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花と緑のコンシェルジュ ~花き品評会での”花いけイベント”
日本には「いけばな」の文化が育っています。一時期までは、花嫁修業のひとつとして、ならっておくべきもののひとつと言われていた習い事だったかもしれません。「花嫁修業」という言葉も今では聞かれなくなった言葉でもありますよね。それと同じ感じで影が薄くなっているのも「いけばな」かもしれませんね。
いけばなの先生の中には、フラワーアレンジメントが広まったことでいけばなを習う人が少なくなったといわれる方もいらっしゃいます。ある意味そう見えるかもしれませんが、私は生活スタイルの変化の方が、大きく影響しているのと感じています。私が若いときにはまだ「花嫁修業」の雰囲気が残っていて、私も少しは習いました。でも、そのあとの時代はだんだん家は洋風になり、「もの」より「こと」の時代になってきて、最近は「ミニマリスト」や「断捨離」という言葉も出てきて身の回りの物を最低限にする人たちも出てきました。こんなことも私たちの暮らしが変わってきていることの表れですよね。
そんなこんなで、花の暮らしへの取り入れ方も変わってきています。飾るところも飾り方も変わってきています。このような変化の中、「いけばな」。。。というか「花を生ける」ということを今の時代に合った形で次世代につなげようと「全国高校生花いけバトル」というイベントが広まってきていて注目も集め始めてきて、全国各地で地方大会が開催されています。広島でも「全国高校生花いけバトル広島大会」を業界の協議会を立ち上げ、実施しています。
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上の画像は今年7月に開催された「全国高校生花いけバトル広島大会」の決勝戦の様子ですが、このイベントは、本当に実施してきて「よかった」と思っています。
まずは、花き業界の立ち位置としては、もうすぐ本格的に一人の消費者となる高校生への「花」のアピール=「花」の普及活動として。文化の普及としては、日本の「花」文化を知り、伝えるきっかけを提供すること。文化部の高校生に新たな花を使った競技で、他校の生徒とのつながるきっかけを提供できたこと。そして、最後は高校生と一緒にイベントをすることによって、高校生に社会での新しい経験を提供できることです。
前回の記事で、最後に一緒に実施したイベントに焦点を当てて、高校生たちの企画をレポートさせていただきましたので、よかったらご覧ください。
花いけイベント いけばなと花いけ
花き品評会の一日目は、前の記事のような高校生の企画したイベントを実施しましたが、二日目は、広島工業大学高校と同じく全国高校生花いけバトルにエントリーを続けてくれている広島県東部の福山市から、福山誠之館高校の生徒さんたちも参加しての花を生けるコンテスト。。。コンテストといっても会場に来られたお客様に好きな作品を選んでもらう人気投票です。
実は昨年も実施したイベントではありますが、参加してくれている高校生が華道を習っている子たちが多いので、同じ花材で「いけばな」を生けてもらうという「いけばな」イベントと、同じ金額を高校生に渡して、施設内の花売り場で自分で花を選んで買ってきてもらい、その花を残すことないように作品に生けてもらう「花いけ」イベントです。(花を生ける器は、各自でもってきてもらいました。)
これらは技術を競うのではなく、高校生には花を生けることを想像力豊かに楽しんでもらいながらも、ほかの人に観てもらう作品を生け、評価してもらうイベントにしたかったんです。お花を生けることも自己表現のひとつですよね。出来上がった作品の投票の多い少ないも、観た人の共感が多かったかどうか、観た人で好きな人が多かったかどうかだけですからね。(観た人によっては、全作品に投票したかったか人もいたかもしれませんね。)
いけばなイベント
まずは、いけばなイベント。広島工大高校、福山誠之館高校から2名ずつ参加してもらい、同じ花材でいけばなに挑戦してもらいました。同じ花材でも4人4様の作品が出来上がることをお客様に観ていただきたいと思いました。こちらは花器は準備してどれで生けるかは、じゃんけんで決めました。
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用意された花材は、まずは、広島県の県花であり県の木である「もみじ」。ほかには、「よし」、「糸菊」、「りんどう」、「ナデシコ」、「ゴットセフィアナ」。
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花器は、いろんな形の水盤もあり、ガラスの花瓶も用意しました。
そして、このいけばなを見守り、アドバイスをいただけるのは。。。
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いけばなの花を「稽古花」と花業界では呼んでいますが、小畑百花園さまは、広島では一番たくさんの稽古花、それもいろんな流派をお世話されている花屋さんです。最近では若い人たちの中で「いけばな」をする人が少ないため、小畑さん自身もいけばなをしている高校生の皆さんとの接点を求められており、ご協力いただきました。
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生けている間、広島県の花の事情、生けるときのポイントなどを一人一人の様子を見ながら小畑さんにアドバイスをいただきながら生け進めていきました。個人の表現を消さないように・・・だけど、難しいところにちょっとした技術を教えてあげながら…
