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OLIVE (映画マガジン)

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#カンヌ国際映画祭

〈インタビュー〉アダム・グジンスキ監督—大人でも子どもでもない。狭間で格闘する少年のひと夏の記憶

ポーランドの小さな町に住む、少年・ピョトレックの夏休みを描く「メモリーズ・オブ・サマー」 主に描かれるのは、母親と息子について。揺らぐはずのないふたりの関係が、母親の「浮気」という裏切りによって壊れていきます。 © 2016 Opus Film, Telewizja Polska S.A., Instytucja Filmowa SILESIA FILM, EC1 Łódź -Miasto Kultury w Łodzi 監督は、ポーランド出身のアダム・グジンスキさん。自

「疑い」のフィルターを取り払う。ただ受け入れる、純真な心ー「幸福なラザロ」

青年は、初めてスクリーンに映し出された瞬間から、他の人とは違うものをみつめていました。 名前はラザロ。聖書の「ヨハネによる福音書」に登場する、イエス・キリストが奇跡によって生き返らせた人物と同じ名前です。 2018年、カンヌ国際映画祭で「万引き家族」と共に話題をさらった「幸福なラザロ」。渓谷に囲まれた小さな村で暮らす人々と、村を支配するデ・ルーナ侯爵夫人が、主な登場人物です。 村一番の働き者であるラザロは、どこか人間離れした魅力を持ち、そんな彼を中心に人間模様が描かれます。

小さな幸せを、幸せと感じられること。ー 「万引き家族」

こんにちは! 先月、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝監督の「万引き家族」 。やっと時間をつくって観ることができました。 2004年に公開された同監督作品の「誰も知らない」でもそうでしたが、今作も同様で、希望を残すような物語ではなく、ドキュメンタリータッチで淡々と描かれていきます。なので、鑑賞後はいろんなことが頭の中をグルグルと回って消化するのに時間がかかりました。 一人一人が複雑なバックグラウンドを持っているため、身元が明確にはわからなかったりしたので、