見出し画像

駐在員の生活~ニューヨーク郊外生活ってどんな感じ?

ニューヨーク=マンハッタンというイメージだと思うが、私が住む地域はニューヨーク郊外のウェストチェスター・カウンティ(郡)という、マンハッタン・グランドセントラル駅から電車で35~45分(急行、準急の場合)の地域。ニューヨーク駐在者でも、学齢期のお子さんがいる人は学校区の関係で、この地域か南のニュージャージー州に居住している人が多い。今日は比較的知られていない、ニューヨーク郊外の生活がどんなものか、紹介してみたいと思う。


メトロノース鉄道

ニューヨークのグランドセントラル駅から北に向かう3路線をメトロノース鉄道という。路線はハーレムライン、ハドソンライン、ニューヘヴンラインの3つあり、朝夕各駅⇔グランドセントラル駅を往復している。

ニューヨークの列車=治安が悪く、危険、というイメージがあると思うが、地下鉄と比較すると、これらの路線は(時間帯にもよるだろうが)かなり落ち着いた印象であり、私はかなり日本の列車に近い感覚で通勤できている。コロナ禍による在宅勤務(それでもだいぶ戻っているはずだが)の影響もあるのか、自宅の最寄り駅からマンハッタンまでの急行(35分ほど)は今のところ、ほぼ毎回座ることができている。その時間は貴重な読書やSNSの時間に充てられている。

週末はカントリーライフ?

我が家にはニューヨーク郊外にいるとは思えないほどのどかな光景が広がっている。庭では鳥の囀りが聞こえるし、ウサギやリスも登場するし、夏の夜には蛍まで見ることができる!(こちらの蛍は日本で水辺で見る蛍とは種類が違い、「草蛍」という種類らしい)。また高速道路の脇には写真のようなトレイル(散歩道)もあり、近隣の住民の恰好の散歩道になっている。

私の住む地域は伝統的にイタリア系の住民が多いようで、近所にはイタリアンレストランが多い。また、たまに年配の人がイタリア語で会話しているのも耳にする(我が家のオーナーもイタリア系)。住宅街ゆえにマンハッタンと異なり、圧倒的に一軒家、タウンハウス(二棟続きの家)が多い。


アメリカ所変われば~東と西

我が家は数年前はカリフォルニア(サンフランシスコ郊外)に住んでいた。当時から現地はシリコンバレーバブルの影響で、地価がとても高く、我が家はアパートに住んでいたが、周囲も新しいコンドミニアム、アパートの建設ラッシュだった。現地で小奇麗な2ベッドルームの家に住もうと思うと、月4,000ドル前後(約54万円)は要する。ニューヨークでもマンハッタンのアパートは5,000ドル(約68万円)を超えると言われている!現在の円安のレートで計算すると恐ろしいが、本当に高い。

私の住むニューヨーク郊外の街の住宅の特徴として、正面玄関に「ポーチ」がある家が多い。これは玄関脇にある「ベランダ」のようなイメージで、椅子やソファ、中にはブランコが置いてある家もある。日が長い夏の夕方など、このスペースに座って夕涼みをしている人たちもよく見かけるが、これは私の住んでいたカリフォルニアのエリアにはあまり見られないスタイルだった。


「半地下」の住人?

こちらの住宅は地下がある家も多く、物置スペースや子供の遊び場にしているお宅も多いのだが、そこに祖父母や大家などが住んでいるケースも結構ある。「地下」といっても少し光が入る「半地下」のようなイメージで、意外と広いようだ。我が家の地下にも大家の親戚の青年が住んでおり、最初は驚いたが、出入口は別なので、特に生活を邪魔されることもなく、もはや日常生活の一部になっている。「半地下」というと映画「パラサイト 半地下の家族」の印象が記憶に新しいが、あのイメージのような得体の知れない?モノではなく、こちらの日常生活ではごく自然なものだ。

ただし、立地によっては地下や低いところにある土地は洪水・浸水のリスクもあり、気を付けなくてはならない。昨年当地で起きた豪雨で床下浸水してガレージや地下に被害があった地域も複数あった。アメリカは一般的に日本ほど自然災害に慣れていないせいなのか、大雨、台風などの備えが弱く、脆弱な印象を受ける。以前カリフォルニアの学校に行き始めた時、「大雨」を理由に学校が休みになった時は驚いた(日本では余程の台風や大雪でない限り、休校になることはあまりないので)。


雪かきと芝刈り

冬、雪の降る地域につきものなのは雪かき。ここニューヨークでも年に何回かは「Winter Storm」警報が出され、20~40センチの積雪となることもある。ここニューヨークでは、雪が降ってから24時間以内に家の周囲の歩道(sidewalk)を雪かきしなければ罰金が科せられることになっており、雪が降れば雪かきはマストだ。昨冬は初めての当地での冬だったが、結局雪かきが必要だったのは3回程度だったか?うち1回は数時間夫や子供達が頑張ってくれた。そのため、住宅を契約したら、冬に備えて雪かき用のシャベル、車用除雪ブラシの購入は必須。もう少しこだわると自前の除雪機や車に付けるタイプの除雪グッズを購入する人もいるらしく、レンタルするタイプもある。

一方、庭の芝刈りも夏場は大変なタスクだが、家のレントに含まれているケースとそうでないケースがある。我が家の場合前者だが、夏場は週に1回、3-4人チームで芝刈りチームがやって来て、20分程度で綺麗にしてくれる。冬場は芝や雑草が育たないようにしているようで、一切芝刈りが発生しない。これはこれで、合理的な仕組みの気がするが、雑草まで育たない仕組みというのはどうしているのか、ちょっと気になる・・・。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?