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月曜日乗り切りたければ土日働け

目覚ましが鳴らずに起きることのできためずらしい朝だった。時計を確認していたら「…そろそろ起こしにいってもいい…?」という娘の声がしたので眠ったふりをした。部屋に入ってくると小さな声で呼んできたので、寝返りを打ちながら白目剥いて満面の笑みを披露した。「ヘンナ…ヘンナカオシテル…」とデュフフ笑いを見せてくれた。食卓に向かうとまだ寝ている小さな妹のために声を潜めていたんだと気付いてまた嬉しくなった。

妻も労働を再開した。夫の給与だけでは生活が回らない状況になっているため可能な限り働いてくれている。妻の幼少期の暮らしもそんな感じだったらしい。家庭環境も趣味も妻とは似ていない。お互いの苦しみは隠さずに話をしてきた。大事なのはそういうことなんだと思っている。「奥さんと仲いいですか?」と先日職場で聞かれた。大人の距離感になってしまって寂しいと答えたら笑われた。ウケたので良しとする。

通勤時間があまりにも長い。1時間15分もあるKIRINJIの「For Beautiful Human Life (Deluxe)」をまさか聴き終わるとは思わなかった。最近キリンジを聴き直しており、特に「Drifter」の優しさにはほぼ毎日救われている。「みんな愛のうたに背突かれて 与えるより多く奪ってしまうんだ」というフレーズに少し傷付けられて、その後の曲により大きい感動を貰えている気がする。

素敵すぎるフェスの感想を尻目に数日働いていたのでスイッチは切り替わっている。死んだ目で月曜を迎えている人たちを見ると少しだけ優越感を覚えるのは俺だけか。月曜日の憂鬱を吹き飛ばすにはその前から労働しておくこと。いつか土日休みがある仕事をしたい。仕事は嫌いだけど外に出ている時間が増えると話題は蓄積されていくので家族との会話が増える。ネタ作りのために出社しているといっても過言ではない。

外出中にBUPPONの「蓄積タイムラグ」を聴いた。BUPPONは山口県のラッパーで、突飛なフローを魅せてくれるというよりは丁寧に言葉を紡ぐタイプでとても好みのアーティスト。Spotifyには配信されていない作品で今回初めて聴いた。荒い部分もあるけど聴けたのが嬉しかった。言葉選びはこの頃の作品から凄みを感じられた。

ネットはニュースを選べるけど、テレビは見たくないニュースすらも平気で見せてくる。地震で火傷を負い亡くなってしまった子どもの話は辛かった。寄付金で違法な税控除を受けていた政治家の話…自分の趣味の音楽に関することで怒ったりすることはあまり無いのだけど、生活に直結する政治の話に関してはあまりの醜さに物に当たりたくもなった。家では民放は見ない。

家に帰ったときCRYAMY日比谷公演のTシャツ発送連絡が来ていた。前にツアーが終わったときのnoteが更新された時にカワノさんの年齢を調べたらまだ27歳だった。そうか27歳なのか…とも思った。東京の人だと思っていたので種子島の出身と知ったとき驚いた。自分も九州の田舎出身で故郷ではいい思い出がなかった。ライブ観るのは次の野音が初めて。帰宅する車の中で最後に聴いていたのも「GOOD LUCK HUMAN」だった。これからも誰かの支えになるんだろうなと思う。

寝る前絵本を読んだ。「はんたいのほん」というお気に入りのもの。いつも読んでいるとなんか眠たくなってきて今日も怒られた。20代は疲れた。漠然とした不安は消えたが、今度は具体的な不安に毎夜襲われている。家族はあたたかいが懐は気を抜くと冷える。ヘッダーは今日たまたま見つけた2012にあったらしいイベントのセットリスト。奥田民生、星野源、高橋優という並びにsuzumokuの名前もあった。suzumokuへの想いが再燃している。不安や憂鬱をぬるめに癒やしてもらうときは、星野源とピーズとsuzumokuに頼り気味な今日このごろでした。


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