(2/4) PMF(Product Market Fit)した時、どのような感じなのか
先日の続きをLenny Rachitskyさんのブログよりお届けいたします。
(1/4)はこちら
参考までに、1/4で述べられていたPMFの3つのサインは下記となります
1. 市場からの突然の強い"ひき"
2. 徐々にではあるが、様々な形での市場からの"ひき”
3. プロダクトが受け入れられていることを証明する"マイルストン"の達成
Sign 1: Sudden and significant pull from the market
Dropbox
"速い車や飛行機が飛び立つときに座席の後ろに押し付けられるように、自分のものが勝手に動き出し前に進んでいくような直感的な感覚がありました。最も印象的なのは、私たちのデモがDiggのトップに掲載された時です"
- Drew Houston, CEO兼co-founder
Netflix
"Potter Stewart判事には申し訳ないのですが、PMFはハードコアポルノに似ているとよく思います。定義するのは難しいのですが、わかると思います。Netflixは反復可能なスケールするビジネスモデルにたどり着くまでに18ヵ月かかりました。
ご存じかと思いますが、私は自分の考え方を「That will Never Work(一生うまくいかない)」と呼んでいます。
なぜなら、私が元々のアイディアをピッチした時、みなさんそういう反応をしましたから(私の妻も含めて)。
でも皆さん正しかったです。元々のアイディアはうまくいきませんでした。でもたくさんの失敗を繰り返し、心配で眠れない日々をすごしたのちに、ついに「締切なし、遅延料なし、サブスク」というありそうでなかった組み合わせにたどり着いたのです。
以前はトラフィックの獲得に苦労していたのに、突然アクセス数の増加についていけなくなったのです。膨大な在庫は突然足りなくなり、エンゲージメントが急上昇し、解約は急激に減りました。全てがうまく行き始めたのです。
もしNetflixがスタートアップでなくなり会社になった瞬間があるとするなら、この時でしょう"
- Marc Randolph, 初代CEO 兼 co-founder
Uber
"UberはPMF問題に直面したことはありません。マーケティング予算はゼロで、雑草のように成長してきました。口コミはコントロールできないし、特に規制強化が始まると誰しもがそのことを話題にしていましたから。マーケティングは無料でした。だってメディアはそのストーリが大好きでしたから"
- Ryan Graves, 初代CEO、創業チーム
Tinder
"直感や友人からの情報に加え、ダウンロード数が急増し始めた2012年12月末にPMFに達したと思いました。さらに2013年1月初旬から中旬までに、そのダウンロード数は爆増しました。
Tinderはローンチ後すぐに受け入れられ、軌道にのる前に加えた変更はほとんどありませんでした。スワイプ機能は2012年の8月か9月にプロダクトをローンチしてから数週間以内に追加されたものです。
サービスが立ち上がる前から、すでにアプリの2.0バージョンの開発に取り組んでいましたが、サービスが大流行するまでに終えることができなかったほどです。
- Jonathan Badeen, co-founder 兼 CSO
Segment
"PMF前とPMFを感じた時の大きな違いは、"ひき”の感覚でした。
PMF前は、自分たちのアイディアを人々にアピールする必要があると感じていました。どうか自分たちの製品を使ってくださいってお願いする必要があったんです。
PMFした時、初めて"ひき"を感じたんです。
問題をひとつ解決すると、次はこの問題を解決してよ、その次は、4番目は、5番目は・・ってお願いされるようになったんです。製品の開発初期はただ顧客のリクエストに応えていくのみでした。
- Calvin French-Owen, co-founder
box
"まさにGeofferey Mooreの"Inside the Tornade"のような状況でした。ほぼ売り上げの100%がインバウンドによるもので、あまりに需要がありすぎて電話がなりっぱなしでしたよ"
- Jeffrey Queisser, co-founder 兼 SVP of Engineering
Stripe
"何か面白いことが起こっているなと気づいたのは、サービスを使ってくれた友人たちが、自分の友人をサービスに招待してもいいか聞いてきて、実際に友人を招待し、口コミで広がっていったことでした。
サイトにウェイトリストを載せたところ、需要が急増し、数か月でそのウェイトリストはとても長いものになったんです。予想外でした。"
- Patrick Collison, CEO 兼 co-founder
Patreon
"PMFはJackのミュージックビデオをYoutubeビデオでローンチした直後で、patronとクリエイターがたくさん書き込みし始めたんです。
あれほどの情熱と反響は見たことがありませんでした。
特にローンチ時は大変で、数週間前からローンチを依頼していたクリエーター達から拒否されてしまうこともありました。
私はこの直後に投資家にこんなメールを送っていたんです。
「思い出してもらえば、私は誇張したりおおげさに物事をいうタイプでないとわかるとおもいますが、ここまでの結果や反響をみてみると、私たちの会社は間違いないと思います」
- Samuel Yam, co-funder 兼 CTO
Carta
”ローンチしてから約半年後に、電話会社をDialPadかRingCentralに変えたんです。システムの設定を間違えてしまい、"購入したい場合は#1を”とアナウンスの後、ユーザーがボタンを押すと、電話が切れるようになっていたんです。
なぜわかったかというと、見込み顧客がチャットのサポートサービスで「ここ数週間営業に電話しようとしているのに、なんで切るんだよ!お金を受け取ってくれないの?」と書きこんできたからです。PMFを感じた瞬間でした。"
- Henry Ward, CEO 兼 co-founder
GitHub
"未公開べータ版をローンチしたとき、無料で提供していました。驚いたことに、ユーザーが"お金払ってもいいですか?”って聞いてきたんです。一番初めにこのサービスがうまく行っていると思ったサインでした。
我々の初期ユーザーはRubyコミュニティの個人でした。彼らは最先端をいきたいと思っているような人たちです。2009年当時、Rubyはまだ新しい言語でした。このコミュニティに入り込むことは非常に重要で、そうでなければ、GitHubを使ってもらうことはできなかったと思います。
個人ユーザーでのトラクションを獲得してから、中小企業にそして大企業へとターゲットを広げていきました。
- Tom Preston-Werner, 初代 CEO 兼 co-founder
robinhood
"それは金曜日の夜だったとはっきりと覚えています。翌週の水曜日か木曜日のプレスリリースの準備で、ウェイトリストの作業をしていました。みんな家に帰り、土曜日の朝目覚めてGoogle Analyticsを開くと、その時には誰も知らないはずの自分たちのサイトに、600人が同時にアクセスしていたんです。「何がおこってるんだ?これは普通じゃない。何か間違ってるよね?」って思いました。
それでスクショをとって、両親に電話したんです。
「ちょっとおかしいのよ。でももしかしたら本当にうまく行ってるのかもしれない」って。
その時まで、少なくとも消費者向けサービスでの成功が何なのか、全くわかっていなかったです。あれは、本当になにかがうまく行った最初の瞬間でした。
結局リリース初日までに1万人が、最初の週までに5万人が、最初の年で100万人がサインアップしたのです。
- Vlad Tenev, CEO 兼 co-founder
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