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『おっぱいまんじゅうちゃんかくれんぼのあとは?』(赤ちゃん絵本)

『おっぱいまんじゅうちゃんかくれんぼのあとは?』
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気が付いたら、おっぱいまんじゅうちゃんはひとりぼっちで野にいました。
かくれんぼをしていたはずでした。
「おっぱいまんじゅちゃん、おっぱいまんじゅうちゃん。」

まだ太陽が大きな影を作っていた時間には、
何度もおっぱおまんじゅうちゃんを呼ぶ声がしていました。しかし、今はもう聞こえません。

日はとっぷりと暮れています。
あたりは、静かな紺色です。
耳を澄ますと、
こおろぎや鈴虫の音がきこえてきます。

ちんちろ ちんちら ちんちろりん
りんりん らんらん りんらんらん

「まぁかわいい声がする。だけど、わたしはひとりぼっち。」

おっぱいまんじゅうちゃんは、
白くてふわふわした身体をぷるんとゆらしながらあたりをみまわしました。

ぷるるん ぷららん
ぷわらん ぷわりん

おっぱいまんじゅうちゃんは、
あんまりにも上手に木陰に隠れたので、
誰にも見つかることなく、
あまりの心地よさにそのまま寝てしまっていたのだと分かりました。

「みんな帰ってしまったのね。わたしも帰ろう。あたたかい場所へ帰ろう。」

おっぱいまんじゅうちゃんの後ろには、お月様がでていました。
おっぱいまんじゅちゃんのようにまんまるでした。

「お月様、わたしを白く照らしてね。そしたら、行く道がよく見える。かぁさまがいつもいってるの。まずはあなたが明るくなることよ。そしたら、あたりが明るくなるって。」

おっぱいまんじゅうちゃんは、
白々とした月の光を浴びて、
おちちのに輝きました。
あたりもおちちのいろに輝いています。

星々は、黄色く瞬いています。

帰ってくると、
家の戸口がしまっていました。
「あれ?おかしいな。ままぁ、ぱぱぁ。ねぇやーん。おちびちゃーん。」
おっぱいまんじゅうちゃんは、声をかぎりに呼びましたが、お家は真夜中のように静まり返っています。

「ままぁ、ぷわわんって抱きつきたいわ。おっぱい、のみたいの。おなかすいたの。」

おっぱいまんじゅちゃんは、しととしととなきはじめました。

しとと
しとと

おっぱいいまんじゅうちゃんの涙は、甘いおっぱい。
しととと泣くと、
子牛さんがもーもとやってきました。

「いい匂いがしたからやってきたの。あら、どうしちゃったの?おっぱいまんじゅうちゃん。泣くのはよさないで。そのまま泣いていて。」
そういって、子牛さんはおっぱいまんじゅうちゃんをベーロベロとおいしそうになめました。

「くすぐったいよ。泣いてっていわれると、涙がとまった。あのね、おうちが開かないの。ままもぱぱもおねえやんもおちびちゃんのおとうともいないみたいなの。」

子牛さんはいいました。
「探すとみつからないものよ。だけど、求めないことには、みえもしない。」
そういって、帰っていきました。

そうすると、またおっぱいまんじゅうちゃんは、悲しくなってきてぴゃーぴゃとなくと、
こんどは、子羊さんがめーめとやってきました。

「いい香りがしたからやってきたの。ねぇどうしたの?おっぱいまんじゅうちゃん。悲しいならいっぱい泣いていいよ。泣いたらおこられるかい?僕の前では泣いてもいいよ。」

そういって、ペロペロとなめました。

「くすぐったいよ。泣いていいっていわれると、なんで泣いてたのか思い出す。そうだ。あのね、おうちが開かないの。
ままもぱぱもおねやんもおちびちゃんのおとうともいないみたいなの。」

すると子羊はいいました。
「泣いて泣いて泣いてるうちは、できることはたったひとつになっちゃうよ。それはね、泣くことだけだよ。」
そういうと、帰っていきました。

やっぱり
おっぱいまんじゅうちゃんは、泣くこと以外できずにいて、今度はポロンポロンと泣きました。
すると、子猫がみゃーとやってきていいました。

「いい匂いがするね。おっぱいまんじゅちゃん、泣くのはどうして?」
そういいながら子猫は、おっぱいまんじゅちゃんをシャッシャッとなめました。
「くすぐったいよ。あのね、ままもぱぱもおねぇやんもおちびちゃんのおとうともおうちにいないの。」
「だから、わたしがいてあげる。」
子猫は、おっぱいまんじゅちゃんの白くて柔らかい身体の横にちょこんと座りました。
おっぱいまんじゅちゃんは、なんだかホッとしました。

月が白々と光り、おっぱいまんじゅちゃんを照らしました。
星々が踊り、
こうろぎもまつむしも鳴きました。

おっぱいまんじゅちゃんもやっぱり悲しくなってきていっしょに
ちんちらちろちろと泣きました。

ちんちらちろちろ
ちんちらちろちろ

すると、
こんどは子犬がくんくんとやってきました。
「とってもいいにおいがしたら、遠くからやってきたんだよ。ねぇ、どうしたの?おっぱいまんじゅうちゃん。そんなに白くて甘い涙をだしてたら、こどもたちが次々と集まるよ。」
そういって、ペラペラとなめました。
「くすぐったいよ。あのね、ままもぱぱもおねやんもおちびちゃんのおとうともお家にいないの。」
すると子犬はいいました。

「あぁ、それなら匂いがする。今ね、みんなそろってこちらにむかっているよ。」

おっぱいまんじゅうちゃんは、喜びました。
「まま、ぱぱ。おねぇやん。おちびちゃん。」

しばらくすると、
ままもぱぱもおねぇやんもおちびちゃんのおとうともお家に帰ってきました。

「おっぱいまんじゅうちゃん、帰ってたのね。よかったわ。ずいぶんと探したのよ。」

そいういうと、ままはぎゅっとだきしめました。ぽわりんとやさしく甘い香りがおっぱいまんじゅちゃんを包みました。

ぽわりん ほわらん

「ありがとう。お願いしたように、いっしょにいてくれたんだね。」
ぱぱが子猫にそう言うと、
子猫は知らん顔をしてシャッシャッと前脚をなめました。

気が付くと、
街中のこどもたちもそしてみんなのぱぱままも集まっていました。

月はまんまるで、
おっぱいまんじゅうちゃんもまんまる。

それでね、
ふたつのまんまるは、
明るく、明るく
おちちのように白く輝いて
辺りを照らしましたんですって。

ちゃんころ ぽわん ♪
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(笑)

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