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無痛性甲状腺炎になって - 今日1日だけ生きるつもりでいる -


WEBエンジニアになってすぐ無痛性甲状腺炎になる。

前の記事でも書きましたが、WEBエンジニアとして働き始めてすぐに、甲状
腺ホルモンの数値が上がり、のちに無痛性甲状腺炎だと診断されました。

以下は当時のポスト。

最近の不調は無痛性甲状腺炎というものの可能性が高いです。無症状で内科の血液検査でFT3FT4が正常より若干高く、激しい運動禁止。その後、激しい精神不安定の後にほてりと汗、動悸、胸がしめつけられる。先週の検査で正常になっていたのでバセドウ病ではなく無痛性甲状腺炎と思われるようです。

これ以降も、引用文はXのポストになります。
血液検査で正常値が続いたので問題はなくなりました。が、それまでの1ヶ月半くらいがなかなかのピンチでした。

激しい運動の禁止を言い渡される

血液検査にて異常が見つかった時は、体調に問題はありませんでした。その年は富士山登山をするほど元気で、血液検査までの2週間は勤務しながら退勤後に週2日30分以上マシンでトレーニングをする日々。

ただ、スマートバンドをつけていて心拍数がわかるのですが、その頃トレーニング中に異様に心拍が高いことが続いていました。これは立派な症状だったと思います。なのでトレーナーに言われた規定の回数をこなせないことも何度もありました。

そして、医師から指示されたのは、激しい運動の禁止。この数ヶ月、登山にジムでのトレーニングに、体を動かすことの楽しさに目覚め、仕事のストレスがジムでスーッと消えていく感覚を喜んでいただけあって、かなりショックな指示でした。私は何で気晴らしをしたら良いんだろう…。

そこに関しては、私は元々は漫画、ゲーム、映画、読書、手芸の好きなインドア派人間なので、そちらでカバーしようとしました。編み物をしたり、ドラマを見たりして気を紛らわしました。

身体の不調よりも精神の不安定さがきつい

体調はなんとなく体が重だるく、心臓がキューッと締め付けられる感じがします。仕事に集中するのはなかなか難しいことでした。しかし、仕事は内容自体が面白いので、なんとか目の前の課題に向き合うことができました。

問題は、病気の症状で精神的に不安定になることです。無痛性甲状腺炎は状態としては甲状腺ホルモンの数値が上がっており、症状としてはバセドウ病と同じものが出ます。体の不調はもちろんですが、精神面もそうです。バセドウ病だとイライラするタイプの人も多いそうですが、うつ状態になる人もよくいるようで、体験談でも死にたくなる、というものを見聞きしました。

精神科を受診、頓服(抗不安薬)の処方

私も希死念慮に囚われることも多く、かなり厳しい状況でした。私の場合、もともと適応障害などで精神的に不安定になることはあったので、精神科を数年ぶりに予約。事情を話して自分によく効く抗不安薬(メイラックス)を頓服として処方してもらいました。

しかし、精神科は診察の予約がすぐにとれるわけではないので、診察を受ける頃には気持ちの落ち込みはかなり軽くなっていました。ですが、甲状腺ホルモンが安定したわけではないので、またいつ不安定になるか分からないため、抗不安薬を服用してもらったのは良い作戦だったと思います。

毎日が体調不良であることから起こった心の変化

体調不良が長く続くと、それが普通になり、体調不良の中で楽しみを見つけてそれを楽しみ幸せを感じられるようになってきた。体調不良に自分の幸せを奪われないようにする。そして良くなることに期待しないのが重要かも。良くなることを幸せの条件にするといつまでも幸せになれなくなる。

健康な時には気付きませんが、風邪などをひいて体調を悪くすると必ず思うのは「健康ってありがたいことなんだ」。そこから、「健康第一」という言葉が出てきます。しかし、その「健康」になれないのなら、幸せにはなれないのでしょうか?

私は無痛性甲状腺炎になって、身体もだるく、気持ちも落ち込んでいて、とても幸せとは感じられませんでした。健康でいること、前向きな気持ちでいることこそが幸せで、私は幸せではないんだ、と感じていました。

でも、そんなふうに思いながら生活していても、ふと幸せを感じるのです。自分で作った料理が美味しかった、YouTubeでお笑い芸人のコントで笑ってしまった、面白い小説に出会えた、など。相変わらず身体はだるいし、気持ちも落ちているので行動することもできず、だらだらしています。でも、嬉しいことは嬉しく感じられる。健康になるまで幸せになるのを待たなくて良いのでは?

