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第10回目「お化け扱いされたスーパームーンの夜」

2021年5月26日水曜日
第10回目投稿
唯李(ゆり)の気ままにさらりさらりと。
テーマは「お化け扱いされたスーパームーンの夜

今夜はスーパームーンで皆既月食の夜です。
この組み合わせは、24年ぶりだとか。

それなのに、

それなのに、

生まれて初めて、「お化け」に間違えられました。

ひどい。

仕事の帰りで、疲れてぼーっとスタエフを聴きながら駅に向かって歩いていると、前方左側から女性ふたり、男性ふたりの4人連れがこちらに向かって歩いてきました。

そのうちの一人は、会話をしながらも携帯を操作しながらこちらに向かって歩いていました。

私との距離は、感覚的ですが2メートルくらいになったときでした。
私とぶつかる距離ではなかったのですが、
その人は男性で、携帯から目を離し前を向いた瞬間、体の向きを急激に変えて、
ひとこと発しました。

「あー、びっくりした。お化けかと思った。」

「まじ、びっくりしたわ。」

「おばけと思ったわ。」

その言葉と同時に、その4人組が私を凝視したのです。

そしてそのまま、私もあちらの4人組もみんな一斉に固まってしまいました。

あちらは私を見て、
私は4人組を見て。

私は、えっ、私のこと?
一瞬わからなかったのですが、あちらの反応からすると、わたしで間違いなさそうででした。

数秒間固まった後に、何か言わなくちゃ、まずい状況にあると感じました。

月明かりもなく、もう少しで大きな道路に出ようとしているところで、その道路からの明かりが漏れて、私の着ている白い上着が浮かび上がって見えているようでした。

時刻は20時半くらいでした。
私のことをお化けかもと、疑いから確証にしつつあるように見えました。

私は自分がお化けにされかかっているのに、おばけと聞いて震えてしまいました。

そして我に返り、ひとこと私が発したことで、みんな解放されました。

金縛りみたいにみんなで固まった姿は
滑稽でした。

「お化け扱いしないでください。怖いです。お化けじゃありませんからぁ。」と。

そういうと、3人はああそうだよねーって感じで通り過ぎていったのですが、もうひとりの女性が何か言いたそうにしていましたが、私はその場を早く離れたかったので、さっさと歩いて駅に向かいました。

いったいその彼女は何を言いたかったのだろうか。

初めての体験でした。
すっごくショックでした。

お化けって…。
思い出してもショックです。

今日のひとこと
「やっぱり人間が一番怖い。」

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一日の終わりにどうぞ。


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