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「普通」というどこにでもある呪い

「わたしを真に幸福にするのは誰なのだろう」。

これは、「ダルちゃん」という
漫画を買ったら
帯に書いてあった文章。

ネットの連載が好きで、
終わってからも自分の手元に
置いておきたくて、本を買った。

これは、「普通」っていう呪いに縛られて
自分を「擬態」して生きてきた女の子が
一人の人間として居場所を
見つけてゆくまでのストーリー。

わたしがこの作品に惹かれた理由は
ダルちゃんと同じだからに他ならない。

小さいころから
なんか人とずれてる部分があるなあ、
と思いつつ、でも擬態がうまかった私は
ものすごく世間からはみでることもなく。

中高は親の期待通りに
普通にきちんと勉強して受験をして
大学はみんなみたいに普通に
サークルに入ってふらふら遊んで
就職してからも普通に
まじめに働いてお金を稼いだ。

それらがいやだったわけではないけど、
なんとなくある地点から「違和感」が
自分の中にぽこんと目覚めた。

「普通はこうでしょ」
「普通はそんなの変だよ」
「普通にこうしたら幸せになれるよ」

自分の中にある「違和感」を口に出すと
大体言われる、まわりからの呪いの言葉。
でも言ってるひとたちは別に悪意もなく
むしろ親切心で言ってたりするんだよね。

でも、

普通ってなんだ?
わたしじゃない人が、
わたしの普通や幸せを決めるってなんだ?

そんなふうに思うものの、結局、
「そうかもですね~」
とへらへらしてしまう。

多分そういう違和感をもってる人、
たくさんいると思う。

そんな人たちに、
そっと寄りそうのがこの本。

最後、ダルちゃんは大きな決断を
するんだけど。

わたしもきっとダルちゃんなら、
同じ決断をしちゃうなあ、
なんてやるせなくなりながら。

誰かにおすすめしたいけど、
でも秘密にしておきたいような
そんな本。
大切にしよう。





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