そんなことを考えていた時、America's Got Talentという番組に出たナイトバードという方の言葉を思い出しました。彼女は重い病気を抱えながらも懸命に生きている方でした。

You cant't wait until life isn't hard anymore before you decide to be happy.
幸せになろうと思うまで困難を待たないで。

5:10ごろ

これは動画の和訳が少し私と解釈が違います。幸せになると決心するまで、人生から困難がなくなるのを待てない。つまり、困難がなくなるのを待つのではなく、もう今幸せになってしまおう!と決心しちゃえ、と彼女は言っているのでは?と解釈しました。違っていたらごめんなさい…。

間違った解釈の可能性があったとしても、この考え方を人生に採用したい、と思いました。今はだるい。落ち込む。それでも小さなことに幸せを感じてしまえ。幸せになってしまえ。元気になることを待たなくていい。そしてナイトバードの曲を聞いて、自分に大丈夫、大丈夫(It's OK)と言い聞かせるのでした。

今日1日だけなんとか生き抜く

なんか今日一日生きただけで十分ではないか?と思えてきた。何か成し遂げたとか、物凄く面白ことがあったとか、別に無くて良いのかもしれない。今日が終わった!完!でいいんじゃないかな。また明日になったら明日一日生きればいい。そしてその日々が終わることも別に悪いことじゃないだろう。

これは日々身体がだるいのにオフィスに出勤し、働きながら「今週1週間、私は働けるのだろうか…?」と絶望していたときにひらめきました。もう今週とか来週の体調はどうてもいい。それどころか明日も知らない。考えない。今日1日だけなんとか乗り切る。そう考えれば、なんとか1日だけなら机に向かえる気がする。

そう考えるようになって、本当に1日に1日だけ生きるようになりました。そうすると、「私はよくなるんだろうか」「体調不良を理由に、試用期間でクビになるのではないだろうか」という将来の不安が減り、今日1日を終えられただけですごい!それ以外のことはどうでもいい。それを毎日繰り返すようになりました。

そうすると、月曜日に今週1週間欠勤せずに働くのは絶対に無理な気がするのに、なんとか金曜日まで終えられるのです。これは発見でした。

ただし体調が回復すると同時に、明日のこと、来週のこと、来月のことを不安に思うように戻ってしまいました。なかなか人生はうまくいきませんね。でも次に体調不良になった時に、このことを思い出せば良いと思いました。

無痛性甲状腺炎を乗り切った後の心境

以下は数値が安定してからのポストになります。

甲状腺ホルモンが増えすぎて激しい運動を医師に禁止されてから、軽いヨガさえできなくなって1ヶ月。この数日ヨガと準備運動をしたところ、全身がほかほかになって気持ちが良い。あと数ヶ月は血液検査を毎月して様子を見つつ、少しずつ運動をしていきたい。運動ができるって凄いことだ。

約1ヶ月前から無痛性甲状腺炎の影響で体調が悪く、特に精神的にかなりきつかった。改めて思い出すとよく私出勤してたな?!とびっくり。精神が人生最大くらいの辛さの中、よく会社通って家事して生きてたなあ。この1ヶ月の自分にめちゃ感謝。ホルモンバランスが違うのでほぼ別人に対する気持ち。

体調崩して体調回復してきて、一気に穏やかな気持ちに。体調崩した1ヶ月でいろいろな体験をし、考えて、本読んで、ノートに考えをまとめて、いろいろ成長できた。精神的な親離れがようやく大分できたのも大きかった。「成長」とは行動に伴うと思っていたが、動かずじっとすることの成長を感じた。

無痛性甲状腺炎で運動禁止で行けなかったジムに、3ヶ月ぶりにいきました。そしてパーソナルトレーニング。トレーナーさんとたくさん話しながらの50分、最高に楽しかった。トレーニング後のお風呂、そして心が無になる感覚がサイコー。また続けます。

こうして振り返ると、しんどかったけど、無痛性甲状腺炎になって得られたことはたくさんあったと思います。もちろん健康は幸せですが、健康じゃない時でも幸せを探せること、そしてどんな日でも1日を終えることだけを考え、1日を終えられたらそれだけでもう良いのだ、と思えたら、それが幸せなのではないかな、と考えるのでした。

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