これは銃声ですか?
ニューヨークに移り住んで2ヶ月が経過しました。到着して早々にイスラエルとハマスの戦争が発生した影響で、ニューヨークでもイスラエルとパレスチナそれぞれの擁護派による抗議活動が頻発しています。私が住んでいるエリアはユダヤ系が多く、あるときはユダヤ人の大規模集会が行われ、警備のために大勢の警察官が出動するなど、ただならぬ雰囲気になったこともありました。コロンビア大学でも、キャンパスのメイン図書館の前でイスラエル人の学生に対する暴行事件が起こったそうです。
日本領事館からも注意喚起のメールが届くので、最初の頃は、外出を控えたり、日が暮れる前に帰宅するようにするなど、少しおっかなびっくりという感じで生活していました。しかし、慣れとは恐ろしいもので、今ではそうしたことにあまり注意を払うこともなくなっていました。
むしろ、ニューヨークに来た当初に警戒していたのは、地下鉄でのアジア人に対する線路への突き落としや暴力行為でした。地下鉄では、電車がホームに入ってくるまで壁際で待ち、絶対に背中に隙を作らないことを徹底し、人の少ない車両には乗らず、常に周囲の乗客の様子を伺い、少しでも挙動不審な人がいたら車両を変えるようにしています。神経をすり減らしているおかげなのか、今のところ地下鉄で怖い思いをしたことはありません。
そうした中、今日はじめて「ニューヨーク怖い」と思いました。銃声らしきものを聞いたのです。深夜0時をすぎた頃に、外から「バン、バン、バン、バン、バン、バン」という音が立て続けに聞こえてきました。咄嗟に「銃声かもしれない」と思い、急いで部屋の電気を消して、窓の死角になるベッドの影にうずくまり、X(旧Twitter)で、住んでいるエリアの名前と「gunshot」で検索をかけました。最新情報はヒットしませんでしたが、半年に1回くらいの頻度で、銃声が聞こえたとか、銃撃で死者や負傷者が出たという内容のツイートがされていました。
仕事でワシントンに住んでいた時に本物の銃声を聞いたことがある夫(今は日本にいるので電話で話した)によると、銃声は花火のような「パンパンパン」という軽い感じの音なんだそうです。もちろん、銃の種類にもよると思いますが。夫曰く、車がエンストする時にも銃声のような音がするとのことなので、私が聞いたのはその音だったのかもしれません。そうだとすると、焦ってベッドの影に隠れるなんて大袈裟な行動をとったことが、今となっては少々恥ずかしく感じられます。
とはいえ、銃撃が起きても不思議ではない国にいることを自覚させられる出来事であり、少し緩み始めていた気持ちを引き締めなければいけないと思いました。
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