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仕上がった作品は以下です。バックにパネルがないので見えにくいのですが。。。
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花器は違いますが。全部同じ花材の作品ですよ。
用意された主材のひとつ「もみじ」は地元広島県の生産者のものです。しっかりと水が上がってピンと張った紅葉していく途中の美しい葉と一緒に生けられた秋の花(糸菊・リンドウ・なでしこ)によしと葉物(ゴットセフィアナ)、これらが各作品の中でそれぞれの景色を作っています。
生けてくれた4人は短い時間でしたが、初めての花器に初めて与えられたお花の組み合わせに「お花をきれいにみせたくて、苦労もしたけれど、楽しく生けられた」と。そして、アドバイスをしてくれた小畑さんは、「みんな、クラブ活動でお花を触っているだけに、上手だと思った。楽しく生けてもらって、いけばなにも本格的に興味をもってもらえたら、うれしい。」とおっしゃっていました。
花いけイベント
「いけばな」を生けてもらっている間に、実は、そのあとの花いけイベントに参加してもらうみなさんには、お花の買い物に行っていただいていました。
設定金額は、3000円。会場の商業施設「LECT]には花売り場が4か所あります。そこで、自分で花を選んできて買ってきてもらいました。そして、ひとつ条件は、買ってくる花の中に必ず「広島県」産のお花を選ぶことでした。
先ほども書きましたが、この花いけイベントに参加する人には、「花器、あるいは花器になるものを持ってきてください」とお願いしていました。ということは、事前に作品のテーマやイメージを考えてきてもらうことになります。お花は、それに合わせて、当日選んで買ってもらう。。。ということになります。お買い物の時間は、約1時間。いけばなイベント終了後に続けて「花いけイベント」に入っていきました。
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この画像では見えにくいですので、どんな器を用意してきたのか...少しだけ覗いてみましょう。
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このイベントに参加してもらえる高校生の皆さんに「花器、あるいは花器になるものを持ってきてください」ってお願いしたといいましたが、それに加えて、観に来てくれる人が、「こんなものを花器に使うの?」「これが花器になるの?」っていうように思ってもらうと面白くない?・・・とおつたえしていたんですよ。
みんなが生けている姿を見ながら、インタビューもしながら進めていきましたが、ちゃんとテーマを考えてきてもらっていたんですよ。与えられたテーブル上で花を生ける・・・というよりも、テーブルコーディネートっていう感じでしたね。それでは、各作品をご覧ください。
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みなさんの作品にはテーマをつけていただきました。こちらの作品は事前に考えてもらう時間があったので、花器だけでではなく小道具もみなさんそろえていただいて、楽しい作品になりました。
これらの花いけ作品にいけばな作品も加えて、会場を音連れていただいたみなさんに、「どれが好きですか~?」と気軽に投票していただいてコンテストを実施しました。
この度の花き品評会の最後には、会場を飾った品評会に出品された作品のオークションが人気なのですが、オークションの前にコンテストの結果発表をして、上位入賞者3名にオークションにかかる前の作品の中から、好きな花を選んでもらってプレゼントいたしましたよ。
上位3名は、広島工業大学高校が独占。。。となりました。
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第一位 ハロウィン パーティ(登田唯知花さん)
第二位 ラプンツェル(蘭 博さん)
第三位 中華(飯守 蒼緒さん)
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残念ながら、「いけばな」で参加された生徒さんの作品は、上位入賞にははいりませんでした。今日いきなり与えられた花材で、しかも、剣山で花器に生けるのはハードルが高いですからね。でも、せっかく華道に触れてもらっている生徒さんなので、「いけばな」作品を生けてもらいたかったし、観ていただくお客様にも同じ花材でいろんな作品を観ていただきたかったんです。
おわりに
こうして無事、広島県花き品評会はイベントも含めて終了できました。高校生たちとのご縁も毎年毎年厚みを増してきていて、広島県の生産者たちは、彼らのために自分たちの花が使ってもらえるならと、応援する気持ちも膨らんでいっている感じです。おかげで、自分たちの花のアピールの時も高校生たちに不得意部分を補ってもらっていて、たいへん助かってもいるんです。
学校の先生たちにも「よい機会」だと言っていただいています。
全国高校生花いけバトル広島大会を企画したことからいろんな関りが始まりました。初期のころかかわった卒業生が、最近のコラボイベントを知って、顧問の先生に「自分たちもこんなイベントがやりたかった」とか、この度、福山から駆けつけてくれた高校生の皆さんが、「地元でもこんなことがやりたい!」と言ってきたなどと聞いて、もしも、こんな経験が高校生の皆さんの未来の何かに良い思い出だったり、よいきっかけになるのであれば、こんなうれしいことはないな。。。と少々自己満足に浸っています。
来年も企画できたらいろいろ考えていこうと思うので、みなさん、参加してね~♬
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