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OLIVE (映画マガジン)

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映画を観て感じた「!」をつらつらと書いていきます✏️ 映画メディア「OLIVE」(http://olive-movie.net) の公式サイトも是非のぞいてください!
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#映画好きな人と繋がりたい

「子どもが教えてくれたこと」 誰もの命が期限付き。それを物心ついた時から理解して、病気と向き合う子どもたち。不幸に見えるかもしれないけれど、彼らは誰よりも幸せのみつけ方が上手だと思いました。上手く行かなかったとしても「どう生きるか」が別れ道なのだと、子どもたちに教わりました。

〈インタビュー〉アダム・グジンスキ監督—大人でも子どもでもない。狭間で格闘する少年のひと夏の記憶

ポーランドの小さな町に住む、少年・ピョトレックの夏休みを描く「メモリーズ・オブ・サマー」 主に描かれるのは、母親と息子について。揺らぐはずのないふたりの関係が、母親の「浮気」という裏切りによって壊れていきます。 © 2016 Opus Film, Telewizja Polska S.A., Instytucja Filmowa SILESIA FILM, EC1 Łódź -Miasto Kultury w Łodzi 監督は、ポーランド出身のアダム・グジンスキさん。自

「疑い」のフィルターを取り払う。ただ受け入れる、純真な心ー「幸福なラザロ」

青年は、初めてスクリーンに映し出された瞬間から、他の人とは違うものをみつめていました。 名前はラザロ。聖書の「ヨハネによる福音書」に登場する、イエス・キリストが奇跡によって生き返らせた人物と同じ名前です。 2018年、カンヌ国際映画祭で「万引き家族」と共に話題をさらった「幸福なラザロ」。渓谷に囲まれた小さな村で暮らす人々と、村を支配するデ・ルーナ侯爵夫人が、主な登場人物です。 村一番の働き者であるラザロは、どこか人間離れした魅力を持ち、そんな彼を中心に人間模様が描かれます。

迷路に出口はないと、認めるまで ー「悲しみに、こんにちは」

大切な人を失った時、まるで心にぽっかりと穴が空いて、自分の一部がどこかに行ってしまったかのような感覚になります。 悲しみの受け入れ方は誰も教えてくれないし、身体中の水分がなくなるくらい泣いても、悲しみは去ってくれません。 反抗したり、無気力になったりを繰り返して、しばらく時間が経ったあと、やっとの事で受け入れられるものだと思います。 映画「悲しみに、こんにちは」では、母親を病気で失った少女・フリダの物語で、彼女が静かに、ひたむきに、「喪失」と向き合う姿が描かれています。

性別が、生き方を別けない世界へ - Battle of the Sexes

「なんで、女の子は野球をやっちゃいけないの?」 私が小学生の頃に抱いていた疑問でした。もちろん「やってはいけない」というルールはどこにもありません。しかし、少年野球チームに所属していた頃、「女のくせに」と言われることは日常茶飯事でした。 プロの選手でも男女関係なく戦えばいいのに。 女子が勝つこともあるだろうし、女子リーグ・男子リーグと区別するから、それが差別を生んでしまうのではないか。 そう考えてきたのですが、1973年、既に「男性との試合」に受けて立った女性がいたのです

音楽は、もう一つの脚本。 「映画音楽のすすめ①」

映画は、映像と音楽が融合した芸術作品なのだと、最近つくづく思います。 「いい映画だった」と思う時はいつも、劇中の音楽にも満足していることが多い気がします。 素晴らしい物語と、素晴らしい音楽がぶつかり合ったとき、それは忘れられない名作になるのだと思います。 今日は、映画を通して出会った音楽を5つを紹介します。 ①City of Stars ーLA LA LAND第89回米・アカデミー賞など、数々の映画賞を席巻した「ラ・ラ・ランド」 鑑賞する前からサントラにハマってしまうほど

マイノリティに光をあてる。ー「フランス映画のすすめ VOL.1」

先月みなとみらいで開催された、フランス映画祭。日本へフランス映画を普及するために、1993年から毎年開催されています。オープニングイベントに参加する機会をいただき、行ってまいりました。 今年の映画祭の団長を務めたナタリー・バイさん。 「最強のふたり」でおなじみの監督エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュさんも来日しました。 映画祭では、彼らの新作「セラヴィ!」と、グザヴィエ・ルグラン監督の「カストディ」を鑑賞してきました。 **「セラヴィ!」 フランス映画祭2018