕生日が近づいており、両親が欲しいものを聞いてきてくれたので、強引にシャネルブティックへ。
ワクワクしながらりんごのネックレスをお願いすると、なんとすでに完売とのこと。しょんぼりしてるところへ持ってきてくれたのが、同じシーズンで展開しているパールとチェーンのロングネックレスだったのです。
試しに試着させてもらうと、とても素敵で、自分がちょっと特別な人になれたかのような自信が出てきます。りんご目当てだったはずが、すっかりそのネックレスの虜になったのでした。

当時の私は、まだジュエリーに関してほぼ知識ゼロ。
ファッションジュエリーといえどもお値段もかなりしたので、パールもイミテーション、素材も真鍮にメッキであることもよくわかっていませんでしたが、両親を説得して買ってもらったのでした。

イザベルデュプレとお揃いは叶いませんでしたが、そのネックレスは当時何者でもない自信のない私にとってすごく自信を与えてくれ、シーズンが過ぎ去ってもその後何年も愛用するほど大切なアイテムとなりました。

ちなみに、この時のネックレスが、いわゆるファインジュエリーではなくいわいるファッションジュエリーと言われる物だと新らためて知ったのはその少し後に大学の自由研究でファッションデザイナーのシャネルについて調べていた時のこと。

シャネルの言葉に「 宝石や貴金属で作られたジュエリーは財産的な意味を持ってしまうが、おしゃれのための美を求めるなら、石や金属の価値ではなく、そのデザイン性にこそ価値がある。」というもがあるのですが、コスチュームジュエリーを身につけるということは、周りに流されず自分が良いと思ったものを身につける強さや自信につながるような気がして、コスチュームジュエリーというものに特別なものを感じるようになったのです。

私自身もあれから大人になったことや、(個人の勝手な想像ではありますが)技術や物流が進歩していますので、現代ではイミテーションにせずとも、昔より天然石や銀など手に入りやすくなっているはずなので、SAFONのジュエリーはガラスや真鍮ではなく、ジュエリーとして大人もつけられるように天然石やシルバーや金やプラチナの地金を使用しています。

ちなみに、その時のネックレス、今ではメッキも塗装も剥げていますが、私にとっては大切な思い出の品です。
当時の私が感じたような、パッと見た時に心惹かれるデザインや身につけた時のワクワクした気持ちを同じように感じてもらえるように、ジュエリーを作っています。


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