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言葉は足りない優しくなりたい

なんで頑張らなければ休日を平穏に過ごせないのかという不服はある。もうちょっと寝てていいよと妻が言うと、長女がふとんを掛けてくれた。幼いなりにモタモタしてて可愛かった。とある日は「おとうさん!8時間だよ!」と八時半を言い間違えながら叩き起こされたこともあった。ボキャブラリーにない言葉の言い間違いはこの年齢の子どもだと多いらしい。

言い間違いといえば車の中で時速36kmの「真面」を聴いていたとき、娘からだれの歌?バンプ?って聞かれた。この子はとりあえずバンプ?星野源?って聞く定石がある。バンド名を教えてあげたところ「ジソクサンジュウロク???」って不思議そうに唱えてた。「km」はまだ辞書にないらしい。別に自分と同じ音楽を好きになるとは思っていない(僕の父親もジャパニーズ・レゲエをよく流してた)けど何かのきっかけになってくれたら嬉しい。

BUMP OF CHICKENのニューアルバムが発売された。KANA-BOONやゲスを実家みたいなバンドって形容されたらもうそんな世代がいるのか…とビックリするように、俺がバンプを実家みたいなバンドと言うことにビックリする上の世代もいるんだろうな。挨拶に行った実家がKing Gnuだったらさすがに怖気づくかもしれない。

9/21、クラブクアトロのceroワンマンライブに行った。路地裏音楽戦争でピックアップされたときからcero聴いてたんだけど(たぶんこんなこと書かない方がいい)、観るのはこの日が初めてだった。そして初めて最前でライブを観て甚く感動した。飄々としたイメージがあったのだが目の前で繰り広げられる姿はむしろ躍動感に溢れていて、歌もラップも楽器隊もキマっているのに見てる人みんなを笑顔にさせるのは髙城晶平の放つオーラゆえだと強く強く思わされた。ダンスを止めるな!で誰よりも踊り倒す姿に歓声を抑えられるわけがなく…「 e o」の収録曲は雰囲気を一変させて何かを降ろしているかのような演奏だった。アンコール最後の最後にSummer Soulやってくれてほんとありがとう…大きな旅行がなくたっていい夏でした…


頭痛くなるにつれて台風近づいてきてて笑ってしまった。古い記憶では小学生の頃から頭痛を引き摺り続けてこの歳になってしまった。色々と脳が衰えたらこの痛みとおさらばできるのだろうか。

誤解というのはアクションがあるから起こるのであり、原因はいつだって発信側にあるものだとは思っている。だけど「誤解を生んだら負け」っていうことには真っ向から抗いたい。まだ負けてません。誤解を生んだのならこれまでとそこからの生き方で誤解を溶いていくような、そんな道が示せる大人になりたい。今後の目標。

9/29、何としても見なきゃなって突き動かされて鶴舞のハポンにClimb The Mindのライブへ向かった。3バンド出てたんだけど「海洋天堂」は間に合わず「スティーブジャクソン」の途中から参加することができた。ミニマルで緊張感漂うポストパンクにそよ風のようなボーカルが乗った不思議なバンドだった。MCもそよ風のようだった。ライブ見ながら他のお客さんがカレー食べてるんだけど、スパイスの香りが店内に立ちこめているので匂いとか一切気にならない面白空間だった。スティーブジャクソンが終わるとすぐ横でライブ観てたイカちめのお兄さんがドラムの準備し始めて北野さんだったと気付いた。人の顔マジで覚えられない。セッティング中みんな周りと会話しててなんなら演者とも俺以外全員が顔見知りなんじゃと思わされるぐらい。孤独すぎて逆にテンション上がってた。「俺は掛け値なしにこの人達を身に来てるんだ…」という謎の高揚感。そして照明が少しだけ落とされて演奏が始まった。まだ好きになって間もないので瞬時にどの曲か分からなくても惹き込まれる力があった。曲中に歓声は上がらず、演奏後に拍手だけが鳴る会場だった。幸運にも最前で見ることができた。山内さんはたぶん喉の調子が良くなかったんだと思う。それでも力強く繊細になるギターと歌、支えながら時に歌うようなベース、隙間を作り隙間を割るようなドラム、見たかったものがそこにあって本当に感動した。「つよがり」が特に良かった。ラストに鳴るギターがカッコよくて終わったあと涙が出た。ハポン、最高の会場でした。


誰かが亡くなったときに気持ちや思い出を綴ることすら悪く言われるような世の中は悲しい。そこに書いてある想いだけがその人の全てじゃないはず。僕はずっと会えていない遠くの友人のことをまだ友達だと思っている。よく会っているから、いつも語っているから、それだけが人の気持ちの示し方ではないはずとぼんやり考えていた。

9/30、山田亮一がついに新バンドで名古屋に来るということでクラブロックンロールに行った。整番30だったけど前から3列目で観ることができた。対バンはamanojac、そして明日、照らす。明日、照らすは発売開始の数日前から聴き始めたバンドでここもラッキーだった。僕は以前違うバンドで対バン人気に機嫌悪くしてダサいパフォーマンス見せられたことあるから実は少しだけ不安だった。こんなこと一瞬でも考えて村上さんに申し訳なかった。この日歌に関しては村上さんが圧倒的だった。「あの娘を返せ」で沸かせるだけ沸かして帰っていく姿はこう、あってほしいバンドマンの姿でした。

そして山田亮一とアフターソウルの出番。みんな機材にも夢中だったけど山田がステージに準備来た瞬間「おぉ…」って声上げてたのは面白かった。俺もつい言った。俺含めて初見も多かったのか誰もおかえりとは言わなかったのも、しでかした事件を考えると不思議だった。1曲目アパルトの中の恋人たち、みんな知ってる歌だろうけど合唱もなければ拳も上がらず、しんみりした雰囲気に包まれていた。「さっき、明日は照らされたかと思います!俺たちは皆さんの今を照らします!」というMCから下校中何度も聴いたリボルバーのイントロ、聞き慣れた山田の歌声を浴びせられてこの日も涙が出てきた。ちょろすぎて山田は笑いが止まらないと思う。バンドとしてもこれからまだまだ楽しくなりそうな雰囲気があったし、音源を何よりも楽しみにしている。アンコールで熱気に包まれ血眼で幻によろしく歌ってた山田亮一、カッコよさの底見えね…となりました。


子どもたちを抱えたまま「ピノキオ」を見ていたら、いつの間にかソファで眠り込んでいた。身の丈に合わない生活だと思っている。子どもには「どうか俺みたいにならないでほしい」とばかり思っていて、最近は「俺のようになっても黙って話を聞いてあげたい」ぐらいには改めた。いつになったら自分のこと許せるか知りませんけどね。

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