シリコンバレーに旋風を巻き起こすテクノロジー領域の投資家Tiger Global(1/4)

ここ1~2年でベンチャー投資界隈で急に名前を耳にするようになったTiger Global。どんな戦略なのかずっと気になっていたのですが、Financail Timesより面白そうな記事があったので共有したいと思います。
かなり長いので4回ほどに分けてお届けします。
https://www.ft.com/content/54bb342c-230f-4438-a4d7-7cbde010ea1a?shareType=nongift

Tiger Global: the technology investor ruffling Silicon Valley feathers

~迅速な決断、高いバリュエーション、ライバルスタートアップの支援が従来VCと一線を画す~

Tiger Globalは2001年に設立されてから20年で、最も利益を生むテクノロジー投資家になりました。CB Insightsによれば、10億ドル規模の未上場企業の株を最も多く保有しており、このファンドのパフォーマンスは株式市場の8倍にものぼります。
しかしながら、近年ではこのファンドの"ものすごいスピードで投資するスタイル"がシリコンバレーのキャピタリストの間で悪名高くなっているのです。

Tiger Globalは素早い意思決定、高いバリエーションの提示、ボードメンバーの座にこだわらないことが特徴です。
中国、インド、ロシアなどの国で確立されたこのスタイルは、今や米国で大きな反響を呼んでいます。
ピッチブックによると、2021年度はすでに170以上のベンチャーに投資しており、2020年度の投資件数の倍に達しています。
さらに、これらの投資案件の半数以上でリードインベスターをつとめており、事実上企業の株式価値を決定しているわけです。

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公開マーケットがシュリンクし、低金利で多くの投資家がプライベートマーケットのテック企業へリターンを求める中で、Tiger Globalを模倣しようとする投資家も多くでてきました。
しかし、Tiger Globalの資金規模かつ、同じ勢いでこの戦略を実行できるものはいませんでした。

"素早く、お金を稼ぐ"ことに重点がおかれてきたTiger Globalのアプローチは大きな利益を生んできました。
一方で、30か国以上に進出するなかで失敗したこともあったのです。

100億ドル以上をも資金を調達しようとしているTiger Globalは限界を迎えているのかもしれない、とシリコンバレーのキャピタリストたちは考えています。
スタートアップファイナンスを研究するEwenは以下のようにコメントしています。
「Tiger Globalほど迅速に投資を行っているVCは他にいない。もし彼らがこのモデルで利益を生み出し続けるなら、皆にとっていいことでしょう。ただ、正解がわかるまでにはまだ5~8年かかるでしょう」

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